フリードマン検定は従来型の平衡 2 因子 ANOVA に類似していますが、フリードマン検定では、行効果として可能なものについて調整した後で、列効果に対してのみ検定が行われます。行効果や交互作用の効果については検定されません。フリードマン検定が利用されるのは、列が研究中の処理を表し、行が考慮する必要がありながらも関心のもたれない障害となる効果 (ブロック) を表すときです。
X
の異なる列は因子 A の変化を表します。異なる行はブロック因子 B の変化を表します。因子の各組み合わせに対して複数の観測値がある場合、入力引数 reps
では各 "セル" の反復数を指定します。これは定数でなければなりません。
以下の行列は、列因子 A に 3 つの水準があり、行因子 B に 2 つの水準があり、反復が 2 回ある (reps=2
) 設定の形式を示しています。添字はそれぞれ、行、列、および反復を示しています。
フリードマン検定では以下の型のモデルが想定されます。
ここで、μは全体の位置パラメーター、 は列効果、 は行効果、 は誤差を表します。この検定では B の各水準内にあるデータが順位付けされ、A の全水準における差違に対して検定が行われます。friedman
が返す p
は、 という帰無仮説に対する p 値です。p 値がゼロに近いと、帰無仮説の信ぴょう性が疑われます。p 値がかなり小さいのは、少なくとも 1 つの列標本中央値がその他の中央値と比べて著しく異なることを示しています。つまり、因子 A に起因する主効果があります。結果が "統計的に有意" かどうかを判定するための棄却限界値 p の選択は、解析する人に委ねられます。p 値が 0.05 または 0.01 未満の場合、一般的に有意義な結果であると言えます。
フリードマン検定では、X
内のデータについて次のように仮定します。
従来型の 2 因子 ANOVA では、データは正規分布から派生するという、より強力な仮定によって最初の仮定が置き換えられます。