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Time Scope ブロックの構成
信号の表示
時間スコープは、[時間範囲] パラメーターと [時間表示オフセット] パラメーターを使用して時間範囲を決定します。信号表示設定を変更するには、[ビュー] 、 [コンフィギュレーション プロパティ] を選択し、[コンフィギュレーション プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。次に、[時間] タブの [時間範囲] パラメーターと [時間表示オフセット] パラメーターの値を変更します。たとえば、[時間範囲] を 25
秒に設定する場合、スコープは 25 秒分のシミュレーション データを表示します。また、[時間表示オフセット] を 5
秒に設定すると、スコープは 5
から 30
秒の時間軸の値を表示します。Time Scope の時間軸の値の表示は、シミュレーションを通じて同じままです。
現在の表示に対応するシミュレーション時間を通信するために、スコープ ウィンドウの "時間単位"、"時間オフセット" および "シミュレーション時間" のインジケーターを使用します。次の図では、これらの Time Scope ウィンドウの部分とその他の重要な部分を示しています。
時間インジケーター
時間軸の範囲の最小値 — 時間スコープは、[コンフィギュレーション プロパティ] ダイアログ ボックスの [メイン] タブの [時間表示オフセット] パラメーターの値を使用して時間軸の範囲の最小値を設定します。[時間表示オフセット] パラメーターの値にベクトルを指定すると、スコープはそれらの値の最小値を使用して時間軸の範囲の最小値を設定します。
時間軸の範囲の最大値 — 時間スコープは、[時間表示オフセット] パラメーターの値と [時間範囲] パラメーターの値を合計して時間軸の範囲の最大値を設定します。[時間表示オフセット] パラメーターの値にベクトルを指定すると、スコープは、それらの値の最大値と [時間範囲] パラメーターの値を合計して時間軸の範囲の最大値を設定します。
時間単位 — 時間軸の記述に使用する単位です。時間スコープは、[コンフィギュレーション プロパティ] ダイアログ ボックスの [時間] タブにある [時間単位] パラメーターの値を使用して時間単位を設定します。既定では、このパラメーターは
[基準 (時間範囲に基づく)]
に設定され、ミリ秒、マイクロ秒、分、日などの計量単位で表示されます。これを[秒]
に変更して時間軸の値を常に秒単位で表示するようにできます。これを[なし]
に変更すると、時間軸に関する単位が非表示になります。このパラメーターを[なし]
に設定すると、時間スコープの時間軸にはTime
という単語しか表示されません。時間軸の
Time
という単語と値の両方を非表示にするには、[時間軸ラベルの表示] パラメーターを[なし]
に設定します。時間軸のTime
という単語と値の両方を、各列の一番下を除くすべての表示領域で非表示にするには、このパラメーターを[下部表示のみ]
に設定します。この動作は、x 軸上に値は表示するがラベルは表示しない Simulink® Scope (Simulink) ブロックの動作とは異なります。
詳細については、Configure the Time Scope Propertiesを参照してください。
シミュレーションのインジケーター
シミュレーション ステータス — モデルのシミュレーションのステータスを提供します。ステータスは、以下の条件のいずれかになります。
Processing
—step
メソッドの実行後およびrelease
メソッドの実行前に発生します。Stopped
— スコープ オブジェクトの構築後およびstep
メソッドの実行前に発生します。このステータスは、release
メソッドの実行後にも発生します。
"シミュレーション ステータス" は、スコープ ウィンドウのステータス バーの一部です。ステータス バー全体の表示/非表示を選択できます。スコープ メニューで [ビュー] 、 [ステータス バー] を選択します。
時間オフセット —
Offset
値は、スコープが表示しているデータのシミュレーション時間の決定に役立ちます。値の範囲は常に、0
≤Offset
≤ "シミュレーション時間" です。時間オフセットが 0 である場合、スコープにはOffset
ステータス フィールドが表示されません。時間オフセットを時間軸の一定の時間範囲の値に追加し、シミュレーション時間全体を取得します。たとえば、[時間範囲] を
20
秒に設定すると、スコープ ウィンドウにOffset
が0 (secs)
と表示されます。この値は、スコープがシミュレーション時間の最初の0
秒から20
秒のデータを表示していることを示します。[オフセット] を20 (secs)
に変更すると、スコープにはシミュレーション時間が20
秒から40
秒のデータが表示されます。スコープは、シミュレーションが完了するまでOffset
値を更新し続けます。シミュレーション時間 — 時間スコープによる入力の処理にかかった時間。スコープを呼び出すたびに、式 が示すように、入力信号の行数をサンプル レートで除算した分シミュレーション時間が増加します。
SampleRate
プロパティを使用して、サンプル レートを設定できます。フレームベース入力の場合、表示されるシミュレーション時間はフレームの先頭の時間です。"シミュレーション時間" は、Time Scope ウィンドウのステータス バーの一部です。ステータス バー全体の表示/非表示を選択できます。Time Scope のメニューで、[ビュー] 、 [ステータス バー] を選択します。
座標軸の最大化
スコープが座標軸の最大化モードである場合、次の図に、スコープ ウィンドウの重要なインジケーターを示します。
このモードを切り替えるには、スコープ メニューで [ビュー] 、 [コンフィギュレーション プロパティ] を選択します。[メイン] ペインで、[座標軸の最大化] パラメーターを特定します。
スコープを座標軸の最大化モードで表示するかどうかを指定します。このモードでは、それぞれの座標軸は表示領域全体に合わせて拡張されます。表示スペースを確保するために、ラベルは表示されません。その代わり、プロットされたデータの上に目盛りの値が表示されます。以下のオプションのいずれかを選択します。
自動
— このモードでは、すべての表示に対してTitle
プロパティおよびYLabel
プロパティが空の場合にのみ、すべての表示で軸が最大化されて表示されます。これらのプロパティのどちらか一方にでも表示の値を入力すると、軸は最大化されません。オン
— このモードでは、すべての表示で座標軸が最大化されます。Title
およびYLabel
プロパティに入力した値はすべて非表示になります。オフ
— このモードでは、いずれの軸も最大化されません。
既定の設定は、[自動]
です。
更新を減らして性能を改善
既定値では、スコープは 20 Hz を超えないレートで表示を定期的に更新します。スコープをシミュレーションの各タイム ステップで更新する場合、[更新を減らして性能を改善] オプションを無効にできます。ただし、推奨する方法として、シミュレーションの速度が大幅に向上する可能性があるため、このオプションを有効のままにしておきます。
Time Scope のメニューで、[再生] 、 [更新を減らして性能を改善] を選択し、チェック ボックスをオフにします。あるいは、ショートカット Ctrl + R を使用して、この設定を切り替えます。このオプションを無効にするには、ReduceUpdates
プロパティも false
に設定します。
複数の信号の表示
複数信号の入力
時間スコープを設定し、同じ表示領域または個別の表示領域に複数の信号を表示できます。既定では、信号は同じ表示領域上に異なる色の線で表示されます。信号は、異なる次元、サンプル レートおよびデータ型をもつことができます。各信号の値は、実数または複素数のどちらでもかまいません。次の方法で、時間スコープの入力端子の数を設定できます。
NumInputPorts
プロパティを設定します。このプロパティは調整不可能であるため、スコープを実行する前に設定する必要があります。スコープ ウィンドウを開くには、
show
メソッドを実行します。スコープ メニューで、[ファイル] 、 [入力端子の数] を選択します。スコープ ウィンドウを開くには、
show
メソッドを実行します。スコープ メニューで、[ビュー] 、 [コンフィギュレーション プロパティ] を選択し、[メイン] タブの [入力端子の数] を設定します。
次元によっては、入力信号に複数のチャネルが含まれていることがあります。複数のデータ チャネルは常に同じ表示領域上に異なる色のラインで表示されます。
複数の信号名と色. 既定では、入力信号に複数のチャネルがある場合、スコープはインデックス番号を使用して信号の各チャネルを識別します。たとえば、チャネルの凡例では、2 チャネル信号の既定の名前は Channel 1
、Channel 2
のようになります。凡例を表示するには、[ビュー] 、 [コンフィギュレーション プロパティ] を選択し、[表示] タブで [凡例の表示] チェック ボックスをオンにします。合計で 7 つの入力チャネルがある場合、次の凡例が表示されます。
既定では、スコープの座標軸の背景は黒で、Simulink Scope (Simulink) ブロックと同様の方法で各チャネルのラインの色を選択します。スコープの座標軸の背景が黒である場合、各入力信号の各チャネルには、上記の図に示す順序でラインの色が割り当てられます。
7 チャネルより多い場合、スコープではラインの色がこの順序で繰り返し残りのチャネルに割り当てられます。各チャネルのラインの色を選択するには、座標軸の背景色を黒以外の色に変更します。座標軸の背景色を白に変更するには、[ビュー] 、 [スタイル] を選択し、[Axes の背景色] ボタン () をクリックしてカラー パレットから白を選択します。シミュレーションを再度実行します。次の凡例が表示領域に表示されます。次の図に、背景が黒ではない場合の色の順序を示します。
複数の表示領域
複数のデータ チャネルをスコープ ウィンドウの別々の表示領域に表示できます。スコープ ツール バーで、[ビュー] 、 [レイアウト] を選択するか、[レイアウト] ボタン () を選択します。
メモ
[レイアウト] メニュー項目とボタンは、スコープがスナップショット モードであるときには利用できません。
ウィンドウを複数の表示領域に分けて並べて表示することができます。たとえば、スコープに 3 つの入力がある場合、3 つの個別の表示領域に信号を表示できます。レイアウト グリッドには 4 行 4 列のグリッドが表示されていますが、レイアウト グリッド内をクリックしてドラッグすることで最大 16 行 16 列まで選択できます。
[レイアウト] オプションを使用してウィンドウを複数の表示領域に分けて並べて表示する場合、青で強調表示された表示領域は "アクティブな表示領域" と呼ばれます。スコープ ダイアログ ボックスはアクティブな表示領域を参照します。
時間スコープの [測定値] パネル
[測定値] パネルとは、スコープ GUI の右側に表示される 5 つのパネルです。
トレース選択パネル
スコープを使用して複数の信号を表示すると、[トレース選択] パネルが表示されます。このパネルを使用して測定する信号を選択します。[トレース選択] パネルを開くには、以下の手順に従います。
メニューから、[ツール] 、 [測定値] 、 [トレース選択] を選択します。
測定値パネルを開きます。
-
[トリガー] パネル
[トリガー] パネルとは. [トリガー] パネルは、シミュレーション時間と入力端子を同期するようにトリガー イベントを定義します。トリガー イベントを使用して、正弦波などの周期信号を安定化させ、間欠的に発生するパルスなどの非周期信号を取得することができます。
[トリガー] パネルを開くには、以下の手順に従います。
Scope ブロック ウィンドウを開きます。
ツール バーで、[トリガー] ボタン をクリックします。
シミュレーションを実行します。
三角形のトリガー ポインターが、イベントのトリガー時間とトリガー レベルを示します。マーカーの色は、ソース信号の色に対応します。
[メイン] ペイン. モード — 表示領域を更新するタイミングを指定します。
自動 — 最後のトリガー イベントのデータを表示します。1 つの時間範囲後にイベントが発生しない場合、最後の利用可能なデータが表示されます。
ノーマル — 最後のトリガー イベントのデータを表示します。イベントが発生しない場合、表示領域は空白のままになります。
1 回のみ — 最後のトリガー イベントのデータを表示し、表示領域を静止させます。イベントが発生しない場合、表示領域は空白のままになります。[リセット] ボタンをクリックし、次のトリガー イベントを検索します。
オフ — トリガーを無効にします。
位置 (%) — 時間ポインターの y 軸上の位置を指定します。時間ポインターを右または左にドラッグし、位置を調整します。
[ソース/タイプ] および [レベル/タイミング] ペイン. ソース — トリガー信号を選択します。振幅プロットと位相プロットの場合、振幅または位相のいずれかを選択します。
タイプ — トリガーのタイプを選択します。
トリガー タイプ | トリガーのパラメーター |
---|---|
| 極性 — エッジ トリガー信号の極性を選択します。
レベル — エッジ トリガー信号のしきい値を入力します。[自動レベル] は 50% です。 ヒステリシス — エッジ トリガー信号の値を入力します。トリガー信号のヒステリシスを参照してください。 |
| 極性 — パルス幅トリガー信号の極性を選択します。
メモ グリッチ トリガーは、特別な種類のパルス幅トリガーです。グリッチ トリガーは、指定した時間より短い間隔のパルスまたはスパイクに対して発生します。パルス幅トリガーを使用して [最大幅] パラメーターを小さい値に設定し、グリッチ トリガーを実装できます。 高 — パルス幅トリガー信号の高い値を入力します。[自動レベル] は 90% です。 低 — パルス幅トリガー信号の低い値を入力します。[自動レベル] は 10% です。 最小幅 — パルス幅トリガー信号の最小パルス幅を入力します。パルス幅は、中間しきい値の最初と 2 回目のクロッシング間で測定されます。 最大幅 — パルス幅トリガー信号の最大パルス幅を入力します。 |
| 極性 — 遷移トリガー信号の極性を選択します。
高 — 遷移トリガー信号の高い値を入力します。[自動レベル] は 90% です。 低 — 遷移トリガー信号の低い値を入力します。[自動レベル] は 10% です。 最小時間 — 遷移トリガー信号の最小の時間範囲を入力します。 最大時間 — 遷移トリガー信号の最大の時間範囲を入力します。 |
| 極性 — ラント トリガー信号の極性を選択します。
高 — ラント トリガー信号の高い値を入力します。[自動レベル] は 90% です。 低 — ラント トリガー信号の低い値を入力します。[自動レベル] は 10% です。 最小幅 — ラント トリガー信号の最小幅を入力します。パルス幅は、しきい値の最初と 2 番目のクロッシング間で測定されます。 最大幅 — ラント トリガー信号の最小パルス幅を入力します。 |
| 極性 — ウィンドウ トリガー信号の領域を選択します。
高 — ウィンドウ トリガー信号の高い値を入力します。[自動レベル] は 90% です。 低 — ウィンドウ トリガー信号の低い値を入力します。[自動レベル] は 10% です。 最小時間 — ウィンドウ トリガー信号の最小の時間範囲を入力します。 最大時間 — ウィンドウ トリガー信号の最大の時間範囲を入力します。 |
| 極性 — タイムアウト トリガー信号の極性を選択します。
レベル — タイムアウト トリガー信号のしきい値を入力します。 ヒステリシス — タイムアウト トリガー信号の値を入力します。トリガー信号のヒステリシスを参照してください。 タイムアウト — タイムアウト トリガー信号の時間範囲を入力します。 あるいは、信号がしきい値と交差した後、ヒステリシスで定義された境界の内側に信号が 7.50 秒間とどまったときに、トリガー イベントが発生します。 |
トリガー信号のヒステリシス. ヒステリシス (V) — ヒステリシスまたはノイズ除去値を指定します。このパラメーターは、[タイプ] を [エッジ]
または [タイムアウト]
に設定した場合に表示されます。信号がこの範囲内で小刻みに動いてトリガー レベルと瞬間的に交差する場合、スコープはイベントを登録しません。立ち上がり極性のエッジ トリガーの場合、スコープは、ヒステリシス領域内で信号がトリガー レベルと交差する時間を無視します。
ヒステリシスの値を小さくすると、ヒステリシス領域サイズを狭くすることができます。この例では、ヒステリシスの値を 0.07 に設定すると、スコープは 2 回目の立ち上がりエッジをトリガー イベントと見なします。
[遅延/ホールドオフ] ペイン. 固定の遅延時間分だけトリガー位置をオフセットしたり、トリガー イベントが発生可能な最小間隔を設定します。
遅延 (秒) — トリガー位置をオフセットする固定の遅延時間を指定します。このパラメーターは、トリガー イベントが発生してから信号が表示されるまでのスコープの待ち時間を制御します。
ホールドオフ (秒) — トリガー イベントが発生可能な最小間隔を指定します。この時間は、有効なトリガー イベントの発生後のデータ収集を抑制するために使用します。トリガーのホールドオフは、関連部分のバースト中にトリガーが繰り返し発生するのを防ぎます。
[カーソルの測定] パネル
[カーソルの測定] パネルは、スクリーン カーソルを表示します。パネルには、信号を測定するためのカーソルが 2 種類あります。波形カーソルは、信号に沿って移動する垂直方向のカーソルです。スクリーン カーソルは、表示の任意の場所に配置できる垂直および水平の両方向のカーソルです。
メモ
信号のデータ点が複数の値をもつ場合、その点におけるカーソルの測定は定義されず、カーソルの値は表示されません。
スクリーン カーソルを信号の時間や値と共に表示します。[カーソルの測定] パネルを開くには、以下の手順に従います。
メニューから、[ツール] 、 [測定値] 、 [カーソルの測定] を選択します。
ツール バーで、[カーソルの測定] ボタンをクリックします。
[設定] ペインで、測定値の計算に使用するスクリーン カーソルの種類を変更できます。複数の信号が表示されているときは、トレースごとに個別にカーソルを割り当てることができます。
スクリーン カーソル — スクリーン カーソルを表示します (スペクトルおよびデュアル表示のみ)。
水平方向 — 水平方向のスクリーン カーソルを表示します (スペクトルおよびデュアル表示のみ)。
垂直方向 — 垂直方向のスクリーン カーソルを表示します (スペクトルおよびデュアル表示のみ)。
波形カーソル — 入力信号に付加されるカーソルを表示します (スペクトルおよびデュアル表示のみ)。
カーソル間隔のロック — 2 つのカーソル間の周波数の差を固定します。
データにスナップ — 信号のデータ点にカーソルを置きます。
[測定値] ペインには、時間と値の測定値が表示されます。
1 — 1 番目のカーソル (実線カーソル) の時間または値を表示または変更します。
2 — 2 番目のカーソル (破線カーソル) の時間または値を表示または変更します。
[ΔT] または [ΔX] — カーソル番号 1 と 2 との間の時間 (x 軸) の差の絶対値を表示します。
ΔY — カーソル番号 1 と 2 との間の信号振幅差の絶対値を表示します。
[1/ΔT] または [1/ΔX] — レートを表示します。カーソル番号 1 と 2 との間の時間 (x 軸) の差の絶対値の逆数です。
[ΔY/ΔT] または [ΔY/ΔX] — 勾配を表示します。カーソル間の時間 (x 軸) の差の絶対値に対する、カーソル間の信号振幅の差の絶対値の比率です。
信号の統計パネル
[トレース選択] パネルで選択した信号に関する信号統計を表示します。[信号の統計] パネルを開くには、以下の手順に従います。
メニューから、[ツール] 、 [測定] 、 [信号の統計] を選択します。
ツール バーで、[信号の統計] ボタンをクリックします。
表示される統計は次になります。
最大値 — 入力信号の表示部分内の最大値。
最小値 — 入力信号の表示部分内の最小値。
ピーク ツー ピーク — 入力信号の表示部分内の最大値と最小値の差。
平均 — 入力信号の表示部分内のすべての値の平均値。
中央値 — 入力信号の表示部分内の中央値。
RMS — 入力信号の平方根平均二乗。
スコープのズーム オプションを使用すると、信号の統計の測定は表示領域に表示される時間範囲に自動的に調整されます。スコープのツール バーで、[ズームイン] または [X 軸ズーム] ボタンをクリックし、x 軸の表示範囲を制限します。表示される統計はこの時間範囲を反映します。たとえば、1 つのパルスにズームインして、[信号の統計] パネルにその特定のパルスのみに関する情報を表示させることができます。
信号の統計の測定は、任意の入力信号単位について有効です。milli- を表す m など、各測定の対応値の後の文字は、適切な国際単位系 (SI) の接頭辞を表します。たとえば、入力信号がボルト単位で測定された場合、測定値の横にある m は値がミリボルト単位であることを示します。
バイレベル測定パネル
バイレベル測定. 信号の遷移、オーバーシュート、アンダーシュート、およびサイクルに関する情報を表示します。[バイレベル測定] パネルを開くには、以下の手順に従います。
メニューから、[ツール] 、 [測定値] 、 [バイレベル測定] を選択します。
ツール バーで、[バイレベル測定] ボタンをクリックします。
設定. [設定] ペインでは、遷移、オーバーシュート、アンダーシュートおよびサイクルに関わるさまざまな測定値を計算するのに使用されるプロパティを変更できます。高状態レベル、低状態レベル、状態レベルの許容誤差、上位基準レベル、中央基準レベルおよび下位基準レベルを変更できます。
自動状態レベル — このチェック ボックスが選択されていると、[バイレベル測定] パネルは、2 値波形の高状態レベルと低状態レベルを検出します。このチェック ボックスがオフになっている場合は、高状態レベルと低状態レベルの値を直接入力できます。
高 — 正極性または高状態レベルを示す値を手動で指定するために使用されます。
低 — 負極性または低状態レベルを示す値を手動で指定するために使用されます。
[状態レベル許容誤差] — 各遷移の初期レベルと最終レベルが間に収まらなければならない、それぞれの状態レベルの許容誤差です。この値は、高と低の状態レベル間の差をパーセント比として表します。
[上位基準レベル] — 立ち上がり時間の測定の終了または立ち下がり時間の測定開始の計算に使用されます。この値は、高と低の状態レベル間の差をパーセント比として表します。
[中央基準レベル] — 遷移発生時間の決定に使用されます。この値は、高と低の状態レベル間の差をパーセント比として表します。次の図では、中央基準レベルは水平線として表示され、それに対応する中央基準レベル瞬時は垂直線として表示されます。
[下位基準レベル] — 立ち下がり時間の測定の終了または立ち上がり時間の測定の開始を計算するのに使用されます。この値は、高と低の状態レベル間の差をパーセント比として表します。
[シーク整定] — 各遷移の発生時に、有効な整定時間を計算するのに使用される中央基準レベル瞬時後の期間。この値は、関数
settlingtime
実行時に設定可能な入力パラメーターD
と等価です。整定時間は [オーバーシュート/アンダーシュート] ペインに表示されます。
[遷移] ペイン. 高と低という 2 つの可能な状態レベル値の間で変化する入力信号に対応して求められる、測定値を表示します。
2 値波形での立ち上がり遷移、または "立ち上がりエッジ" は、低状態レベルから高状態レベルへの遷移です。立ち上がり遷移は、ゼロより大きい勾配値をもっています。次の図は立ち上がり遷移を示しています。
テキスト ラベルの横にプラス記号 (+) がある場合は、測定は立ち上がりエッジ、つまり低状態レベルから高状態レベルへの遷移です。
2 値波形での立ち下がり遷移、または "立ち下がりエッジ" は、高状態レベルから低状態レベルへの遷移です。立ち下がり遷移は、ゼロより小さい勾配値をもっています。次の図は立ち下がり遷移を示しています。
テキスト ラベルの横にマイナス記号 (–) がある場合は、測定は立ち下がりエッジ、つまり高状態レベルから低状態レベルへの遷移です。
遷移の測定値では、入力信号の振幅の単位はボルトとしています。遷移の測定値を有効にするには、すべての入力信号をボルト単位に変換しなければなりません。
[高] — [時間範囲] パラメーターの期間にわたる、入力信号の高振幅の状態レベルです。[時間範囲] は、[ビジュアル — 時間領域プロパティ] ダイアログ ボックスの [メイン] ペインで設定できます。
[低] — [時間範囲] パラメーターの期間にわたる、入力信号の低振幅の状態レベルです。[時間範囲] は、[ビジュアル — 時間領域プロパティ] ダイアログ ボックスの [メイン] ペインで設定できます。
[振幅] — 高状態レベルと低状態レベル間の振幅の差。
[+ エッジ] — 入力信号の表示部分内でカウントされた正極性または立ち上がりのエッジの合計数。
[+ 立ち上がり時間] — 各立ち上がりエッジが下位基準レベルから上位基準レベルに達するのにかかる平均時間。
[+ スルー レート] — 入力信号の表示部分内の上位パーセント基準レベルと下位パーセント基準レベル内の各立ち上がりエッジ遷移ラインの平均勾配。次の図では、スルー レートが計算された領域が灰色で表示されます。
[- エッジ] — 入力信号の表示部分内でカウントされた負極性または立ち下がりエッジの合計数。
[- 立ち上がり時間] — 各立ち上がりエッジが下位基準レベルから上位基準レベルに達するのにかかる平均時間。
[– スルー レート] — 入力信号の表示部分内の上位パーセント基準レベルと下位パーセント基準レベル内の各立ち下がりエッジ遷移ラインの平均勾配。
[オーバーシュート/アンダーシュート] ペイン. [オーバーシュート/アンダーシュート] ペインには、入力信号の歪みと減衰を伴う、計算された測定値が表示されます。"オーバーシュート" および "アンダーシュート" は、信号がその最終的な定常値をそれぞれ上回るおよび下回る量を表します。"プレシュート" は、信号が初期定常値からの変化としての遷移を行う前の量を表します。
次の図は、立ち上がりエッジ遷移のプレシュート、オーバーシュートおよびアンダーシュートを表します。
次の図は、立ち下がりエッジ遷移のプレシュート、オーバーシュートおよびアンダーシュートを表します。
+ プレシュート — 各立ち上がり遷移の直前の領域にある平均最低逸脱。
+ オーバーシュート — 各立ち上がり遷移の直後の領域にある平均最高逸脱。
+ アンダーシュート — 各立ち上がり遷移の直後の領域にある平均最低逸脱。
+ 整定時間 — 各立ち上がりエッジが高状態レベルの許容誤差内に入り、シーク整定時間の残りの間そこに留まるために必要な平均時間。整定時間とは、中央基準レベル瞬時後、高状態レベル周辺の許容誤差領域に信号が入ったまま留まるようになった時間です。このクロッシングを次の図に示します。
シーク整定時間のパラメーターは、[設定] ペインで変更できます。
– プレシュート — 各立ち下がり遷移の直前の領域にある平均最高逸脱。
– オーバーシュート — 各立ち下がり遷移の直後の領域にある平均最高逸脱。
– アンダーシュート — 各立ち下がり遷移の直後の領域にある平均最低逸脱。
- 整定時間 — 各立ち下がりエッジが低状態レベルの許容誤差内に入り、シーク整定時間の残りの間そこに留まるために必要な平均時間。整定時間とは、中央基準レベル瞬時後、低状態レベル周辺の許容誤差領域に信号が入ったまま留まるようになった時間です。シーク整定時間のパラメーターは、[設定] ペインで変更できます。
[サイクル] ペイン. [サイクル] ペインには、入力信号の表示部分内の反復またはトレンドの計算に関連する測定値が表示されます。
設定するプロパティは、以下のとおりです。
[周期] — 入力信号の表示部分内の同じ極性の隣接するエッジ間の平均時間。[バイレベル測定] パネルは周期を次のように計算します。ここでは、各正極性パルスの初回遷移とその次の立ち上がり遷移のそれぞれの中央基準レベル瞬時における差を取得します。これらの中央基準レベル瞬時は、次の図で赤い点で表示されます。
[周波数] — 平均周期の逆数。周期は通常、秒の測定方式のいずれかまたはサイクルあたりの秒数で測定されるのに対し、周波数は一般に Hz または毎秒あたりのサイクルで測定されます。
[+ パルス] — カウントされた正極性パルス数。
[+ 幅] — 入力信号の表示部分内の各正極性パルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジ間の平均時間。
[+ デューティ比] — 入力信号の表示部分内の各正極性パルスのパルス周期に対するパルス幅の平均比。
[- パルス] — カウントされた負極性パルス数。
[- 幅] — 入力信号の表示部分内の各負極性パルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジ間の平均時間。
[- デューティ比] — 入力信号の表示部分内の各負極性パルスのパルス周期に対するパルス幅の平均比。
スコープのズーム オプションを使用すると、バイレベル測定は表示領域に表示される時間範囲に自動的に調整されます。スコープのツール バーで、[ズームイン] または [X 軸ズーム] ボタンをクリックし、x 軸の表示範囲を制限します。表示される統計はこの時間範囲を反映します。たとえば、1 つの立ち上がりエッジにズームインし、[バイレベル測定] パネルにその特定の立ち上がりエッジのみに関する情報を表示させます。ただし、この機能は [高] および [低] の測定には適用されません。
クロック入力信号でのバイレベル測定パネルの使用
この例では、Time Scope ブロックにおける [バイレベル測定] パネルの使用方法を示します。
モデル例 ex-timescope-clockex
を開きます。
open_system("ex_timescope_clockex")
この例では、Simulink® は MATLAB® ワークスペースから変数 "x" をインポートします。この変数は、その構築コマンドがモデルのプリロード関数内にあるため、モデルが読み込まれたときに作成されます。これらのコマンドを表示するには、次を行います。
Simulink ツール バーの [モデル化] タブにある [設定] セクションで、ドロップダウンから [モデル プロパティ] を選択します。
[モデル プロパティ] ダイアログ ボックスで、[コールバック] タブを選択します。次のような MATLAB コード行が表示されます。
load clockex;
ts = t(2)-t(1);
モデルを実行し、Time Scope ブロックを開いて時間領域出力を確認します。
[バイレベル測定] パネルを開くには、以下の手順に従います。
Time Scope のメニューで [ツール]、[測定値]、[バイレベル測定] を選択します。
[遷移] セクションを折りたたみ、[設定] と [オーバーシュート/アンダーシュート] の各セクションを展開します。
sim("ex_timescope_clockex") open_system("ex_timescope_clockex/Time Scope")
立ち上がりエッジの [整定時間] パラメーター値は表示されません。これは、[シーク整定] の既定値がシミュレーション全体よりも長いからです。
[シーク整定] に小さい値 2e-6 を入力して Enter キーを押します。Time Scope に、立ち上がりエッジ整定時間の値 118.392 ns が表示されます。
表示された整定時間の値は、5 つの立ち上がりエッジすべての整定時間を統計的に平均したものです。
特定の立ち上がりエッジの整定時間を表示するには、該当する遷移上でズームインします。
Time Scope ツール バーの [X 軸ズーム] ボタンをクリックします。
時間軸上で、2 マイクロ秒の値の近くの表示をクリックします。右にドラッグし、時間軸上の 4 マイクロ秒の値付近でボタンを放します。
Time Scope で、新しい時間ウィンドウを反映して立ち上がりエッジ整定時間の値が更新されます。
ピークの検出パネル
[ピークの検出] パネルには最大値が表示され、その発生する x 軸上の値も示されます。ピークは、より低い値がピークの両側にある場合に、局所的最大値として定義されます。端点はピークとは見なされません。このパネルではピークしきい値、ピークの最大数、ピーク偏位の設定を変更できます。
メニューから、[ツール] 、 [測定値] 、 [ピークの検出] を選択します。
ツール バーで、[ピークの検出] ボタンをクリックします。
[設定] パネルでは、入力信号の表示部分内のピーク値を計算するのに使用されるパラメーターを変更できます。このペインに使用されるアルゴリズムの詳細については、関数 findpeaks
のリファレンスを参照してください。
設定するプロパティは、以下のとおりです。
[ピークしきい値] — それを超えるとピークが検出されるレベル。この設定は、関数
findpeaks
を実行するときに設定できるMINPEAKHEIGHT
パラメーターと等価です。[ピークの最大数] — 表示するピークの最大数。入力する値は 1 から 99 までのスカラー整数でなければなりません。この設定は、関数
findpeaks
を実行するときに設定できるNPEAKS
パラメーターと等価です。[最小ピーク距離] — 隣接するピーク間のサンプルの最小数。この設定は、関数
findpeaks
を実行するときに設定できるMINPEAKDISTANCE
パラメーターと等価です。[ピーク偏位] — ピークとその隣接するサンプルとの高さの最小差異。次の図では、ピーク偏位がピークしきい値と共に表示されています。
"ピークしきい値" とは、サンプル値がピークになるために必要な最小値のことです。"ピーク偏位" とは時間領域内のピーク サンプルとその左右にあるサンプルの最小差です。この図では、ラベル付けされたピークとそれに隣接するサンプル間の 2 つの高さの差のうち、小さい方を緑色の垂直線で示しています。ラベル付けされたピークがピークとして分類されるためには、高さの差が [ピーク偏位] の値より大きくなければなりません。赤色の水平線で示されているピークしきい値とこの設定を比較します。ラベル付けされたピークがピークとして分類されるためには、振幅がこの水平線より上になければなりません。
ピーク偏位の設定は、関数
findpeaks
を実行するときに設定できるTHRESHOLD
パラメーターと等価です。[ラベル形式] — プロット上の計算されたピーク値の隣に表示する座標。ピーク値を表示するには、[ピーク] ペインを展開し、対象のそれぞれのピークに対応するチェック ボックスを選択しなければなりません。既定では、x 軸の値と y 軸の値の両方がプロット上に表示されます。表示領域上の各ピーク記号の隣に表示する軸の値を選択します。
[X+Y]
— x 軸と y 軸の両方の値を表示します。[X]
— x 軸の値のみ表示します。[Y]
— y 軸の値のみ表示します。
[ピーク] ペインには計算された最大ピーク値が表示されます。[設定] ペインで定義したパラメーターを使用して、ピークが発生した座標も表示します。[ピークの最大数] パラメーターを設定し、一覧表示されるピークの数を指定します。
[値] 列に表示される数値は、関数 findpeaks
の実行により返される出力引数 pks
と等価です。第 2 列に表示される数値は、関数 findpeaks
を実行すると返される出力引数 locs
と同様です。
[ピークの検出] では、[ピーク] ペインにピーク値が表示されます。既定では、[ピークの検出] パネルでは、計算された最大ピーク値が [ピーク] ペインに、ピークの高い順に表示されます。
チェック ボックスを使用して、表示領域に表示するピーク値を制御します。既定ではすべてのチェック ボックスがオフになっており、[ピークの検出] パネルではすべてのピーク値が非表示となります。表示領域にすべてのピーク値を表示または非表示にするには、[ピーク] ペインの左上隅にあるチェック ボックスを使用します。
ピークは入力信号のどの単位についても有効です。各測定の対応値の後に続く文字は、m が milli を表すなど、SI (国際単位系) の適切な接頭辞の省略形を表します。たとえば、入力信号がボルト単位で測定された場合、測定値の横にある m は値がミリボルト単位であることを示します。
スタイル ダイアログ ボックス
[スタイル] ダイアログ ボックスを開くには、[ビュー] 、 [スタイル] を選択するか、[コンフィギュレーション プロパティ] ボタンのドロップダウンで [スタイル] ボタン () を選択します。このダイアログ ボックスで、Figure の色、座標軸の背景色、座標軸の前景色、表示領域内のラインのプロパティを変更できます。
プロパティの詳細については、スタイルのプロパティを参照してください。
座標軸スケーリングのプロパティ
[座標軸スケーリングのプロパティ] ダイアログ ボックスを使用すると、データに自動的にズーム インおよびズーム アウトし、時間スコープの座標軸をスケーリングできます。このダイアログ ボックスを開くには、Time Scope のメニューで [ツール] 、 [座標軸のスケーリング] 、 [座標軸スケーリングのプロパティ] を選択します。
プロパティの詳細については、座標軸スケーリングのプロパティを参照してください。
ソース — ストリーミング プロパティ
[ソース – Streaming プロパティ] ダイアログ ボックスを使用すると、Time Scope がメモリ内に保有する入力信号サンプルの数を制御できます。このダイアログ ボックスを開くには、Time Scope のメニューで [ビュー] 、 [データ履歴プロパティ] を選択します。
- [バッファー長]
スコープのメモリ キャッシュに保持するバッファーのサイズを指定します。メモリはシステムで利用可能な容量に制限されます。信号に M 行のデータがあり、各行のデータ点が N 個の場合、タイム ステップあたりのデータ点の数は M x N です。これにモデルのタイム ステップの数を掛けると必要なバッファー長を計算できます。たとえば、10 行のデータがあり、各行のデータ点の数が 100 個の場合、タイム ステップが 10 であれば、バッファー長として 10,000 (10 x 100 x 10) を入力します。