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最適化理論の概要

最適化の手法は、最適な設計パラメーターの集合 x = {x1,x2,...,xn} を見つけるために使います。単純なケースでは、このプロセスは x に依存するシステム特性の最小化または最大化です。より高度な定式化では、最小化または最大化する目的関数 f(x) に次の 1 つ以上の形式で制約が課されます。

  • 等式制約、Gi(x) = 0 ( i = 1,...,me)

  • 不等式制約、Gi( x) ≤ 0 (i = me + 1,...,m)

  • パラメーター境界、xl, xuxl ≤ x ≤ xu では、一部の xl を –∞ に、一部の xu を ∞ にできる

一般問題 (GP) は、次のように記述されます。

minxf(x),(1)

制約条件

Gi(x)=0i=1,...,meGi(x)0i=me+1,...,mxlxxu,

ここで、x は長さ n の設計パラメーター、f(x) はスカラー値を返す目的関数、ベクトル関数 G(x) は x で計算された等式制約と不等式制約の値を含む長さ m のベクトルを返します。

この問題の効率的で精度の高い解は、制約条件および設計変数の数で表される問題のサイズだけでなく、目的関数や制約条件の特性にも依存します。目的関数や制約が共に設計変数の線形関数である場合、この問題は線形計画 (LP) 問題として知られています。二次計画法 (QP) は、線形に制約を与えられた二次の目的関数の最小化または最大化に関したものです。LP、QP 問題共に信頼性の高い解法が既に用意されています。解くのがより難しいのは、目的関数や制約が設計変数の非線形関数になる非線形計画 (NP) 問題です。NP 問題に対する解は、各々の反復で探索方向を作成する反復手法を必要とします。この解法は、通常 LP、QP、または制約のない部分問題の解法で実現されます。

すべての最適化は実数で行われます。ただし、制約なしの最小二乗問題と方程式解法は複素解析関数を使用して定式化し、解くことができます。詳細については、Optimization Toolbox ソルバーの複素数を参照してください。