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線形性への変換による非線形モデルの近似の注意点

この例では、線形性に変換することによって非線形モデルを近似するときに陥りやすい落とし穴を示します。2 つの変数 x と y で測定値を収集し、y を x の関数としてモデル化する場合を考えます。x は正確に測定されましたが、y の測定には、加法的誤差、対称誤差、ゼロ平均誤差の影響があるとします。

x = [5.72 4.22 5.72 3.59 5.04 2.66 5.02 3.11 0.13 2.26 ...
     5.39 2.57 1.20 1.82 3.23 5.46 3.15 1.84 0.21 4.29 ...
     4.61 0.36 3.76 1.59 1.87 3.14 2.45 5.36 3.44 3.41]';
y = [2.66 2.91 0.94 4.28 1.76 4.08 1.11 4.33 8.94 5.25 ...
     0.02 3.88 6.43 4.08 4.90 1.33 3.63 5.49 7.23 0.88 ...
     3.08 8.12 1.22 4.24 6.21 5.48 4.89 2.30 4.13 2.17]';

さらに、理論的には、これらのデータは指数関数的減退 y = p1*exp(p2*x) のモデルに従うはずです。この場合、p1 は正、p2 は負です。このモデルを近似するには、非線形最小二乗を使用できます。

modelFun = @(p,x) p(1)*exp(p(2)*x);

しかし、両側で対数を取り、log(y) = log(p1) + p2*x を取得することで、非線形モデルを線形モデルに変換することもできます。この線形モデルは、普通の線形最小二乗によって近似できるので、この方法には魅力があります。線形最小二乗から得る係数は log(p1) および p2 です。

paramEstsLin = [ones(size(x)), x] \ log(y);
paramEstsLin(1) = exp(paramEstsLin(1))
paramEstsLin =

   11.9312
   -0.4462

結果はどうでしたか? データに近似を重ねることで、それを確認できます。

xx = linspace(min(x), max(x));
yyLin = modelFun(paramEstsLin, xx);
plot(x,y,'o', xx,yyLin,'-');
xlabel('x'); ylabel('y');
legend({'Raw data','Linear fit on the log scale'},'location','NE');

近似が生データにある傾向に従っていないことから、何か間違っていることがわかります。代わりに nlinfit を使用して非線形最小二乗を行った場合、どのような近似になるでしょうか? 前の近似は、最適な近似ではありませんが、ラフな開始点として使用します。

paramEsts = nlinfit(x, y, modelFun, paramEstsLin)
paramEsts =

    8.8145
   -0.2885

yy = modelFun(paramEsts,xx);
plot(x,y,'o', xx,yyLin,'-', xx,yy,'-');
xlabel('x'); ylabel('y');
legend({'Raw data','Linear fit on the log scale',  ...
	'Nonlinear fit on the original scale'},'location','NE');

nlinfit を使用した近似は分散したデータ点のおおよその中心を通ります。残差プロットは、一様に分散したゼロのようなものを示します。

r = y-modelFun(paramEsts,x);
plot(x,r,'+', [min(x) max(x)],[0 0],'k:');
xlabel('x'); ylabel('residuals');

では、線形近似のどこで問題が発生したのでしょうか? 問題は対数変換にあります。データと 2 つの近似を対数スケールにプロットすると、極端な外れ値があることがわかります。

plot(x,log(y),'o', xx,log(yyLin),'-', xx,log(yy),'-');
xlabel('x'); ylabel('log(y)');
ylim([-5,3]);
legend({'Raw data', 'Linear fit on the log scale',  ...
	'Nonlinear fit on the original scale'},'location','SW');

オリジナル データではこの観測は外れ値ではありません。対数スケールで外れ値になったのはなぜでしょうか? 対数変換は、トレンド ラインをまっすぐにするために必要です。しかし、対数は非常に非線形の変換であるため、オリジナル スケールでの対称測定誤差が対数スケールで非対称になりました。外れ値には、オリジナル スケールでは最小の y 値 (0 に近い値) があったことに注目してください。対数変換はその最小の y 値をその近隣の値よりも "拡張" しました。対数スケールでは線形近似を行ったため、外れ値への影響が大きくなりました。

その 1 点における測定が若干異なっていれば、2 つの近似はよく似たものになっていた可能性があります。たとえば、以下のようになります。

y(11) = 1;
paramEsts = nlinfit(x, y, modelFun, [10;-.3])
paramEsts =

    8.7618
   -0.2833

paramEstsLin = [ones(size(x)), x] \ log(y);
paramEstsLin(1) = exp(paramEstsLin(1))
paramEstsLin =

    9.6357
   -0.3394

yy = modelFun(paramEsts,xx);
yyLin = modelFun(paramEstsLin, xx);
plot(x,y,'o', xx,yyLin,'-', xx,yy,'-');
xlabel('x'); ylabel('y');
legend({'Raw data', 'Linear fit on the log scale',  ...
	'Nonlinear fit on the original scale'},'location','NE');

2 つの近似は依然として異なります。どちらが "正しい" のでしょうか? これに答えるためには、y の測定が加法的測定誤差ではなく、乗法的誤差による影響を受けたとします。これらの誤差は対称ではなく、オリジナル スケールの最小二乗も適切ではありません。一方、対数変換は対数スケールで誤差を対称にし、そのスケールでは線形最小二乗近似が適しています。

そのため、どちらの方法が "正しい" かは、データに対する仮定によって異なります。実際には、傾向に比べてノイズ項が小さい場合、同じ x 値の近くの y 値は非対称的にはあまり拡張されないため、対数変換は "ローカルに線形" です。その場合、2 つの方法は基本的に同じ近似になります。しかし、ノイズ項が小さくない場合は、どのような仮定が現実的であるかを考えて、適切な近似法を使用してください。

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