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pe

同定されたモデルの予測誤差

説明

結果を返す

err = pe(sys,data,K) は、同定されたモデル sys の出力に対する K ステップの予測誤差を返します。この関数は、K ステップ先の予測応答を測定された出力から差し引くことで、予測誤差を判定します。予測誤差は、data でカバーされる時間範囲について計算されます。予測応答の計算の詳細については、predict を参照してください。

err = pe(sys,data,K,opt) は、予測誤差の計算動作を指定するためのオプション セット opt を使用して、予測誤差を返します。

また、[err,ice,sys_pred] = pe(___) は、推定される初期条件 ice と予測器システム sys_pred を返します。この構文を、前述の入力引数の組み合わせのいずれかで使用できます。

結果のプロット

pe(sys,___) は予測誤差をプロットします。プロットの表示オプションを変更するには、プロットを右クリックしてコンテキスト メニューにアクセスします。このメニューの詳細については、ヒントを参照してください。

pe(sys,Linespec,data,___) は、Linespec を使用してライン タイプ、マーカー記号、および色を指定します。

pe(sys1,...,sysN,data,___) は、複数の同定されたモデルの予測誤差をプロットします。色やライン スタイルは pe で自動的に選択されます。

pe(sys1,Linespec1,...,sysN,LinespecN,data,___) は、各モデルに対して指定されたライン タイプ、マーカー記号、および色を使用します。

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ARIX モデルの予測誤差を計算します。

誤差データを使用して、ノイズ源 e(t) の分散を計算します。

ノイズを含むデータを取得します。

noise = [(1:150)';(151:-1:2)'];  

load iddata1 z1;
z1.y = z1.y+noise;

noise は、iddata オブジェクトである z1 の出力信号に追加される三角波です。

ノイズを含むデータの ARIX モデルを推定します。

sys = arx(z1,[2 2 1],'IntegrateNoise',true);

推定されたモデルの予測誤差を計算します。

K = 1;
err = pe(z1,sys,K);

pe は、同定されたモデル sys の出力に対する 1 ステップの予測誤差を計算します。

ノイズ源 e(t) の分散を計算します。

noise_var = err.y'*err.y/(299-nparams(sys)-order(sys));

計算された値をモデルのノイズ分散と比較します。

sys.NoiseVariance 

sys.NoiseVariance の出力は計算された分散と一致します。

推定データを読み込みます。

load iddata1;
data = z1;

次数 [2 2 1] の ARX モデルを推定します。

sys1 = arx(data,[2 2 1]);

2 つの極をもつ伝達関数を推定します。

 sys2 = tfest(data,2);

推定されたモデルの予測誤差をプロットします。予測範囲を 10 として指定し、各システムの予測誤差をプロットするためのライン スタイルを指定します。

pe(sys1,'r--',sys2,'b',data,10);

Figure contains an axes object. The axes object with ylabel Delta y1 contains 2 objects of type line. These objects represent data (y1), sys1, sys2.

表示オプションを変更するには、プロットを右クリックしてコンテキスト メニューにアクセスします。たとえば、推定データを表示するには、コンテキスト メニューから [検証データの表示] を選択します。予測出力を表示するには、[予測応答プロット] を選択します。

入力引数

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同定されたモデル。モデル オブジェクトとして指定します。

測定された入出力の履歴。iddata オブジェクトとして指定します。このオブジェクトには、複数の実験からのデータを含めることができます。

sys が時系列モデルの場合は、data を、入力のない iddata オブジェクトまたは過去の時系列値の行列として指定します。

予測範囲。データのサンプル時間の倍数である正の整数として指定します。純粋なシミュレーションの誤差を計算するには、Kinf に設定します。

予測オプション。peOptions オプション セットとして指定します。

opt で指定するオプションには以下が含まれます。

  • 初期条件の処理

  • データのオフセット

ライン スタイル、マーカー、およびラインとマーカーの両方の色。'b''b+:' など、文字ベクトルとして指定します。

LineSpec の構成の詳細については、plotLinespec 入力引数を参照してください。

出力引数

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予測誤差。data と同じ形式 (iddata オブジェクトまたは数値行列) で返されます。

この関数は、t-K の時点までの出力と t の時点までの入力を使用して、t 時点での予測誤差を計算します。

K = Inf の場合、予測出力はシステムの純粋なシミュレーションです。

複数実験データの場合、err には各実験の予測誤差データが含まれます。予測誤差の時間範囲は観測データの時間範囲と一致します。

推定される初期条件。状態空間システムの初期状態の列ベクトルとして、および伝達関数システムと多項式系の initialCondition オブジェクトとして返されます。

予測器システム。動的システム モデルとして指定します。

[data.OutputData data.InputData] を入力として使用して sys_pred をシミュレートする場合、出力 yperr.OutputData = data.OutputData - yp のようになります。状態空間モデルの場合、sys_pred のシミュレート時に ice が初期条件として使用されます。

離散時間データの場合、sys_pred は常に離散時間モデルです。

複数実験データの場合、sys_pred はモデルの配列であり、実験ごとに 1 つのエントリが含まれます。

ヒント

  • 予測誤差のプロットを右クリックするとコンテキスト メニューが開き、次のオプションにアクセスできます。

    • システム — 予測誤差を表示するシステムを選択します。既定では、すべてのシステムの予測誤差がプロットされます。

    • データ実験 — 複数実験データの場合のみ。別の実験のデータに切り替えます。

    • 特性 — 次のデータ特性を表示します。

      • ピーク値 — データの絶対ピーク値を表示します。時間領域データにのみ適用できます。

      • ピーク応答 — データのピーク応答を表示します。周波数応答データにのみ適用できます。

      • 平均値 — データの平均値を表示します。時間領域データにのみ適用できます。

    • 表示 — 周波数領域データと周波数応答データの場合のみ。

      • 振幅 — システムの周波数応答の振幅を表示します。

      • 位相 — システムの周波数応答の位相を表示します。

    • 検証データの表示 — 予測誤差の計算に使用されたデータをプロットします。

    • I/O のグループ化 — 複数の入力チャネルまたは出力チャネルを含むデータセットの場合。プロットにおける入力チャネルおよび出力チャネルのグループ化を選択します。

      • なし — 入出力チャネルをそれぞれ別々の座標軸にプロットします。

      • すべて — すべての入力チャネルをグループ化し、すべての出力チャネルをグループ化します。

    • I/O セレクター — 複数の入力チャネルまたは出力チャネルを含むデータセットの場合。プロットする入力チャネルと出力チャネルのサブセットを選択します。既定では、すべての出力チャネルがプロットされます。

    • グリッド — プロットにグリッドを追加します。

    • 正規化 — プロット内のすべてのデータの y スケールを正規化します。

    • フル ビュー — フル ビューに戻ります。既定では、プロットはフル ビューにスケーリングされます。

    • 予測範囲 — 予測範囲を設定するか、シミュレーションを選択します。

    • 初期条件 — 初期条件の処理を指定します。周波数応答データには適用されません。

      次のいずれかとして指定します。

      • 推定 — 初期条件を推定パラメーターとして扱います。

      • ゼロ — すべての初期条件をゼロに設定します。

      • 遅延を吸収して推定 — 非ゼロの遅延をモデルの係数に吸収し、初期条件を推定パラメーターとして扱います。このオプションは、離散時間モデルにのみ使用します。

    • 予測応答プロット — 予測モデル応答をプロットします。

    • 予測誤差プロット — モデル応答と予測データの間の誤差をプロットします。既定では、誤差のプロットが表示されます。

    • プロパティ — プロットの属性をカスタマイズするための [プロパティ エディター] ダイアログ ボックスを開きます。

バージョン履歴

R2006a より前に導入