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制御システムの設計と解析

補償器設計プロセスの概要

[コントロールと推定ツール マネージャー] での補償器設計には、以下の手順が含まれます。

  1. 調整するブロックの選択

  2. 設計する閉ループ応答の選択

  3. 操作点の選択

  4. SISO 設計作業の作成

  5. 設計の完了

補償器設計作業の開始

[コントロールと推定ツール マネージャー] を閉じてから、この補償器設計の例を開始してください。

scdmagball_freeform モデルの新しい補償器設計作業を開始するには、次の手順に従います。

  1. MATLAB® コマンド ラインに「scdmagball_freeform」と入力し、scdmagball_freeform モデルを開きます。

  2. scdmagball_freeform ウィンドウから [解析][制御設計][補償器の設計] を選択します。

    [コントロールと推定ツール マネージャー] が開き、次の図のような新しい補償器設計作業が作成されます。

[コントロールと推定ツール マネージャー] の左側のペインにあるプロジェクト ツリーには、Project - scdmagball_freeform の一部として [操作点] ノードに加え、[Simulink 補償器設計作業] ノードが示されています。ツリー内のノードを選択すると、右側のペインにその内容を表示することができます。

  • Simulink 補償器設計作業 ノードの [調整可能なブロック] ペインの詳細は、「調整するブロックの選択」を参照してください。

  • Simulink 補償器設計作業 ノードの [閉ループ信号] ペインの詳細は、「設計する閉ループ応答の選択」を参照してください。

  • Simulink 補償器設計作業 ノードの Operating Points ノードまたは [操作点] ペインの詳細は、「操作点の選択」を参照してください。

調整するブロックの選択

調整するブロックの選択方法

この節は、「補償器設計作業の開始」の scdmagball_freeform の例の続きです。例のこの段階では、既に補償器設計作業を作成しています。

補償器設計のこの手順では、モデル内の調整可能なブロックのリストから調整するモデルのブロックを選択します。"調整可能なブロック" とは、目的のシステムの応答を得るために SISO 設計ツールを使用して調整できるブロックです。一般的に、これらのブロックはモデル内で補償器としての役目を果たします。

この例では、scdmagball_freeform モデルの Controller サブシステム内にある Controller と呼ばれる補償器ブロックを調整します。このブロックを調整するブロックとして選択するには、次の手順に従います。

  1. Simulink 補償器設計作業 ノードを選択します。

  2. [調整可能なブロック] ペインで、[ブロックの選択] をクリックします。[調整ブロックを選択] ダイアログ ボックスが開きます。

  3. 左側のペインで Controller サブシステムを選択し、中央のペインにそのサブシステムの調整可能なブロックを表示します。中央のペイン内で、Controller ブロックの名前の隣にあるチェック ボックスをオンにします。

  4. [OK] をクリックし、選択を適用してダイアログ ボックスを閉じます。

調整可能なブロック

次の表に示すブロックのパラメーターは、Simulink® Control Design™ ソフトウェアを使用して調整することができます。調整可能なブロックの入力信号と出力信号は、スカラーの倍精度値でなければなりません。

調整可能なブロックSimulink ライブラリ

Gain

Math Operations

LTI System

Control System Toolbox

Discrete Filter

離散

PID Controller (自由度 1 のみ)

  • 連続

  • 離散

  • Simulink Extras Additional Linear

State-space ブロック

  • 連続

  • 離散

  • Simulink Extras Additional Linear

Zero-pole ブロック

  • 連続

  • 離散

  • Simulink Extras Additional Linear

Transfer Function ブロック

  • 連続

  • 離散

  • Simulink Extras Additional Linear

表にリストされたブロックの次のバージョンも調整することができます。

  • カスタム コンフィギュレーション関数がマスク サブシステムに関連付けられたブロック

  • Simulink モデル離散化ツールで離散化されたブロック

    メモ:   他のモデルのノーマル モードのモデル参照をもつ Model ブロックがモデルに含まれる場合、参照されるモデルの調整可能なブロックを補償器設計に選択することができます。

カスタム設計関数の作成

モデルに調整するマスク サブシステムがある場合、調整可能なブロックのリストに自動的に表示されるわけではありません。これらをリストに表示するには、マスク サブシステムのカスタム設計関数を作成する必要があります。カスタム設計関数は、次の機能を果たします。

  • Simulink Control Design ソフトウェアに対して、このブロックを調整に使用することを通知します。

  • SISO 設計作業でブロックをどのように処理するかを決定し、ブロックのマスク パラメーターと伝達関数の極と零点の関係を記述します。

カスタム コンフィギュレーション関数の作成方法の詳細は、「カスタムのマスク サブシステムの調整カスタムのマスク サブシステムの調整」を参照してください。

設計する閉ループ応答の選択

この節は、「調整するブロックの選択」の scdmagball_freeform の例の続きです。例のこの段階では、補償器設計作業を作成し、調整可能なブロックを選択しています。

補償器設計作業のこの手順では、応答を設計するモデル内の閉ループを選択します。閉ループ システムは、基準信号や外乱信号などの入力ポイントと、測定出力やアクチュエータ信号などの出力ポイントにより定義します。

この例では、プラント モデルの出力への基準信号から閉ループ システムの応答を設計します。この閉ループ システムを定義する線形解析ポイントを設定するには、以下の手順を実行します。

  1. scdmagball_freeform モデル ダイアグラムで、Desired Height ブロックと Sum ブロック間の基準信号上にマウスを配置します。右クリックしてメニューから [線形解析ポイント][入力の摂動] を選択し、入力ポイントを追加します。

  2. Magnetic Ball Plant ブロックの出力の信号線上にマウスを配置します。右クリックしてメニューから [線形解析ポイント][出力の測定値] を選択し、出力の測定点を追加します。

モデルは次のようになります。

[コントロールと推定ツール マネージャー] 内で Simulink 補償器設計作業 ノードの [閉ループ信号] タブをクリックして、モデル内の入力ポイントと出力ポイントを表示します。

このペイン内では、モデル内の入力ポイントと出力ポイントを表示し、[アクティブ] 列を使用して、補償器設計の閉ループ システムを定義するために使用するものを選択します。

操作点の選択

この節は、「設計する閉ループ応答の選択」の scdmagball_freeform の例の続きです。例のこの段階では、補償器設計作業を作成し、調整可能なブロックを選択し、閉ループ信号を選択しています。

補償器設計作業のこの手順では、補償器設計に使用する操作点を選択します。Simulink Control Design ソフトウェアでは、SISO 設計作業を作成する前のモデルを線形化するときに、操作点を使用します。

    メモ:   線形化されたモデル用に設計された補償器は、モデルを線形化した操作点を中心とする小さな領域でのみ、非線形モデルの動作を制御する可能性が高くなります。したがって、モデルの線形化が正確であることが大切で、システムを線形化する操作点の選択が補償器設計プロセスの重要な手順になります。

補償器設計の操作点をインポートするには、以下の手順を実行します。

  1. [コントロールと推定ツール マネージャー] で Operating Points ノードを選択します。

  2. [コントロールと推定ツール マネージャー] の右下隅にある [インポート] ボタンをクリックします。

  3. [操作点のインポート] ダイアログ ボックスで、インポート元に [MAT ファイル] を選択します。

  4. [参照] をクリックし、保存してある scdmagball_freeform_operating_point.mat ファイルを指定します。以前に操作点を保存していない場合は、matlabroot/toolbox/slcontrol/slctrldemos/scdmagball_freeform_operating_point.mat を指定します。

  5. [開く] をクリックして [操作点のインポート] ダイアログ ボックスに戻ります。

    [操作点のインポート] ダイアログ ボックスに、選択した MAT ファイルで使用できるすべての操作点が表示されるようになります。この場合の MAT ファイルには、1 つの操作点のみが含まれています。

  6. 操作点を選択し、[インポート] をクリックして [コントロールと推定ツール マネージャー] にインポートします。

Simulink 補償器設計作業 ノードの [操作点] タブをクリックして、補償器設計の操作点を選択します。この例では、インポートした操作点 Operating_Point を使用する必要があります。操作点を指定するには、最初に [次の操作点の 1 つで線形化を行います] オプションを選択します。その後、次の図のようにリストの Operating_Point を選択します。

SISO 設計作業の作成

SISO 設計作業とは

この節は、「操作点の選択」の scdmagball_freeform の例の続きです。例のこの段階では、補償器設計作業を作成し、調整可能なブロック、閉ループ信号、および操作点を選択しています。

補償器設計作業のこの手順では、[コントロールと推定ツール マネージャー] に [SISO 設計作業] を作成して設定します。[SISO 設計作業] には、SISO システムの応答を調整するためのいくつかのツールがあります。

  • [SISO 設計ツール] ウィンドウのグラフィカルな編集環境。このウィンドウには根軌跡、ボード線図などの設計プロットが含まれています。

  • システムの時間と周波数の解析プロットを表示できる [LTI ビューアー] ウィンドウ。

  • ブロックのマスク パラメーターまたはシステムの補償器の極と零点を直接編集できる補償器エディター。

  • PID、内部モデル コントロール (IMC)、または線形 2 次ガウス型 (LQG) の方法を使用して自動的に補償器を作成するツール (Control System Toolbox™ ソフトウェアを使用)。

  • 設計要件を満たすためにシステムを自動調整する最適化ベースの調整法 (Simulink Design Optimization™ 製品を使用できる場合)。

設計のコンフィギュレーション ウィザードに従うと、[SISO 設計作業] で設計する開ループ システムと閉ループ システムを選択し、使用する設計プロットと解析プロットを設定することができます。ウィザードを起動するには、Simulink 補償器設計作業ノードで [ブロックの調整] をクリックします。ウィザードは、新しいウィンドウに開かれます。

ウィザードの最初のページには、設計設定プロセスの概要と、設計プロットおよび解析プロットの選択時に検討すべきいくつかの問題点が示されます。[次へ] をクリックして、ウィザードの 2 ページ目に示される設計設定プロセスの手順 1 に進みます。

設計プロットの構成

手順 1 では、モデルに設計する開ループ システムと閉ループ システム、および使用する最大 6 つの対応設計プロットを選択します。

開ループ設計では、ループを人為的に開き、この "開ループ" システムの応答を設計することによって、モデルの閉フィードバック ループの応答を設計することができます。開ループ設計プロットは、線形制御理論のルールを使用して、開ループ システムのダイナミクスから閉ループ システムのダイナミクスを決定します。通常、開ループ設計はフィードバック ループ内に配置された補償器を調整するために使用されます。

ウィザードの下半分に示されたような、開ループ システムのセットがモデルに対して作成されます。これらの開ループ システムを作成するために、調整可能な各ブロックの出力信号 (次の図の X) に人為的にフィードバック ループを開き、閉ループ システムをアンラップして、対応する開ループ システムを作成します。

次の図に、アンラップされた開ループ システム (-CPH) を示します。開ループの設計プロットは、アンラップされた開ループ (CPH) の負を示しています。このコンフィギュレーションを使用することで、負のフィードバック アーキテクチャを使用したコントローラーを設計することができます。

プリフィルター F などのフィードバック ループの外側にある要素は、開ループ システムには示されません。

この例では、Controller ブロックの出力にあるループ開始点により定義される [開ループ 1] の応答を調整します。この開ループ システムには、プラント モデルとコントローラーが含まれます。このシステムを設計するには、ウィザードの [プロット 1] の隣のメニューから [開ループ 1] を選択します。

次に、この開ループ システムに使用する設計プロットを選択します。設計プロットは、SISO 設計ツールの対話型のプロットです。設計プロットを使用すると、パラメーターをグラフィカルに調整したり、調整可能なブロックの極と零点を手動で移動、追加、または削除して、モデル内の開ループ システムと閉ループ システムのダイナミクスを調整および設計することができます。次の表には、SISO 設計ツールで使用できる設計プロットおよびその使用方法を示します。

設計プロットのタイプSISO 設計ツール内で使用できるプロットブロックの調整において次の要素として使用
開ループ根軌跡、ニコルス線図、開ループ ボード線図フィードバック要素
閉ループ閉ループ ボード線図フィードフォワードまたはプリフィルター要素

さらに設計プロットを使用して、最適化ベースの自動調整における安定性か性能、またはその両方の要件を指定することができます。

この例では、[開ループ 1] の設計プロットとしてこのプロット形式を使用する [プロット 1] の隣のメニューから [根軌跡] を選択します。ウィザードの手順 1 は次の図のようになります。

[次へ] をクリックしてウィザードの手順 2 に進みます。

解析プロットの設定

この手順では、モデルの設計中に表示する閉ループ応答と、それを表示するために使用する対応解析プロットを選択します。

解析プロットとは、モデル内で閉ループ システム、開ループ システム、または調整可能なブロックの応答やダイナミクスを表示するプロットです。設計プロットで作成するゲイン、極、零点をグラフィカルに移動したり、変更を加えたりして、解析プロットを直接変更することはできませんが、補償器エディターまたは自動設計ツールでは、解析プロットの応答に影響が及びます。可能な解析プロットは以下のとおりです。

  • ステップ応答

  • インパルス応答

  • ボードとボードゲイン

  • ナイキスト

  • ニコルス線図

  • 極/零点

解析プロットは以下の目的に使用できます。

  • 管理システムにおける閉ループ、開ループ、および調整されたブロックの応答の解析。

  • 最適化ベースの自動調整に対する安定性と性能要求を定義します。

この例では、[プロット 1] のメニューから [ステップ] を選択してステップ応答の解析プロットを作成します。

次に、このプロットに表示する閉ループ システムを選択します。閉ループ システムとは、開ループ設計用のフィードバック ループが開かれていないシステムです。一般的には、応答を制御するシステムを定義し、また、それは興味のある入出力の信号間、たとえば信号とプラント出力信号間にあります。

モデル内の信号線に配置された線形化の入出力ポイントが閉ループ システムを定義します。閉ループ システムには、入力と出力の間のパスにあるすべてのブロックが含まれます。

信号線の入出力ポイントに基づいて、モデルの 4 つまでの閉ループ システムのリストが自動的に表示されます。この例では、システムに 1 つの入力ポイントと 1 つの出力ポイントのみがあるため、ウィザードには 1 つのみの閉ループ システム (Desired Height 信号から Magnetic Ball Plant モデルの出力までの閉ループ) が表示されます。これには閉ループ応答だけでなく、開ループや調整可能なブロックの応答を追加することができます。新しい応答を追加するには、[応答の追加] ボタンをクリックし、[解析する新規応答を選択] ダイアログ ボックスに必要事項を入力します。

[プロット 1] のステップ応答プロットに現在の閉ループ システムを表示するには、閉ループ システムの左にある [プロット 1] の下のチェック ボックスをオンにします。ウィザードの手順 2 は次の図のようになります。

[終了] をクリックしてウィザードを終了すると、次の図のように [コントロールと推定ツール マネージャー] の Simulink 補償器設計作業 ノードの下に SISO Design Task が作成されます。

SISO Design Task には、設計のコンフィギュレーション ウィザードで設定した設計プロットも含まれます。これらの設計プロットは、次の図のように [SISO 設計ツール] ウィンドウに表示されます。

さらに SISO Design Task には、設計のコンフィギュレーション ウィザードで設定した解析プロットも含まれます。これらの解析プロットは、次の図のように [LTI ビューアー] ウィンドウに表示されます。

制御設計の線形化オプション

SISO 設計作業の作成時にモデルの線形化に使用する設定を変更または調整するには、Simulink 補償器設計作業 ノードをクリックし、[ツール][オプション] を選択します。[オプション] ダイアログ ボックスが開きます。

線形化のサンプル時間およびレート変換メソッドを指定します。[レート変換メソッド] パラメーターに [プリワーピング付き双一次 (Tustin) 変換] を指定している場合、プリワーピング周波数も指定しなければなりません。

むだ時間をもつプラントの補償器設計

SISO 設計作業のツールを使用すると、むだ時間をもつプラントの補償器を設計することができます。これらのツールは、自動的にプラントの線形モデルを作成します。このモデル内では、パデ近似か正確なむだ時間の 2 つの方法でむだ時間を表現することができます。

線形化プラント モデルのむだ時間の表現方法手順
パデ近似表現

むだ時間をもつ各 Simulink ブロックの [ブロックパラメーター] ウィンドウにパデ次元を指定。

正確なむだ時間表現

Simulink 補償器設計作業を開き、[ツール][オプション] を選択します。次に、[オプション] ダイアログ ボックスの [正確なむだ時間をもつ線形化された制御システムの設計を有効にする] を選択します。

    メモ:   一部のツールでは、正確なむだ時間がサポートされず、むだ時間のパデ近似値が自動的に計算されます。このような場合は、メッセージが表示されます。ブロックに指定されたパデ次元は無視され、[SISO ツール設定] に指定されたパデ次元が使用されます。詳細は、「[むだ時間] ペイン」を参照してください。

むだ時間をもつモデルの線形化の詳細は、「むだ時間をもつモデル」を参照してください。補償器設計に使用できるツールの詳細は、「補償器設計のためのツール」を参照してください。

設計の完了

補償器設計のためのツール

この節は、「SISO 設計作業の作成」の scdmagball_freeform の例の続きです。例のこの段階では、補償器設計作業を作成し、調整可能なブロック、閉ループ信号、および操作点を選択し、設計プロットと解析プロットを作成して、[コントロールと推定ツール マネージャー] に SISO Design Task ノードを作成しています。

補償器設計作業のこの手順では、[SISO 設計作業] ノードを使用して scdmagball_freeform モデルの補償器の設計を完了します。SISO Design Task ノードの詳細は、Control System Toolbox ドキュメンテーションを参照してください。

SISO Design Task ノードには、システム内で補償器を設計するための各種ツールが 5 つのペインに含まれています。

  • アーキテクチャ:

    • 信号を開くことによって、他のフィードバック ループの効果を除き、マルチループ設計に対してループを設定します。

    • システムに補償器をインポートします。

    • システムのサンプル時間を変換したり、他の補償器を設計するためにサンプル時間を変更したりします。

  • 補償器エディター:

    • 補償器の極、零点、ゲインを直接編集します。

    • 補償器の極と零点を追加または削除します。

  • グラフィカルな調整:

    • SISO 設計ツールで設計プロットを設定します。

    • 設計プロットを使用して、システム応答をグラフィカルに操作します。

  • 解析プロット:

    • LTI ビューアーでの解析プロットを設定します。

    • 解析プロットを使用して、開または閉ループ システムの応答を表示します。

  • 自動調整: いくつかの自動法のいずれかを使用して補償器を設計します。

    • PID、内部モデル コントロール (IMC)、または線形 2 次ガウス型 (LQG) の方法を使用して自動的に補償器を作成します (Control System Toolbox ソフトウェアを使用)。

    • 設計要件を満たすためにシステムを自動調整する最適化方法を使用します (Simulink Design Optimization 製品を使用できる場合)。

これらの設計法のいずれか、または複数を組み合わせて使用して、システムの補償器を設計できます。scdmagball_freeform モデルの Controller に適した最終設計は以下のとおりです。

  • ゲイン: -16000

  • 原点にインテグレーター

  • -10±10i に複素数の零点

  • -1000 に実極

SISO Design Task ノードの [補償器エディター] を使用してこれらの設定を指定することができます。初期設計には、原点にインテグレーターが含まれます。残りの設定を以下のように指定します。

  • ゲイン — [補償器] 領域の等号の右側のテキスト ボックスに -16000 を入力します。

  • 複素数の零点 — [ダイナミクス] テーブルで、右クリックして [極/零点の追加]、[複素数の零点] を選択します。[ダイナミクス] テーブルで新しい複素数の零点を選択します。[選択したダイナミクスの編集] テーブルで次の手順に従います。

    • [実数部] フィールドに -10 を入力します。

    • [虚数部] フィールドに 10 を入力します。

  • 実極 — [ダイナミクス] テーブルで、右クリックして [極/零点の追加]、[実極] を選択します。[ダイナミクス] テーブルで新しい実極を選択します。[選択したダイナミクスの編集] テーブルで次の手順に従います。

    • [場所] フィールドに -1000 を入力します。

これにより [コントロールと推定ツール マネージャー] は以下のようになります。

このような設定では、根軌跡線図とステップ応答プロットは以下の図のようになります。

設計の保存と取得

[Simulink 補償器設計作業] での補償器の設計では、現在の設計を保存することができます。保存した設計はいつでも取得することができます。このような保存と取得機能により、設計を進めながら、必要があれば以前に保存した設計に戻すことができます。

この節は、「設計の完了」の例の続きです。例のこの段階では、システムを制御するための補償器を設計しています。SISO Design Task ノードに設計を保存するには、以下の手順を実行します。

  1. [コントロールと推定ツール マネージャー] で SISO Design Task ノードを選択します。

  2. [SISO 設計作業] ペインの下の [設計の保存] ボタンをクリックします。

    このボタンをクリックすると、次の図のように現在の設計が Design History ノードに追加されます。既定の設計名は Design です。

設計名をわかりやすい名前に変更するには、次の手順に従います。

  1. Design History ノードの下の Design ノードを右クリックします。

  2. 右クリック メニューから [名前変更] を選択します。

  3. 設計名を入力します。この例では、設計に「scdmagball_freeform Design」という名前を付けます。

    これにより [コントロールと推定ツール マネージャー] は以下のようになります。

    メモ:   補償器設計を保存した後は、引き続き調整することができます。変更をキャンセルするには、Design History ノードを選択し、[設計の取得] ボタンをクリックして保存してある設計を取得できます。

Simulink モデルへの設計の書き込み

Simulink 補償器設計作業 ノードでの補償器の設計では、補償器の設計を Simulink モデルに書き込むことができます。これは次の場合に有益です。

  • 現在の設計が完全な非線形モデルでどのように機能するかを確認。

  • 設計の完了後に、新しく設計したパラメーターでモデルを更新。

補償器の設計を Simulink モデルに書き込むと以下のようになります。

  • ブロック パラメーターが数値の場合、新しい数値が調整されたブロックに書き込まれます。

  • ブロック パラメーターがベース ワークスペースかモデル ワークスペースの変数の場合 (Simulink.Parameter オブジェクトを含む) 、調整された値がこれらの変数に書き込まれます。ブロック パラメーターは、ワークスペース変数に残ります。

Simulink モデルに設計を書き込むには、2 つの方法があります。

  • 設計の完了時にモデルに調整したパラメーターを書き込む — [コントロールと推定ツール マネージャー] の Design ノードをクリックし、[Simulink ブロック パラメーターの更新] ボタンをクリックします。

  • 設計を調整するときにブロック パラメーターを自動的に更新する — [コントロールと推定ツール マネージャー] の Design History ノードを選択し、[ブロック パラメーターを自動的に更新] の隣のチェック ボックスをクリックします。

例として、引き続き「設計の保存と取得」の例を確認します。例のこの段階では、システムを制御するための補償器を設計し、SISO Design Task ノード内に設計を保存しています。scdmagball_freeform モデルに保存した設計を書き込むには、以下の手順を実行します。

  1. [コントロールと推定ツール マネージャー] で [設計履歴] ノードの下にある [scdmagball_freeform Design] ノードを選択します。

  2. [Simulink ブロック パラメーターの更新] ボタンをクリックします。

これで、新しく設計した Controller ブロックを含む scdmagball_freeform モデルのシミュレーションを行うことができます。

シミュレーション後の scdmagball_freeform モデルの Scope ブロックは、以下の図のようになります。

これでシステムが安定し、磁気ボールの高さが目的の高さの 0.05m に一定します。

SISO 設計作業と拡張 SISO 設計作業の比較および対比

SISO 設計作業は、コントローラーの設計作業を簡素化するグラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) です。この節では、Control System Toolbox 製品で利用できる SISO 設計作業と Simulink Control Design 製品で利用できる拡張 SISO 設計作業の類似点および相違点について説明します。

次の図は、[コントロールと推定ツール マネージャー] に表示される SISO 設計作業を示します。

次の図は、[コントロールと推定ツール マネージャー] の Simulink 補償器設計作業 ノードの下に表示される拡張 SISO 設計作業を示します。

次の表には、SISO 設計作業と拡張 SISO 設計作業の類似点および相違点をまとめています。

類似点相違点
  • 同様のレイアウト

  • [グラフィカルな調整]、[解析プロット]、[自動調整] ペインは、同じ機能をもちます。これらのタブについての詳細は、「補償器設計のためのツール」を参照してください。

  • [アーキテクチャ] タブ — SISO ツールを使用するとシステムのアーキテクチャを変更できます。その一方で、SISO 設計作業を作成した後は、モデルのブロックを追加したり、削除したりすることはできません。さらに SISO Design Task ノードの [アーキテクチャ] タブには [調整する Simulink ブロックを選択]、[閉ループの入力信号]、[閉ループの出力信号] の概要が示されます。

  • [補償器エディター] タブ — SISO 設計ツールを使用すると、システムの極および零点を調整できます。拡張 SISO 設計ツールでは、システムの極、零点、およびパラメーターを調整できます。詳細は、「補償器エディターでの Simulink ブロックの調整補償器エディターでの Simulink ブロックの調整」を参照してください。

  • システムの性能に満足したら、拡張 SISO 設計ツールでは [Simulink ブロックパラメーターの更新] をクリックしてパラメーターを Simulink モデルに書き込むことができます。

詳細は、以下の節を参照してください。

Design Operating Point ノード

Design Operating Point ノードは、[コントロールと推定ツール マネージャー] の Design History 内にあります。

[状態] ペインには、GUI でモデルの線形化に使用する操作点が表示されます。SISO Design Task ノードを作成するときに、このペインを使用して異なる操作点をインポートしたり、新しい操作点で評価する線形モデルを SISO Design Task ノードに取り込むことができます。

SISO ツールのオプション

SISO ツールで計算される数値の精度を変更するには、SISO Design Task ノードをクリックし、[ツール] [オプション] を選択します。[SISOTool オプション] ダイアログ ボックスが開きます。

[完全精度を利用] チェック ボックスをオンにすると、SISO ツールでは Simulink ブロックのダイアログ ボックスに書き込むときに完全な倍精度データ型を使用します。このチェック ボックスの選択を解除する場合は、[カスタム: n 桁の精度] を使用して必要な精度を指定します。

詳細は、「SISO 設計作業の作成」を参照してください。

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