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IEEE 802.16-2004 OFDM PHY リンク (空間時間ブロック コードを含む)

このモデルでは、IEEE 802.16-2004 標準 [ 1 ] に準拠した WMAN (無線メトロポリタン エリア ネットワーク) の物理層のエンドツーエンドのベースバンド モデルについて示します。具体的には、OFDM ベースの物理層 (WirelessMAN-OFDM と呼ばれる) をモデル化し、すべての必須コーディングと変調オプションをサポートします。また、ダウンリンクでの使用のために指定されたオプションの送信ダイバーシティ スキーマである空間時間ブロック コード (STBC) についても説明します。最後に、非直線性増幅器の線形範囲を拡大する手法である、デジタル プリディストーションの使用方法について説明します。

例の構造

この例では、STBC のあるものとないものの 2 つのモデルについて、WMAN 802.16-2004 OFDM 物理層の主要コンポーネントを示します。どちらのモデルにもすべての必須コーディングと変調オプションが含まれます。

通信システム モデルで実行されるタスクには、次のものが含まれます。

  • OFDM シンボルの整数で構成されるダウンリンク バーストをモデル化する乱数ビット データの生成。

  • レート対応の内部たたみ込みコード (CC) と連結されたリード・ソロモン (RS) 外符号で構成される前方誤り訂正 (FEC)。

  • データ インターリーブ。

  • 指定された BPSK、QPSK、16-QAM、または 64-QAM コンスタレーションを使用した変調。

  • 192 副搬送波、8 パイロット、256 ポイント FFT、および可変サイクリック プレフィックス長を使用した直交周波数分割多重 (OFDM) 送信。

  • Alamouti コード [ 3 ] を使用した空間時間ブロック コード。この実装では、Communications System Toolbox™ の OSTBC Encoder および OSTBC Combiner ブロックを使用します。

  • バースト プリアンブルとして使用されるシングル OFDM シンボル長プリアンブル。オプションの STBC モデルの場合、2 つのアンテナがシングル シンボル プリアンブルを送信します。

  • 複数のバックオフ レベルで駆動できるオプションの無記憶非線形性。

  • 非線形性を補正するオプションのデジタル プリディストーション機能。

  • STBC モデル用の AWGN を含む多入力/単出力 (MISO) フェージング チャネル。STBC 以外のモデルの場合は、非フェージング、フラット フェージング、または周波数選択性マルチパス フェージング チャネルを選択できます。

  • 挿入されたプリアンブルを使用したチャネル推定を含む OFDM 受信機。STBC モデルの場合、これは [ 3 ] によるダイバーシティの組み合わせを意味します。

  • 硬判定復調の後のデインターリーブ、ビタビ デコード、およびリード・ソロモン デコード。

両方のモデルとも、受信機の SNR 推定に基づいた適応レート制御スキームを使用し、チャネル状況に基づいて動的にデータ転送速度を変化させます。各モデルでは、OFDM-PHY の 7 つのレートの規格が指定されたセットが使用されます。それぞれ、rate_ID (次の表 [ 1 ] を参照) によって表される特定の変調と RS-CC の符号化率に対応しています。

STBC リンク モデルは MISO フェージング チャネルを使用して 2 つの送信機、1 つの受信機 (2x1) システムをモデル化します。この例では、2 つのリンクに対してフェージング パラメーターが同一であると仮定します。Space-Time Diversity Combiner ブロックは、各リンクのチャネル推定を使用し、[ 3 ] により受信した信号を組み合わせます。組み合わせ操作はエンコーダーによって導入された直交信号を使用して単純な線形処理を行います。

さらに、どちらのモデルも、FEC、チャネル SNR、および rate_ID の後に発生したビット誤り率の測定と表示を行うブロックを含みます。Spectrum Analyzer ブロックは、OFDM 送信機出力とフェージングされた AWGN チャネル出力のスペクトルを表示します。また、散布図スコープは無記憶非線形性の出力で信号の AM/AM および AM/PM 特性を表示します。最後に、散布図スコープは受信した信号を表示し、シミュレーションが実行された場合のチャネル障害と変調適応を可視化します。

モデルのサブシステムとブロックは見やすいように色分けされています。通信システムの操作は青、制御システムと信号はオレンジ、性能評価、表示、プロットは黄色で示されます。

簡略化と前提条件

簡単にするため、この例のモデルを次のようにします。

  • 生成されるすべてのデータ バーストが定数になるように OFDM シンボルの数を設定します。その結果、指定されたどのプロファイルの場合でも Simulink のフレーム時間は同じままになります。この例では、ダウンリンク フレーム内でダウンリンク バーストのみをモデル化します。長いプリアンブルと FCH バーストはモデル化しません。

  • チャネル コーディングの一部としてデータがランダムに生成されるように指定されたランダム化はモデル化しません。ライブラリ ファイルにはこの機能を補うブロックが含まれています。

  • 送信機と受信機の間の完全な同期を仮定します。その結果、すべてのダウンリンク バーストで短いプリアンブルのみを使用します。

  • パイロット副搬送波ではなく、挿入されたプリアンブルのみを使用する受信機でチャネルを推定します。また、チャネルが急速に変化しない (または、バーストの OFDM シンボル数が定数である) と仮定します。

モデルの検証

どちらのモデルの場合も、Model Parameters コンフィギュレーション ブロックによって、チャネル帯域幅、バーストごとの OFDM シンボル数、サイクリック プレフィックス ファクターなどのシステム パラメーターを選択して指定できます。これらのパラメーター値を変えることで WiMAX Forum [ 5 ] の定義にあるようなさまざまな WiMAX プロファイルを試し、それぞれのシステム性能を測定できます。

Amplifier nonlinearity および Digital pre-distortion パラメーターを使用して非線形性とデジタル プリディストーションの状態を変えることができます。Saleh モデルは、3 つの異なるバックオフ オプションを使用して非線形性を実装します。デジタル プリディストーション機能は、経験的に決められた非線形性の AM/AM および AM/PM 特性に多項式を適合させ、信号のプリディストーションを行うルックアップ テーブルを作成します。非線形性は入力信号でゲイン圧縮を誘発するため、プリディストーションは信号に "ゲイン拡張" を適用します。そのため、複合ゲインは線形性になります。ただし、プリディストーションは AM/AM 非線形性のピークまでの入力振幅範囲でのみ有効です。入力信号振幅が増幅器に多大な飽和を引き起こす場合、プリディストーションの効果は限定的となります。

両方のモデルで適応レート制御に直接影響する場合、対象となる別のパラメーターは、Low SNR thresholds for rate control パラメーターです。このパラメーターは、7 つのレートに対応する隣り合った 7 つの SNR 範囲の境界を表す 6 要素のベクトルです。理想的には、シミュレーションは目的のビット誤り率を達成する最高スループット モードを使用しなければなりません。

変動の別の領域には両方のモデルのチャネル ブロックがあります。モデルを使用すると、信号に追加されたフェージング パラメーター [ 2 ] と AWGN 分散 (SNR モードの場合) を変えることができます。結果として、さまざまなフェージング特性 (適切な K ファクター、最大ドップラー シフト、パス数、パス ゲインを選択) で受信機がどのように動作するかを検証し、変化する SNR 値の BER 曲線を生成することができます。

結果と表示

2 つのモデルのいずれかをシミュレートすると、次のプロットが自動的に表示されます。

  • 送信信号のスペクトル プロット

  • 非線形出力での AM/AM プロット

  • 非線形出力での AM/PM プロット

  • チャネル出力での信号のスペクトル プロット

  • 復調前の受信信号の散布図

スペクトル プロットを使用して使用中のチャネル帯域幅と副搬送波間隔を検証します。良好なチャネル状況において、2、4、16、または 64 ポイントのコンスタレーションとの相似性により、散布図を使用してどの変調が使用されているかを判別します。

AM/AM および AM/PM プロットを使用して、デジタル プリディストーション機能が無記憶非線形性によって誘発される劣化をどのように補正するかを判定します。理想的には、AM/AM 曲線は線形に、AM/PM 特性は水平になります。

以下のブロックは数値結果を表示します。

  • Bit Error Rate Display ブロックは、ビット誤り率、誤り数、および処理されたビットの総数を表示します。

  • 最上位の Est. SNR (dB) 表示ブロックは、エラー ベクトル振幅に基づいた SNR の推定を表示します。Channel サブシステムの SNR ブロックは、受信した信号の強度に基づいた SNR を表示します。

  • RateID 表示ブロックは、現在使用中の特定の変調 RS-CC レートに対応した rate_ID を表示します。

使用可能な例のモデル

Communications System Toolbox 製品で使用可能な例のモデル ファイルには、次の 2 つのバージョンがあります。

STBC のある OFDM PHY ダウンリンク: commwman80216dstbc.mdlcommwman80216dstbc.mdl

STBC のない OFDM PHY ダウンリンク: commwman80216d.mdlcommwman80216d.mdl

参考文献

  1. IEEE Standard 802.16-2004, "Part 16:Air interface for fixed broadband wireless access systems," October 2004. http://ieee802.org/16/published.html

  2. IEEE 802.16 Broadband Wireless Access Working Group, "Channel models for fixed wireless applications," IEEE 802.16a-03/01, 2003-06-27.

  3. S. M. Alamouti, "A simple transmit diversity technique for wireless communications," IEEE Journal on Selected Areas in Communications, Vol. 16, No. 8, Oct. 1998, pp. 1451-1458.

  4. Carl Eklund, et.al., "WirelessMAN:Inside the IEEE 802.16 Standard for Wireless Metropolitan Area Networks," IEEE Press, 2006.

  5. J. G. Andrews, A. Ghosh and R. Muhamed, "Fundamentals of WiMAX:Understanding Broadband Wireless Networking," Prentice Hall, 2007.

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