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Diode

ダイオード モデルを実装

ライブラリ:
Simscape / Electrical / Specialized Power Systems / Power Electronics

説明

ダイオードは、固有の電圧 Vak と電流 Iak によって制御される半導体デバイスです。順バイアスがかかっている場合 (Vak > 0)、ダイオードは小さな順電圧 Vf がかかる状態で導通を開始します。デバイスへの電流が 0 になるとオフになります。逆バイアスがかかっている場合 (Vak < 0)、ダイオードはオフ状態のままとなります。

Diode ブロックは、スイッチと直列に接続されている抵抗器、インダクター、および DC 電圧源によってシミュレートされます。スイッチの動作は、電圧 Vak と電流 Iak によって制御されます。

Diode ブロックには、ダイオード デバイスと並列に接続できる直列 Rs-Cs スナバ回路も含まれています (ノード A とノード K の間)。

power_diode の例は、Diode ブロック、RL 負荷、および AC Voltage Source ブロックで構成される単一パルス整流器を示しています。

仮定と制限

  • Diode ブロックは、ダイオード デバイスのマクロ モデルを実装します。デバイスの形状も、状態変化の基となる複雑な物理プロセスも考慮されません [1]。遮断状態での漏れ電流や逆回復 (負の) 電流は考慮されません。ほとんどの回路で、逆電流はコンバーターなどのデバイスの特性に影響しません。

  • インダクタンス Lon の値に応じて、ダイオードは電流源 (Lon > 0) または可変トポロジ回路 (Lon = 0) としてモデル化されます。Diode ブロックは、スナバ回路が使用されていない限り、インダクター、電流源、あるいは開回路と直列に接続することはできません。

  • 回路を離散化する場合、インダクタンス Lon は強制的に 0 となります。

端子

出力

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2 つの信号を含む測定ベクトル。Simulink ライブラリで提供される Bus Selector ブロックを使用して、これらの信号を逆多重化できます。

信号

定義

単位

1

ダイオード電流

A

2

ダイオード電圧

V

依存関係

この端子を有効にするには、[Show measurement port] パラメーターをオンにします。

保存

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アノードに関連付けられた特定用途向けの電気量保存端子。

カソードに関連付けられた特定用途向けの電気量保存端子。

パラメーター

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ダイオードの内部抵抗 Ron。単位はオーム (Ω) です。既定は 0.001 です。[Inductance Lon] パラメーターが 0 に設定されている場合、[Resistance Ron] パラメーターは 0 に設定できません。

ダイオードの内部インダクタンス Lon。単位はヘンリー (H) です。既定は 0 です。[Resistance Ron] パラメーターが 0 に設定されている場合、[Inductance Lon] パラメーターは 0 に設定できません。

ダイオード デバイスの順電圧。単位はボルト (V) です。既定は 0.8 です。

ダイオード デバイスに流れる初期電流を指定します。既定は 0 です。ダイオード デバイスが遮断された状態でシミュレーションを開始するために、通常は 0 に設定されます。[Initial Current IC] パラメーターが 0 より大きい値に設定されている場合は、定常状態の計算でダイオードの初期ステータスが閉と見なされます。

パワー エレクトロニクス コンバーターのすべての状態を初期化するのは複雑なタスクです。そのため、このオプションは簡単な回路でのみ役立ちます。

スナバ抵抗。単位はオーム (Ω) です。既定は 500 です。[Snubber resistance Rs] パラメーターを inf に設定すると、モデルからスナバが削除されます。

スナバ静電容量。単位はファラド (F) です。既定は 250e-9 です。[Snubber capacitance Cs] パラメーターを 0 に設定するとスナバが削除され、inf に設定すると抵抗スナバが得られます。

オンの場合、ダイオードの電流と電圧を返すブロックへの Simulink 出力を追加します。既定はオンです。

参照

[1] Rajagopalan, V., Computer-Aided Analysis of Power Electronic Systems, Marcel Dekker, Inc., New York, 1987.

[2] Mohan, N., T.M. Undeland, and W.P. Robbins, Power Electronics: Converters, Applications, and Design, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1995.

拡張機能

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2006a より前に導入