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極限値
微積分における基本的な考えは、変数がある値に近付くときの関数の計算を行うことです。次の極限値が存在する場合に、この極限値によって導関数の定義が与えられたことを思い出してください。
Symbolic Math Toolbox™ ソフトウェアは、直接的な方法で関数の極限値を計算できます。コマンド
syms h n x limit((cos(x+h) - cos(x))/h, h, 0)
は次を返し
ans = -sin(x)
さらに
limit((1 + x/n)^n, n, inf)
次の値が返されます。
ans = exp(x)
これらは数学的に最も重要な 2 つの極限値、導関数 (この場合は cos(x) の) と指数関数を表しています。
片側極限
Symbolic Math Toolbox ソフトウェアを使って、片側極限を計算することもできます。たとえば、x/|x| の極限値を計算できます。この関数のグラフを次の図に示しますが、x は 0 に左と右から近付きます。
syms x fplot(x/abs(x), [-1 1], 'ShowPoles', 'off')
x が左から 0 に近付く場合に、次の極限を計算するには、
次のように入力します。
syms x limit(x/abs(x), x, 0, 'left')
ans = -1
x が右から 0 に近付く場合に、次の極限を計算するには、
次のように入力します。
syms x limit(x/abs(x), x, 0, 'right')
ans = 1
左からの極限は右からの極限と異なるので、両側の極限は存在しません。定義できない極限の場合、MATLAB® は、NaN
(not a number) を返します。たとえば、以下のようになります。
syms x limit(x/abs(x), x, 0)
は以下を返します。
ans = NaN
既定の limit(f)
は limit(f,x,0)
と同じであることに注意してください。次の表に、limit
コマンドに対するオプションを示します。ここで、f
はシンボリック オブジェクト x
の関数であると仮定します。
数学的演算 | MATLAB コマンド |
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