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PiecewiseLinearDistribution

区分的線形確率分布オブジェクト

説明

PiecewiseLinearDistribution オブジェクトは、区分的線形確率分布のモデルの説明から構成されます。

区分的線形分布は、累積分布関数 (cdf) の区分的線形表現を使って作成されるノンパラメトリック確率分布です。区分的線形分布に指定されるオプションで、累積分布関数の形式が指定されます。確率密度関数 (pdf) はステップ関数です。

区分線形分布は、次のパラメーターを使用します。

パラメーター説明
x累積分布関数が勾配を変更する x 値のベクトル
Fxx の各値に対応する累積分布関数のベクトル

作成

makedist を使用してパラメーター値を指定したオブジェクトにより、PiecewiseLinearDistribution 確率分布を作成します。

プロパティ

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分布パラメーター

累積分布関数 (cdf) によって勾配が変化するデータ値。スカラー値のベクトルとして指定します。

データ型: single | double

x の各値における累積分布関数値。スカラー値のベクトルを指定します。

データ型: single | double

分布特性

この プロパティ は読み取り専用です。

分布の打ち切りについての論理フラグ。論理値を指定します。IsTruncated0 である場合、分布は打ち切られません。IsTruncated1 である場合、分布は打ち切られます。

データ型: logical

この プロパティ は読み取り専用です。

確率分布のパラメーターの個数。正の整数値を指定します。

データ型: double

この プロパティ は読み取り専用です。

分布パラメーター値。スカラー値のベクトルを指定します。

データ型: single | double

この プロパティ は読み取り専用です。

確率分布の打ち切り区間。打ち切りの上限と下限を含むスカラー値のベクトルを指定します。

データ型: single | double

その他のオブジェクト プロパティ

この プロパティ は読み取り専用です。

確率分布名。文字ベクトルを指定します。

データ型: char

この プロパティ は読み取り専用です。

分布パラメーターの説明。文字ベクトルの cell 配列を指定します。各セルに、1 つの分布パラメーターの簡単な説明が含まれます。

データ型: char

この プロパティ は読み取り専用です。

分布パラメーター名。文字ベクトルの cell 配列を指定します。

データ型: char

オブジェクト関数

cdf累積分布関数
icdf逆累積分布関数
iqr確率分布の四分位数間範囲
mean確率分布の平均
median確率分布の中央値
pdf確率密度関数
plot確率分布オブジェクトのプロット
random乱数
std確率分布の標準偏差
truncate確率分布オブジェクトの打ち切り
var確率分布の分散

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既定のパラメーター値を使用して区分的線形分布オブジェクトを作成します。

pd = makedist('PiecewiseLinear')
pd = 
  PiecewiseLinearDistribution

F(0) = 0
F(1) = 1

データの経験的累積分布関数 (cdf) を計算し、この経験的累積分布関数の近似を使用して区分的線形分布オブジェクトを作成します。

標本データを読み込みます。ヒストグラムを使用して患者の体重データを可視化します。

load patients
histogram(Weight(strcmp(Gender,'Female')))
hold on
histogram(Weight(strcmp(Gender,'Male')))
legend('Female','Male')

Figure contains an axes object. The axes object contains 2 objects of type histogram. These objects represent Female, Male.

ヒストグラムは、データに女性の患者と男性の患者に 1 つずつ 2 つの最頻値があることを示しています。

データの経験的累積分布関数を計算します。

[f,x] = ecdf(Weight);

5 点ごとに値を 1 つ採用し、経験累積分布関数への区分的線形近似を構成します。

f = f(1:5:end);
x = x(1:5:end);

経験的累積分布関数と近似をプロットします。

figure
ecdf(Weight)
hold on
plot(x,f,'ko-','MarkerFace','r') 
legend('Empirical cdf','Piecewise linear approximation', ...
    'Location','best')

Figure contains an axes object. The axes object with xlabel x, ylabel F(x) contains 2 objects of type stair, line. These objects represent Empirical cdf, Piecewise linear approximation.

経験累積分布関数の区分的近似を使用して、区分的線形確率分布オブジェクトを作成します。

pd = makedist('PiecewiseLinear','x',x,'Fx',f)
pd = 
  PiecewiseLinearDistribution

F(111) = 0
F(118) = 0.05
F(124) = 0.13
F(130) = 0.25
F(135) = 0.37
F(142) = 0.5
F(163) = 0.55
F(171) = 0.61
F(178) = 0.7
F(183) = 0.82
F(189) = 0.94
F(202) = 1

分布から 100 個の乱数を生成します。

rng('default') % For reproducibility
rw = random(pd,[100,1]);

乱数をプロットして、分布を元のデータと視覚的に比較します。

figure
histogram(Weight)
hold on
histogram(rw)
legend('Original data','Generated data')

Figure contains an axes object. The axes object contains 2 objects of type histogram. These objects represent Original data, Generated data.

区分的線形分布から生成された乱数は、元のデータと同じ二峰性分布をもちます。

バージョン履歴

R2013a で導入