Delay
固定または可変サンプル周期により入力信号を遅延する
ライブラリ:
Simulink /
Commonly Used Blocks
Simulink /
Discrete
DSP System Toolbox /
Signal Operations
HDL Coder /
Commonly Used Blocks
HDL Coder /
Discrete
説明
Delay ブロックは、遅延後にブロックの入力を出力します。このブロックは、[遅延の長さ] パラメーターの値に基づいて遅延時間を決定します。ブロックは次をサポートします。
可変遅延長
入力端子からの初期条件の仕様
状態のストレージ
状態のストレージに、配列バッファーではなくリング バッファーを使用
外部リセット信号による初期条件への状態のリセット
外部のイネーブル信号によるタイム ステップごとのブロックの実行の制御
初期のブロック出力は、[初期条件] パラメーターやシミュレーション開始時間などのいくつかの要因に依存します。詳細については、初期ブロック出力を参照してください。[外部リセット] パラメーターは、ブロック出力がトリガー時に初期条件にリセットされるかどうかを決定します。[イネーブル端子の表示] パラメーターは、ブロックの実行が外部のイネーブル信号でタイム ステップごとに制御されるかどうかを決定します。
初期ブロック出力
シミュレーションの最初のいくつかのタイム ステップでの出力は、ブロックのサンプル時間、遅延の長さおよびシミュレーションの開始時間に応じて異なります。このブロックではサンプルの時間間隔を決定するために、離散サンプル時間の指定または継承をサポートしています。詳細については、サンプル時間の指定を参照してください。
次の表に、これらの設定での最初のいくつかのタイム ステップの Delay ブロック出力を示します。ブロックは、離散サンプル時間を [
として継承します。ここで、Tsampling
,Toffset
]
はサンプリング周期、Tsampling
は初期時間オフセットを表します。Toffset
n
は [遅延の長さ] パラメーターの値、
はモデルのシミュレーションの開始時間を表します。Tstart
シミュレーションの時間範囲 | ブロック出力 |
---|---|
| ゼロ |
| [初期条件] パラメーター |
| 入力信号 |
外部イネーブル信号があるときの動作
[イネーブル端子の表示] チェック ボックスをオンにするとイネーブル端子が有効になります。イネーブル端子が有効になっている場合、ブロックは次の順序で動作します。
イネーブル条件が満たされているかチェックする。
リセット端子が有効になっている場合、リセット条件をチェックする。
Delay ブロックの機能を実行する。
ブロックにはイネーブル端子について次の動作があります。
有効になっている最初のブロックでは、ブロック出力は初期条件値 (
x0
) です。連続するイネーブル信号に対して、ブロックは入力信号 u の最後の状態をとります。
シミュレーションの開始時点で端子が有効になっていない場合、Delay ブロックは
0
を出力します。シミュレーション中に、端子が有効になっていた後に無効になる場合、ブロックは実行されず、その最後の値を保持します。
可変サイズ サポート
Delay ブロックは、可変サイズ信号に対して以下のサポートを提供します。
データ入力端子
u
は可変サイズ信号を受け入れます。その他の入力端子では可変サイズ信号は受け入れられません。可変サイズ入力に対し、出力端子はデータ入力端子
u
と同じ信号次元をもちます。
可変サイズ信号に適用されるルールは、Delay ブロックの入力処理モードによって決まります。
入力処理モード | 可変サイズ信号のサポート ルール |
---|---|
チャネルとしての要素 (サンプル ベース) |
|
チャネルとしての列 (フレーム ベース) |
|
バス サポート
Delay ブロックは、バス信号に対して以下のサポートを提供します。
データ入力
u
は、バーチャルおよび非バーチャルのバス信号を受け入れます。入力端子x0
を除き、その他の入力端子ではバス信号は受け入れられません。初期条件
x0
端子は非バーチャルのバス信号を受け入れます。バス入力に対し、出力端子はデータ入力端子
u
と同じバス型をもちます。バスは以下の処理を行います。
サンプルベースおよびフレームベースの処理
固定遅延および可変遅延の長さ
配列バッファーおよびリング バッファー
Delay ブロックへの入力としてバス信号を使用するには、ダイアログ ボックスで、または x0
端子を介して、初期条件を指定します。バーチャル バスおよび非バーチャル バスのサポートは、指定する初期条件および [状態名] パラメーターが空かどうかによって異なります。x0
入力端子では、非バーチャル バスのみがサポートされます。
初期条件 | 状態名 | |
---|---|---|
空 | 空ではない | |
ゼロ | バーチャルおよび非バーチャル バス サポート | 非バーチャル バス サポートのみ |
非ゼロのスカラー | バーチャルおよび非バーチャル バス サポート | バス サポートなし |
非スカラー | バス サポートなし | バス サポートなし |
構造体 | バーチャルおよび非バーチャル バス サポート | 非バーチャル バス サポートのみ |
部分構造体 | バーチャルおよび非バーチャル バス サポート | 非バーチャル バス サポートのみ |
string のサポート
Delay ブロックは、次の場合にのみ string データ型を受け取り、出力することができます。
ブロックが [初期条件] パラメーター (0) の既定値について構成されている。
[遅延の長さ] の値が 1 以下である。
例
端子
入力
出力
パラメーター
ブロックの特性
拡張機能
バージョン履歴
R2006a より前に導入