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dspdata

DSP データ パラメーターの情報

構文

Hs = dspdata.dataobj(input1,...)

説明

メモ

dspdata.dataobj の使用は推奨されていません。代わりに適切な関数インターフェイスを使用してください。

Hs = dspdata.dataobj(input1,...) では、タイプ dataobjdspdata オブジェクト Hs が返されます。このオブジェクトは、指定された dataobj タイプに必要なパラメーター情報をすべて含んでいます。個々のリファレンス ページで説明されているとおり、各 dataobj は 1 つ以上の入力を受け入れます。入力値を指定しないと、出力オブジェクトは特定の dataobj タイプに対して適切な既定のプロパティ値をもちます。

メモ

dspdata には dataobj を使用しなければなりません。

データ オブジェクト

dspdatadataobj データ オブジェクトは、オブジェクトに格納されるデータ型を指定します。dspdata で使用可能な dataobj タイプは、以下に示すとおりです。

dspdata.dataobj

説明

対応する関数

dspdata.msspectrum

平均二乗スペクトル データ (パワー)

periodogram

pwelch

dspdata.psd

パワー スペクトル密度データ (パワー/周波数)

pburg

pcov

periodogram

pmcov

pmtm

pwelch

pyulear

dspdata.pseudospectrum

疑似スペクトル データ (パワー)

peig

pmusic

dataobj のデータ型の詳細については、MATLAB® プロンプトで構文 help dspdata.dataobj を使用するか、各データ型のリファレンス ページを参照してください。

メソッド

メソッドでは、dspdata オブジェクトに関数を直接実行する方法が提供されます。これらのメソッドは、dspdata オブジェクトに割り当てた変数に直接適用できます。

メソッド

説明

avgpower

このメソッドは dspdata.psd オブジェクトにのみ適用されます。

avgpower(Hs) では、与えられた周波数帯域内の信号 Hs の平均パワーが計算されます。この手法で、信号のパワー スペクトル密度 (PSD) の積分の四角形近似が使用されます。信号が行列の場合、計算は各列に対して実行されます。この平均パワーは合計信号パワーです。SpectrumType プロパティにより、合計平均パワーが含まれるのが片側スペクトルなのか両側スペクトルなのかが決定されます。片側スペクトルでは、周波数点が偶数の場合の範囲は [0,pi]、奇数の場合は [0,pi) です。両側スペクトルでは、範囲は [0,2pi) です。

avgpower(Hs,freqrange) では、平均パワーを計算する周波数範囲が指定されます。freqrange は、周波数範囲の下限と上限で構成される 2 要素ベクトルです。周波数が Hs の周波数と厳密に一致しない場合は、最も近い値が使用されます。freqrange の最初の周波数は計算の対象となり、2 番目の値は対象外となります。

centerdc

centerdc(Hs) または centerdc(Hs,true) では、DC 成分がスペクトルの中心になるように、データと周波数値が移動されます。SpectrumType プロパティが 'onesided' の場合は、'twosided' に変更され、DC 成分が中央に揃えられます。

centerdc(Hs,'false') では、DC 成分がスペクトルの左端になるようにデータと周波数値が移動されます。

findpeaks

findpeaks(Hs) は局所的最大値、すなわちピークを求めます。ピークが見つからない場合、findpeaks では空ベクトルが返されます。

[pks,frqs] = findpeaks(x) では、ピーク値 pks およびピークが発生する周波数 frqs が返されます。

findpeaks(x,'minpeakheight',mph) では、最小ピーク高さ mph を超えるピークのみが返されます。ここで、mph は、実スカラーです。既定の設定は -Inf です。

findpeaks(x,'minpeakdistance',mpd) では、最小周波数単位距離 mpd (正の整数) の分だけ離れたピークのみが返されます。最小ピーク距離を設定することで、より大きな局所的なピークの近傍で発生する比較的小さなピークは無視されます。既定値は 1 です。

findpeaks(x,'threshold',th) では、近傍のピークより少なくともしきい値 th (0 以上の実数のスカラー値) だけ大きいピークのみが返されます。既定値は 0 です。

findpeaks(x,'npeaks',np) では、最大ピーク数 np が返されます。np 個のピークが検出されると、探索は停止します。既定の設定では、すべてのピークが返されます。

findpeaks(x,'sortstr',str) では、並べ替え順序を指定します。ここで、str は、'ascend''descend' または 'none' のいずれかです。str'ascend' に設定されている場合、ピークは昇順に並べ替えられます。str'descend' に設定されている場合、ピークは降順に並べ替えられます。str'none' に設定されている場合、ピークは発生順に返されます。

halfrange

halfrange(Hs) では、Hs のスペクトルがナイキスト区間の半分で計算されたスペクトルに変換されます。新しい周波数範囲の影響を受けるすべての関連プロパティは自動的に調整されます。このメソッドは dspdata.pseudospectrum オブジェクトに使用されます。

スペクトルは実信号からのものと想定されています。つまり、halfrange ではデータが対称であるかどうかに関係なく、データ点の半数が使用されます。

normalizefreq

normalizefreq(Hs) または normalizefreq(Hs,true) では、周波数が 0 ~ 1 になるように、Hs オブジェクト内の周波数仕様が Fs に正規化されます。また、NormalizedFrequency プロパティが true に設定されます。

normalizefreq(Hs,false) では、周波数を線形周波数に変換されます。

normalizefreq(Hs,false,Fs) では、新しいサンプリング周波数 Fs が設定されます。これは false でのみ使用できます。

onesided

onesided(Hs) では、Hs のスペクトルが、ナイキスト区間の半分で計算された、合計信号パワーを含むスペクトルに変換されます。新しい周波数範囲の影響を受けるすべての関連プロパティは自動的に調整されます。このメソッドは dspdata.psd オブジェクトと dspdata.msspectrum オブジェクトに使用されます。

スペクトルは実信号からのものと想定されています。つまり、onesided ではデータが対称であるかどうかに関係なく、データ点の半数が使用されます。

plot

現在の Figure ウィンドウにデータをグラフィカルに表示します。

dspdata.psd オブジェクトの場合は、パワースペクトル密度が dB/Hz で表示されます。

dspdata.msspectrum オブジェクトの場合は、平均二乗が dB で表示されます。

dspdata.pseudospectrum オブジェクトの場合は、疑似スペクトルが dB で表示されます。

sfdr

このメソッドは dspdata.msspectrum オブジェクトにのみ適用されます。

sfdr(Hs) では、平均二乗スペクトル オブジェクト Hs のスプリアスフリー ダイナミック レンジ (SFDR) が dB 単位で計算されます。SFDR は、疑似ノイズによる干渉を受ける前の信号の利用可能範囲を示しています。

[sfd,spur,frq] = sfdr(Hs) では、最大 spur の振幅と、この振幅が発生する周波数 frq が返されます。

sfdr(Hs,'minspurlevel',msl) では、最小スパー レベル msl (実スカラー、dB) 未満のスパーは無視されます。

sfdr(Hs,'minspurdistance',msd) では、最小スパー距離 msd (正の実スカラー、周波数単位) 以上離れているスパーのみが含められます。

twosided

twosided(Hs) では、Hs スペクトルがナイキスト区間全体に渡って計算されたスペクトルに変換されます。新しい周波数範囲の影響を受けるすべての関連プロパティは自動的に調整されます。このメソッドは dspdata.psd オブジェクトと dspdata.msspectrum オブジェクトに使用されます。

データが不等間隔サンプルの場合、onesided から twosided への変換で正しくない結果が生成される可能性があります。

wholerange

wholerange(Hs) では、Hs スペクトルがナイキスト区間全体に渡って計算されたスペクトルに変換されます。新しい周波数範囲の影響を受けるすべての関連プロパティは自動的に調整されます。このメソッドは dspdata.pseudospectrum オブジェクトに使用されます。

データが不等間隔サンプルの場合、half から wholerange への変換で正しくない結果が生成される可能性があります。

各メソッドの詳細については、MATLAB プロンプトから構文 help dspdata/method を使用してください。

dspdata オブジェクトのプロット

このプロット メソッドでは、dspdata オブジェクトのスペクトルが個別の Figure ウィンドウに表示されます。

dspdata オブジェクトの変更

dspdata オブジェクトの作成後、上の表に記載されている任意のメソッドを使用してオブジェクトのプロパティを変更できます。たとえば、Hs オブジェクトを両側から片側に変更するには、onesided(Hs) を使用します。

具体的な例は、dspdata.msspectrumdspdata.psd および dspdata.pseudospectrum のリファレンス ページを参照してください。

バージョン履歴

R2006a より前に導入