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Minimum

入力または入力シーケンスの最小値

  • Minimum block

ライブラリ:
DSP System Toolbox / Statistics
DSP System Toolbox HDL Support / Statistics

説明

Minimum ブロックは、入力の各行または各列の最小の要素の値と位置や、入力の指定した次元のベクトルにおける最小の要素の値と位置を特定します。また、入力全体の最小値を計算することもできます。Minimum ブロックは一定期間における入力シーケンスの最小値を追跡することもできます。[モード] パラメーターは、ブロックの演算モードを指定します。これは、次のいずれかに設定できます。

  • — ブロックは、指定した次元の最小値を出力します。

  • インデックス — ブロックは、指定した次元の最小値のインデックス配列を出力します。

  • 値とインデックス — ブロックは、指定した次元の最小値および対応するインデックス配列を出力します。

  • ランニング — ブロックは一定期間における入力シーケンスの最小値を追跡します。

次元は [最小値を求める対象] パラメーターを使用して指定できます。

メモ

Minimum ブロックの "ランニング" モードは将来のリリースで削除される予定です。Simulink® でランニング最小値を計算するには、代わりに Moving Minimum ブロックを使用してください。

端子

入力

すべて展開する

このブロックは、実数値または複素数値のマルチチャネルの多次元入力を受け入れます。入力は浮動小数点、固定小数点または Boolean を受け入れます。実数の固定小数点入力は符号付きまたは符号なしです。複素数の固定小数点入力は符号付きでなければなりません。

この端子は、[モード] パラメーターを [ランニング] に設定して [リセット端子] パラメーターを [なし] 以外のオプションに設定するまでは名前なしになります。

データ型: single | double | int8 | int16 | int32 | int64 | uint8 | uint16 | uint32 | uint64 | Boolean | fixed point
複素数のサポート: あり

ブロックにランニング最小値をリセットさせるリセット イベントを指定します。Rst 入力のサンプル時間は、入力サンプル時間の正の整数倍でなければなりません。

依存関係

この端子を有効にするには、[モード] パラメーターを [ランニング] に設定して [リセット端子] パラメーターを [なし] 以外のオプションに設定します。

データ型: single | double | int8 | int16 | int32 | uint8 | uint16 | uint32 | Boolean

出力

すべて展開する

最小値のデータ型は入力のデータ型と一致します。

[モード] パラメーターが [値とインデックス] または [値] のいずれかに設定されると、以下が適用されます。

  • ブロックが最小値を計算する次元のサイズは 1 です。その他の次元すべてのサイズは、入力配列の次元のサイズと一致します。たとえば、入力が M x N x P 配列で、次元が 1 に設定されている場合、ブロックは 1 x N x P 配列を出力します。次元が 3 に設定されていると、ブロックは 2 次元の M 行 N 列の行列を出力します。

  • たとえば、入力が M 行 N 列の行列で、次元が 1 に設定されている場合、ブロックは 1 行 N 列の行列を出力します。

入力全体での最小値を計算するようにブロックに指定すると、ブロックはスカラーを出力します。

[モード] パラメーターを [ランニング] に設定すると、ブロックは M 行 N 列の入力の時間系列における各チャネルの最小値を追跡します。このモードでは、[入力処理] パラメーターの値も次のいずれかの値のように指定しなければなりません。

  • チャネルとしての要素 (サンプル ベース) — ブロックは入力の各要素を別々のチャネルとして扱います。サイズ M x N x P の 3 次元の入力信号の場合、ブロックは M x N x P の配列を出力します。出力の各 yijk 要素には、最後のリセット以降のすべての入力に対する要素 uijk で観測される最小値が含まれます。

    リセット イベントが発生すると、現在のフレームのランニング最小値 yijk が要素 uijk にリセットされます。

  • チャネルとしての列 (フレーム ベース) — ブロックは入力の各列を別々のチャネルとして扱います。このオプションは、N > 2 の N 次元の入力信号をサポートしません。サイズ M 行 N 列の 2 次元の入力信号の場合、ブロックは M 行 N 列の行列を出力します。出力の各要素 yij には、最後のリセット以降、現在の入力の要素 uij が含まれる時点までのすべての入力のうちの j 番目の列で観測される最小値が含まれます。

    リセット イベントが発生すると、各チャネルのランニング最小値は、現在の入力フレームにおける現在の入力サンプルまでを含むすべてのサンプルの最小値になります。

オプションの [Rst] 端子でリセット イベントが検出されるたびに、ブロックはランニング最小値をリセットします。リセットのサンプル時間は、入力サンプル時間の正の整数倍でなければなりません。

依存関係

この端子を有効にするには、[モード] パラメーターを [値とインデックス] または [値] のいずれかに設定します。

データ型: single | double | int8 | int16 | int32 | int64 | uint8 | uint16 | uint32 | uint64 | Boolean | fixed point
複素数のサポート: あり

入力が double の場合、インデックス値も double です。そうでない場合、インデックス値は uint32 です。

依存関係

この端子を有効にするには、[モード] パラメーターを [値とインデックス] または [インデックス] のいずれかに設定します。

データ型: double | uint32

パラメーター

すべて展開する

[メイン] タブ

以下は [モード] パラメーターの各設定です。

  • — ブロックは、入力の各行または各列の最小値や入力の指定した次元のベクトルにおける最小値、または各サンプル時間の入力全体の最小値を計算して、配列 y を出力します。y の各要素は、対応する列、行、ベクトルまたは入力全体の最小値になります。出力 y は、[最小値を求める対象] パラメーターの設定により異なります。サイズ M x N x P の 3 次元の入力信号について考えてみましょう。以下は [最小値を求める対象] の各設定です。

    • 各行 — 各サンプル時間での出力 y は M×1×P 配列で構成され、各要素には入力の 2 番目の次元に対する各ベクトルの最小値が含まれます。M 行 N 列の行列である入力の場合、各サンプル時間での出力は M 行 1 列の列ベクトルになります。

    • 各列 — 各サンプル時間での出力 y は 1×N×P の配列で構成され、各要素には入力の 1 番目の次元に対する各ベクトルの最小値が含まれます。M 行 N 列の行列である入力の場合、各サンプル時間での出力は 1 行 N 列の行ベクトルになります。

      このモードでは、ブロックは長さ M の方向性をもたないベクトル入力を M 行 1 列の列ベクトルとして扱います。

    • 入力全体 — 各サンプル時間での出力 y は M×N×P の入力行列の最小値を含むスカラーです。

    • 指定した次元 — 各サンプル時間での出力 y は [次元] パラメーターの値によって異なります。[次元]1 に設定されると、出力は [各列] を選択した場合と同じになります。[次元]2 に設定されると、出力は [各行] を選択した場合と同じになります。[次元]3 に設定されると、各サンプル時間での出力は入力の 3 番目の次元に対する各ベクトルの最小値を含む M 行 N 列の行列となります。

    複素数入力

    複素数入力の場合、ブロックは、入力の各行または各列の値や入力の指定した次元のベクトルにおける値、または次の図の最小振幅の 2 乗をもつ入力全体の値を選択します。複素数値 u=a+bi の場合、振幅の 2 乗は a2+b2 です。

  • インデックス — ブロックは、入力の各行または各列の最小値や入力の指定した次元のベクトルにおける最小値、または入力全体の最小値を計算して、インデックス配列 I を出力します。I の各要素は、対応する列、行、ベクトルまたは入力全体の最小値にインデックス付けする整数です。出力 I は、[最小値を求める対象] パラメーターの設定により異なります。サイズ M×N×P の 3 次元の入力信号について考えてみましょう。

    • 各行 — 各サンプル時間での出力 I は M×1×P 配列で構成され、各要素には入力の 2 番目の次元に対する各ベクトルの最小値のインデックスが含まれます。M 行 N 列の行列である入力の場合、各サンプル時間での出力は M 行 1 列の列ベクトルになります。

    • 各列 — 各サンプル時間での出力 I は 1×N×P の配列で構成され、各要素には入力の 1 番目の次元に対する各ベクトルの最小値のインデックスが含まれます。M 行 N 列の行列である入力の場合、各サンプル時間での出力は 1 行 N 列の行ベクトルになります。

      このモードでは、ブロックは長さ M の方向性をもたないベクトル入力を M 行 1 列の列ベクトルとして扱います。

    • 入力全体 — 各サンプル時間での出力 I は M×N×P の入力行列の最小値の位置を含む 1 行 3 列のベクトルです。M 行 N 列の行列である入力の場合、出力は 1 行 2 列のベクトルになります。

    • 指定した次元 — 各サンプル時間での出力 I は [次元] パラメーターの値によって異なります。[次元] が 1 に設定されると、出力は [各列] を選択した場合と同じになります。[次元] が 2 に設定されると、出力は [各行] を選択した場合と同じになります。[次元] が 3 に設定されると、各サンプル時間での出力は入力の 3 番目の次元に対する各ベクトルの最小値のインデックスを含む M 行 N 列の行列となります。

    最小値が複数回出現する場合、計算されたインデックスは最初の出現に対応します。たとえば、入力が列ベクトル [3 2 1 2 3]' である場合、[各列] がオンになっていると、最小値の計算された 1 ベースのインデックスは 5 ではなく 1 です。

  • 値とインデックス — ブロックは、入力の各行または各列の最小値や入力の指定した次元のベクトルにおける最小値、または入力全体の最小値と対応するインデックス配列 I を出力します。

  • ランニング — ブロックは、M 行 N 列の入力の時間系列における各チャネルの最小値を追跡します。オプションの [Rst] 端子でリセット イベントが検出されるたびに、ブロックはランニング最小値をリセットします。リセットのサンプル時間は、入力サンプル時間の正の整数倍でなければなりません。このモードでは、[入力処理] パラメーターの値も次のいずれかの値のように指定しなければなりません。

    • チャネルとしての要素 (サンプル ベース) — ブロックは入力の各要素を別々のチャネルとして扱います。サイズ M x N x P の 3 次元の入力信号の場合、ブロックは M x N x P の配列を出力します。出力の各 yijk 要素には、最後のリセット以降のすべての入力に対する要素 uijk で観測される最小値が含まれます。

      リセット イベントが発生すると、現在のフレームのランニング最小値 yijk が要素 uijk にリセットされます。

    • チャネルとしての列 (フレーム ベース) — ブロックは入力の各列を別々のチャネルとして扱います。このオプションは、N > 2 の N 次元の入力信号をサポートしません。サイズ M 行 N 列の 2 次元の入力信号の場合、ブロックは M 行 N 列の行列を出力します。出力の各要素 yij には、最後のリセット以降、現在の入力の要素 uij が含まれる時点までのすべての入力のうちの j 番目の列で観測される最小値が含まれます。

      リセット イベントが発生すると、各チャネルのランニング最小値は、現在の入力フレームにおける現在の入力サンプルまでを含むすべてのサンプルの最小値になります。

    オプションの [Rst] 端子でリセット イベントが検出されるたびに、ブロックはランニング最小値をリセットします。リセットのサンプル時間は、入力サンプル時間の正の整数倍でなければなりません。

    可変サイズ入力のランニング モード

    入力が可変サイズ信号のときに [モード][ランニング] に設定すると、次のようになります。

    • [入力処理] パラメーターを [チャネルとしての要素 (サンプル ベース)] に設定すると、状態がリセットされます。

    • [入力処理] パラメーターを [チャネルとしての列 (フレーム ベース)] に設定すると、次のようになります。

      • 入力サイズの相違がチャネル (列) の数に関する場合、状態がリセットされます。

      • 入力サイズの相違がチャネルの長さ (行数) に関する場合、リセットは行われず実行処理が通常どおりに実行されます。

最小値のインデックスが 1 ベースまたは 0 ベースの番号付けを使用して報告されるかを指定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[モード] パラメーターを [インデックス] または [値とインデックス] のいずれかに設定します。

  • 各列 — ブロックは各列の最小値を出力します。

  • 各行 — ブロックは各行の最小値を出力します。

  • 入力全体 — ブロックは入力全体の最小値を出力します。

  • 指定した次元 — ブロックは [次元] パラメーターで指定された次元の最小値を出力します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[モード] パラメーターを [値とインデックス][値] または [インデックス] に設定します。

ブロックが最小値を計算する対象となる入力信号の次元 (1 ベースの値) を指定します。このパラメーターの値は 0 より大きく、入力信号の次元数未満でなければなりません。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[最小値を求める対象][指定した次元] に設定します。

  • チャネルとしての列 (フレーム ベース) — ブロックは入力の各列を別々のチャネルとして扱います。このオプションは、N > 2 の N 次元の入力信号をサポートしません。サイズ M 行 N 列の 2 次元の入力信号の場合、ブロックは M 行 N 列の行列を出力します。出力の各要素 yij には、最後のリセット以降、現在の入力の要素 uij が含まれる時点までのすべての入力のうちの j 番目の列で観測される最小値が含まれます。

    リセット イベントが発生すると、各チャネルのランニング最小値は、現在の入力フレームにおける現在の入力サンプルまでを含むすべてのサンプルの最小値になります。

  • チャネルとしての要素 (サンプル ベース) — ブロックは入力の各要素を別々のチャネルとして扱います。サイズ M x N x P の 3 次元の入力信号の場合、ブロックは M x N x P の配列を出力します。出力の各 yijk 要素には、最後のリセット以降のすべての入力に対する要素 uijk で観測される最小値が含まれます。

    リセット イベントが発生すると、現在のフレームのランニング最小値 yijk が要素 uijk にリセットされます。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[モード][ランニング] に設定します。

オプションの [Rst] 端子でリセット イベントが検出されるたびに、ブロックはランニング最小値をリセットします。リセットのサンプル時間は、入力サンプル時間の正の整数倍でなければなりません。

  • None[Rst] 端子を無効にします。

  • 立ち上がりエッジRst の入力が次のいずれかを行うときにリセット操作をトリガーします。

    • 負の値から正の値またはゼロに立ち上がる。

    • ゼロから正の値へ立ち上がる。この場合、立ち上がりは負の値からゼロへの立ち上がりと連続していません。

  • 立ち下がりエッジRst の入力が次のいずれかを行うときにリセット操作をトリガーします。

    • 正の値から負の値またはゼロに立ち下がる。

    • ゼロから負の値に立ち下がる。この場合、立ち下がりは正の値からゼロへの立ち下りと連続していません。

  • 両エッジ[Rst] の入力が [立ち上がりエッジ] または [立ち下がりエッジ] の場合にリセット操作をトリガーします。

  • 非ゼロのサンプルRst 入力が非ゼロの各サンプル時間でリセット操作をトリガーします。

    メモ

    Simulink [マルチタスク] モードでシミュレーションを実行すると、リセット信号は 1 サンプルのレイテンシをもちます。したがって、ブロックでリセット イベントが検知された場合、ブロックがリセットを適用する前にリセット端子で 1 サンプルの遅延が発生します。レイテンシと Simulink タスク モードの詳細については、Excess Algorithmic Delay (Tasking Latency)時間ベースのスケジューリングとコード生成 (Simulink Coder)を参照してください。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[モード][ランニング] に設定します。

[データ型] タブ

メモ

これらのパラメーターを使用するには、データ入力が複素数の固定小数点でなければなりません。

固定小数点演算の丸めモードを次のいずれかに指定します。

  • 負方向

  • 正方向

  • 最も近い偶数方向

  • 最も近い正の整数方向

  • 最も近い整数方向

  • 最も簡潔

  • ゼロ方向

詳細については、丸めモードを参照してください。

このパラメーターをオンにすると、ブロックは固定小数点演算の結果を飽和させます。このパラメーターをオフにすると、ブロックは固定小数点演算の結果をラップします。saturate および wrap の詳細については、固定小数点演算のオーバーフロー モードを参照してください。

[乗算出力] は、Minimum ブロックでの乗算操作の出力のデータ型を指定します。乗算出力データ型の詳細については、乗算のデータ型を参照してください。

  • 継承: 入力と同じ — ブロックは乗算出力のデータ型を入力のデータ型と同じになるように指定します。

  • fixdt([],16,0) — ブロックは語長が 16 ビットで小数部の長さが 0 である自動符号付きの 2 進小数点のスケーリングされた固定小数点データ型を指定します。

[乗算出力] のデータ型は、[データ型アシスタント] を使用して設定することもできます。アシスタントを使用するには、[データ型アシスタントを表示] ボタン をクリックします。

データ型アシスタントの詳細については、データ型アシスタントを利用したデータ型の指定 (Simulink)を参照してください。

[アキュムレータ] は、Minimum ブロックでの累積操作の出力のデータ型を指定します。

  • 継承: 乗算出力と同じ — ブロックはアキュムレータのデータ型を乗算出力のデータ型と同じになるように指定します。

  • 継承: 入力と同じ — ブロックはアキュムレータのデータ型を入力のデータ型と同じになるように指定します。

  • fixdt([],16,0) — ブロックは語長が 16 ビットで小数部の長さが 0 である自動符号付きの 2 進小数点のスケーリングされた固定小数点データ型を指定します。

[アキュムレータ] のデータ型は、[データ型アシスタント] を使用して設定することもできます。アシスタントを使用するには、[データ型アシスタントを表示] ボタン をクリックします。

データ型アシスタントの詳細については、データ型アシスタントを利用したデータ型の指定 (Simulink)を参照してください。

ブロック ダイアログ ボックスで指定するデータ型が固定小数点ツールによってオーバーライドされないようにするには、このパラメーターを選択します。

ブロックの特性

データ型

double | fixed point | integer | single

直達

いいえ

多次元信号

いいえ

可変サイズの信号

はい

ゼロクロッシング検出

いいえ

アルゴリズム

すべて展開する

拡張機能

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2006a より前に導入

参考

関数

オブジェクト

ブロック