Simulink Control Design

Simulink モデルのトリミングおよび線形化

モデルのトリミング

線形制御理論に基づく制御系設計では、動作点に伴い動特性が変化する非線形モデルに対する制御器を設計する場合、多くの場合、複数の動作点近傍での線形モデルを考慮することが必要とされます。Simulink Control Design では、Simulink モデルの動作点を決定するための専用 GUI 環境 を提供します。

  • 必要な入力条件、状態などを指定することで、数値最適化を使用してモデルの動作点を計算。
  • シミュレーション中に指定の時間あるいはイベントにおいて、モデルの動作点のスナップショットを取得。

これらの方法で求まった動作点は、定常状態でのシミュレーションを初期化したり、モデルの線形化および制御系設計のベースとして使用することができます。

航空機モデルの平衡化、線形化および制御設計 7:17
非線形の航空機モデルを平衡化および線形化し、その結果作成された線形モデルを使ってピッチ速度用のダンパー制御器を設計します。

モデルの線形化

Simulink Control Design を用いて、連続、離散、およびマルチレートな Simulink モデルを線形化することができます。グラフィカルな信号注釈マークを Simulink モデルの信号線に設定することで、開ループの指定、および線形化するモデルの入出力点を指定することができ、モデル全体、モデルの一部分、または 1 つのブロック単位 1 つのサブシステム単位のモデルを線形化することが可能です。信号注釈マークは、開ループ解析および閉ループ解析で使用することができます。信号注釈マークの設定とこれらの各種解析は、Simulink モデルを変更せずに専用 GUI 環境ベースで行えるため、元の Simulink モデル自体のシミュレーションの挙動に影響を与えません。

Simulink Control Design は、自動的に線形化モデルを算出し、ステップ応答またはボード線図に結果を表示させます。また、専用GUI環境の中の一つの機能である Linearization Inspector により、線形化の対象となる Simulink モデル内において、各ブロック単位で線形化された数式が表示できるので、線形化モデルの導出に与える影響を詳細に検証することができます。これらの機能により、モデル内の任意数のブロックの線形化モデルを取得し、制御系の応答結果を微調整することが可能です。線形化モデルは、状態空間表現の係数行列 (A,B,C,D) や伝達関数などの LTI モデルとして取得でき、また、Stateflow® チャートやパルス幅変調信号ベースのシステムなど、不連続性またはイベントベースのコンポーネントを含む Simulink モデルの線形化を行う際にも柔軟性な方法 (周波数応答の計算) があります。

Robust Control Toolbox とともに使用すると、モデル中の伝達関数およびゲインの不確かな値を直接指定することにより、不確かさを含む線形モデルを算出することができます。算出された不確かさを含む線形モデルデルを使用して、制御システムの安定性およびパフォーマンスに対して、不確かさが与える影響を検討することが可能です。

これらツールにはすべて、トリミングおよび線形化のバッチ処理を行うスクリプトを記述するためのコマンドライン API が含まれています。スクリプトは自分で記述することも可能で、専用 GUI 環境 から MATLAB® コードを自動生成することも可能です。

バッチ モードでの平衡化と線形化 5:20
Simulink モデルの平衡化と線形化をバッチ モードで実行するスクリプトを作成します。

モデルの周波数応答の計算

Simulink Control Design は、モデルの周波数応答をシミュレーションに基づいて計算するための専用ツールを提供します。この専用ツール は以下の用途に使用することができます。

  • 線形化の結果の検証
  • 線形化手法が適切でない、強い不連続性やイベントベースのダイナミクスによって記述されたモデルなどの周波数応答の計算
  • 励起信号の振幅が非線形システムのゲインおよび位相特性に与える影響の検討

Simulink Control Design により、サイン スイープやチャープ信号などの励起信号の生成、シミュレーションの実行、データの収集、モデルの周波数応答の計算およびプロットを行うことができます。周波数応答の計算に使用されるアルゴリズムは、シミュレーション時間を最小限に抑え、Simulink のアクセラレータ モードとラピッド アクセラレータ モードを使用して計算速度を高めるように設計されています。

周波数応答の推定 6:15
シミュレーションを使用して Simulink モデルの周波数応答を推定します。

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