簡単な連続システムのモデル作成
次の微分方程式をモデル化します。
x´= –2x(t)+u(t)
ここで、u(t) は 1
の振幅と 1
ラジアン/秒の周波数をもつ矩形波です。Integrator ブロックと Gain ブロックを使用します。Integrator ブロックは、その入力 x´ を積分して x を生成します。このモデルで必要な他のモデルには、Gain ブロックと Sum ブロックがあります。矩形波を生成するには、Signal Generator ブロックを使用して、波形として Square を選択し、既定の単位をラジアン/秒に変更します。Scope ブロックを使用して再度出力を表示します。ブロックを集めて Gain を定義します。
このモデルで Gain ブロックの方向を反転するには、ブロックを選択してから、[書式設定] タブで [左右を反転] をクリックします。また、Integrator ブロックの出力から Gain ブロックへの分岐線を生成するために、Ctrl キーを押しながらラインを描きます。詳細については、Connect Single Output Port to Multiple Input Portsを参照してください。
これで、すべてのブロックを結線することができます。
このモデルの重要な概念は、Sum ブロック、Integrator ブロック、および Gain ブロックを含むループです。この方程式で、x は Integrator ブロックの出力です。また、x はその基になる x´ を計算するブロックに対する入力でもあります。この関係はループを使って実装されます。
Scope は、タイム ステップごとに "x" を表示します。10 秒間のシミュレーションの場合、出力は次のようになります。
この例でモデル化した方程式は、伝達関数としても表現できます。モデルは Transfer Fcn ブロックを使用して、入力として u を受け入れ、x を出力します。したがって、このブロックは x/u を実装します。上記の方程式で "x" に "sx" を代入すると、次のようになります。
sx = –2x + u
"x" について解くと、次のようになります。
x = u/(s + 2)
あるいは、
x/u = 1/(s + 2)
Transfer Fcn ブロックは、分子と分母の係数を指定するパラメーターを使用します。この場合、分子は 1
で、分母は s+2
です。いずれの項も s
のべき乗の降順に係数のベクトルとして指定します。
この場合、分子は [1]
(または単に 1
) で分母は [1 2]
です。
このシミュレーションの結果は、前のモデルの結果と同じです。