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SVPWM Generator (2-Level)
SVPWM 制御の 2 レベル コンバーターのパルスを生成する
ライブラリ
Simscape / Electrical / Specialized Power Systems / Power Electronics / Power Electronics Control
説明
SVPWM Generator (2-Level) ブロックは、空間ベクトル パルス幅変調 (SVPWM) 手法を使用して三相 2 レベル DC/AC コンバーターのパルスを生成します。
このコンバーター スイッチは次の等価回路によって表されます。
次の図に示すように、SVPWM 手法の目的は、基本空間ベクトルに対応するスイッチング状態を結合して、基準電圧ベクトル (Uref) を瞬時に近似することです。
より正確には、すべての PWM 周期について、特定の期間には隣接する 2 つの空間ベクトル (図の U3 および U4) を使用し、残りの期間にはヌル ベクトル (U7 または U8) を使用して、基準ベクトル Uref の平均を求めます。
ベクトル | Q1 | Q3 | Q5 |
---|---|---|---|
U1 | 1 | 0 | 0 |
U2 | 1 | 1 | 0 |
U3 | 0 | 1 | 0 |
U4 | 0 | 1 | 1 |
U5 | 0 | 0 | 1 |
U6 | 1 | 0 | 1 |
U7 | 0 | 0 | 0 |
U8 | 1 | 1 | 1 |
このブロックでは、次の 2 つの対称スイッチング パターン [1] が実装されます。
パターン #1: ソフトウェア決定と呼ばれるこのパターンでは、各 PWM チャネルが PWM 周期ごとに 2 回切り替わります。
パターン #2: ハードウェア決定と呼ばれるこのパターンでは、1 つの PWM チャネルが PWM 周期全体で一定のままになります。したがって、このパターンのスイッチング回数はパターン #1 よりも少なくなります。結果として、パターン #2 を使用すると、スイッチング損失が減ります。
パラメーター
- Data type of input reference vector (Uref)
基準ベクトルのタイプを指定します。
[Magnitude-Angle (rad)]
(既定) に設定した場合は、Uref ベクトルは次の入力によって指定されます。|U|
Magnitude of Uref (value between 0 and 1)
[alpha-beta components]
に設定した場合は、Uref ベクトルは Uα および Uβ の入力によって指定されます。[Internally generated]
に設定した場合は、Uref はブロックへの入力ではなくなります。内部的に生成され、出力電圧パラメーターでの指定に従ってコンバーター出力電圧が制御されます。- Switching pattern
[Pattern #1]
(既定) に設定すると、コンバーターのすべてのデバイスが PWM 周期ごとに 2 回切り替わります。[Pattern #2]
に設定すると、3 つのアームのうちの 1 つのステータスが PWM 周期全体で一定のままになります (スイッチングなし)。- PWM frequency (Hz)
PWM 周期を決定する PWM 周波数を指定します。
既定は
2000
です。- Output voltage: [Mag (0<m<1), Phase (degrees), Freq (Hz)]
このブロックで制御される 2 レベル コンバーターの出力電圧の振幅、相、および周波数を指定します。既定は
[0.8 -30 50]
です。コンバーターの線間出力電圧の基本成分の振幅は、次のように定義されます。このパラメーターは、[Data type of input reference vector Uref] パラメーターが
[Internally generated]
に設定されている場合にのみ表示されます。- Sample time
ブロックのサンプル時間 (秒) を指定します。連続ブロックを実装するには 0 に設定します。既定は
0
です。
入力と出力
Uref
[Data type of input reference vector Uref] パラメーターが
[Magnitude-Angle (rad)]
に設定されている場合は、回転基準ベクトル Uref の 2 つのブロック入力は、振幅と位相 (ラジアン) です。[Data type of input reference vector Uref] パラメーターが
[alpha-beta components]
に設定されている場合は、2 つのブロック入力は、Uref のアルファ成分とベータ成分です。出力には、コンバーター デバイスの自励式デバイス (Q1 ~ Q6) を始動する 6 つのパルス信号が含まれます。
特性
サンプル時間 | [Sample Time] パラメーターで指定 [Sample Time] = 0 の場合は連続 |
スカラー拡張 | なし |
多次元化 | なし |
例
power_SVPWMGenerator2Level
モデルでは、2 つの単純な回路を使用して、SVPWM 発生器 (2 レベル) の仕組みを示し、2 つのスイッチング パターン オプションを比較しています。シミュレーションを実行し、Powergui ブロックの FFT Analysis ツールを開いて、2 つのコンバーターによって生成される電圧の高調波および THD 値を確認します。
モデルのサンプル時間は、既定値の 2e-6 秒に設定された変数 Ts でパラメーター化されています。モデルを連続モードでシミュレートするには、コマンド ウィンドウで Ts を 0 に設定し、Powergui ブロックの [Simulation type] パラメーターを [Continuous]
に変更します。
参考文献
[1] Yu, Z., Application Report SPRA524, Space-Vector PWM with TMS320C24x Using H/W & S/W Determined Switching Patterns, Texas Instruments, 1999.
バージョン履歴
R2013a で導入