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Imatest 拡張 eSFR チャートの詳細

Imatest® エッジ空間周波数応答 (eSFR) テスト チャートには、ISO 12233:2014 標準 [1][2] に基づく鮮鋭度の測定が可能な視覚的特徴が含まれます。単一のテスト チャートを使用して、色収差、ノイズ、およびシーン照明の測定ができます。チャートのレジストレーション マーカーにより、測定する関心領域 (ROI) の自動選択ができます。

Image Processing Toolbox™ は、eSFR テスト チャートの拡張版をサポートしています。拡張版の縦横比は 16:9 で、色精度を測定する機能が追加されています。esfrChart オブジェクトはフォーカシング ターゲットやウェッジのような、チャート内のその他の視覚的特徴を解析しません。

傾斜したエッジ特徴

Extended eSFR test chart with 15 tilted gray boxes distributed across the image. Yellow rectangles are overlaid on the image and encompass each detected gray box.

拡張 eSFR テスト チャートには、垂直から 5° 傾いた 15 個のグレー ボックスがあります。各ボックスの左側、上側、右側、および下側のエッジを使用して、次の測定を行います。

  • "Local SFR"。イメージの鮮鋭度。鋭いエッジは不鮮明なエッジに比べてコントラストが高く、エッジの実際の位置をより明確に示します。

    • 鋭いエッジでは、シーン内の境界を超えるとピクセル強度の値が即座に遷移します。ほとんどのピクセルは境界のエッジのどれかに属し、少数のピクセルは中間値を持ちます。実際の各エッジに隣接するピクセルの強度が大きく異なるため、コントラストは高くなります。

    • 不鮮明なエッジでは、遷移は多くのピクセルにわたって徐々に起こります。この結果、実際の境界がどこにあるのか不明瞭になります。隣接するピクセルは似たような強度値であるため、コントラストは低くなります。

    鮮鋭度は、撮像領域の中心に向かって高く、周辺に向かって低くなります。水平方向の鮮鋭度は、通常、垂直方向の鮮鋭度よりも高くなります。SFR を測定するには、関数 measureSharpness を使用します。

  • 局所 "色収差"、または色ぶちは、カメラの光学システムが赤、緑、青色のチャネル内の光をどれだけ均等にフォーカスしているかを表します。取得したイメージでは、色収差はエッジに沿った不自然な細長い色の区画として現れます。色収差は輝度チャネルのコントラストを下げます。このため、イメージの鮮鋭度を低下させます。

    色収差はイメージの中央から放射状に増加します。色収差を測定するには、関数 measureChromaticAberration を使用します。この関数は各カラー チャネルのエッジ プロファイルも返します。これはエッジに沿ったピクセル強度値の平均を投影したものです。

テスト チャートのイメージをフル 16:9 の縦横比でキャプチャした場合、esfrChart は有効な傾斜したエッジの ROI 60 個すべてを自動的に識別しラベル付けします。テスト チャートのイメージはチャートに示されるように、4:3 や 3:2 の縦横比も可能です。これらの比では利用できるエッジが少なくなり、16:9 の縦横比で利用される規則に則って esfrChart はエッジにインデックスを付与します。

テスト チャートの適切なキャプチャでは、チャートを回転せずに正しい位置に合わせ、傾斜したエッジが 5° に近くなるようにします。エッジのコントラストは 20% より大きくなければなりません。コントラストが 20% 未満の場合、シーンのライティングとカメラの露光を調整します。

グレー パッチ特徴

Extended eSFR test chart with 20 gray patches of varying brightness arranged in a ring near the center of the image. Yellow polygons are overlaid on the image along the outer border and inner border of the ring.

拡張 eSFR テスト チャートには、増加する明度のグレー パッチが 20 個あり、イメージの中心の周囲にリング状に配置されています。グレー パッチを使用して次の測定を行います。

  • "シーン照明"。シーンを照らす光の色を推定します。測定した照明を使用して、同様のライティング条件下で取得されたイメージのホワイト バランスを調整できます。シーン照明を測定するには、関数 measureIlluminant を使用します。イメージのホワイト バランスを行うには、関数 chromadapt を使用します。

  • "ノイズ"。カメラの電子装置が生成するピクセル値の誤差がどの程度かを示します。各カラー チャネルのノイズを推定するには、関数 measureNoise を使用します。

テスト チャートの適切なキャプチャでは、各グレー パッチが他のパッチから見た目で区別できるようにシーンのライティングとカメラの露光を設定し、どのピクセルでもクリッピングが発生しないようにします。もし最も暗いパッチの区別がつかないか、あるいは値が 0 の場合、シーンのライティングか露光を増やします。もし最も明るいパッチの区別がつかないか、最も明るいパッチが飽和している場合、シーンのライティングか露光を減らします。

カラー パッチ特徴

Extended eSFR test chart with four groups of four color patches each. Yellow polygons are overlaid on the image and encompass the outer border of the groups.

拡張 eSFR テスト チャートでは 16 のカラー パッチが 4 つのグループに分かれています。カラー パッチを使用して次の測定を行います。

  • "色の精度"。測定した赤、緑、青の値が期待される色値にどれだけ近いかを表します。色の精度を測定するには、関数 measureColor を使用します。この関数は色の補正行列も返します。これはイメージの色が期待された値になるよう調整するために使用できます。

レジストレーション マーカー

Extended eSFR test chart with four checkered registration markers. Yellow squares are overlaid on the image and encompass the markers.

eSFR テスト チャートには、イメージの位置を適切に合わせるために使用するレジストレーション マーカーが備わっています。チャートをインポートすると、esfrChart は黒と白の格子縞の 4 つの円を検出し、それらの位置を使用して関心領域を自動的に定義します。オプションで円の中心の [x, y] 座標を手動で指定することができます。

参照

[2] ISO 12233:2014. "Photography – Electronic still picture imaging – Resolution and spatial frequency responses." International Organization for Standardization; ISO/TC 42 Photography. URL: https://www.iso.org/standard/59419.html.

参考

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