Corner Detection

コーナーメトリクス行列の計算、およびイメージ内のコーナーの検出

ライブラリ:
Computer Vision Toolbox / Analysis & Enhancement

説明

Corner Detection ブロックは、Harris のコーナー検出法 (Harris および Stephens)、最小固有値法 (Shi および Tomasi) または局所強度比較法 (Rosten および Drummond による Accelerated Segment Test, (FAST) 法に基づく) を使用して、イメージ内のコーナーを検出します。このブロックは、コーナーメトリクス値が最も大きいピクセルに基づいてイメージ内のコーナーを検出します。

例

Detect Corners in Image

Detect corners in an image using the Corner Detection block.

モデルを開く

端子

入力

すべて展開する

I — 入力イメージ
強度値の行列

入力イメージ。強度値の行列として指定します。

出力

すべて展開する

Loc — コーナーの位置
M 行 2 列の行列

コーナーの位置。[x y] 座標の M 行 2 列の行列として返されます。M は、コーナーの数を表す、[コーナーの最大数] パラメーター以下の数値です。

依存関係

この端子を有効にするには、[出力] パラメーターを次のいずれかに設定します。

コーナー位置
コーナー位置とメトリクス行列

データ型: uint32

Count — 検出されたコーナーの数
スカラー

検出されたコーナーの数。スカラーとして返されます。

依存関係

この端子を有効にするには、ブロックパラメーターを次のように設定します。

出力: コーナー位置 | コーナー位置とメトリクス行列
可変サイズ信号の出力: off

データ型: uint32

Metric — コーナーメトリクス値
行列

コーナーメトリクス値。強度値の行列として返されます。返された行列は、入力イメージと同じサイズです。

依存関係

この端子を有効にするには、[出力] パラメーターを次のいずれかに設定します。

コーナー位置とメトリクス行列
メトリクス行列

パラメーター

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[メイン] タブ

メソッド — コーナー検出法
`Harris のコーナー検出 (Harris・Stephens)` (既定値) | `最小固有値 (Shi・Tomasi)` | `局所強度比較 (Rosten・Drummond)`

コーナー検出法を [Harris のコーナー検出 (Harris・Stephens)]、[最小固有値 (Shi・Tomasi)] または [局所強度比較 (Rosten・Drummond)] として選択します。

最も正確な結果を得るには、[最小固有値 (Shi・Tomasi)] を使用します。計算を最速で行うには、[局所強度比較 (Rosten・Drummond)] を使用します。精度と計算速度のバランスをとるには、[Harris のコーナー検出 (Harris・Stephens)] を使用します。各方法の詳細については、アルゴリズムの節を参照してください。

感度係数 (0<k<0.25) — 感度係数
0.04 (既定値) | スカラー

感度係数 k を指定します。k の値が小さいほど、アルゴリズムが鋭角のコーナーを検出できる可能性が高くなります。

調整可能: Yes

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[メソッド] パラメーターを [Harris のコーナー検出 (Harris・Stephens)] に設定します。

分離可能な平滑化フィルターの係数 — フィルター係数
fspecial('gaussian', [1 5], 1.5) (既定値) | ベクトル

平滑化フィルターで使用されるフィルター係数のベクトルを指定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[メソッド] パラメーターを次のいずれかに設定します。

Harris のコーナー検出 (Harris・Stephens)
最小固有値 (Shi・Tomasi)

強度比較のしきい値 — 強度しきい値
0.1 (既定値) | スカラー

有効な周囲ピクセルの検出に使用される強度しきい値を指定します。

調整可能: Yes

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[メソッド] パラメーターを [局所強度比較 (Rosten・Drummond)] に設定します。

コーナーとみなす最大角 (度単位) — コーナーの最大角
157.5 (既定値) | スカラー

最大コーナー角度を指定します。

調整可能: Yes

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[メソッド] パラメーターを [局所強度比較 (Rosten・Drummond)] に設定します。
このパラメーターは、シミュレーション目的でのみ調整可能です。

出力 — ブロックの出力
`コーナー位置` (既定値) | `コーナー位置とメトリクス行列` | `メトリクス行列`

ブロックの出力を [コーナー位置]、[コーナー位置とメトリクス行列] および [メトリクス行列] として指定します。

このパラメーターを [コーナー位置] または [コーナー位置とメトリクス行列] に設定すると、[コーナーの最大数]、[コーナーを示す最小のメトリクス値] および [近傍サイズ (検出されたコーナー周辺の領域の非表示)] パラメーターが表示されます。

コーナーの最大数 — コーナーの最大数
200 (既定値) | 整数

ブロックで検出するコーナーの最大数を指定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[出力] パラメーターを次のいずれかに設定します。

コーナー位置
コーナー位置とメトリクス行列

コーナーを示す最小のメトリクス値 — 最小コーナーメトリクス
0.0005 (既定値) | スカラー

コーナーメトリクス値の最小値を指定します。

調整可能: Yes

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[出力] パラメーターを次のいずれかに設定します。

コーナー位置
コーナー位置とメトリクス行列

近傍のサイズ — 近傍のサイズ
[11 11] (既定値) | 2 要素ベクトル

近傍のサイズを正の奇数の整数の 2 要素ベクトル [row, column] として指定します。ブロックはこのパラメーターを使用して、最大のコーナーメトリクス値を持つ有効なコーナーポイント周囲の領域を非表示にします。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[出力] パラメーターを次のいずれかに設定します。

コーナー位置
コーナー位置とメトリクス行列

可変サイズ信号の出力 — 可変サイズ信号
`on` (既定値) | `off`

可変サイズ信号を出力するには、このパラメーターを選択します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[出力] パラメーターを次のいずれかに設定します。

コーナー位置
コーナー位置とメトリクス行列

[データ型] タブ

固定小数点ブロックパラメーターの詳細については、ブロックの固定小数点属性の指定 (DSP System Toolbox)を参照してください。

ブロックの特性

データ型	`Boolean^a` \| `double` \| `fixed point` \| `integer` \| `single`
多次元信号	`いいえ`
可変サイズの信号	`はい`
^a このデータ型は局所強度比較メソッドに対してサポートされません。

アルゴリズム

すべて展開する

最終的なコーナー値の決定

ブロックは次のプロセスに従って、最終的なコーナー値を決定します。

コーナーメトリクス値が最も大きいピクセルを特定します。
メトリクス値が [コーナーを示す最小のメトリクス値] パラメーターに指定した値以上であることを確認します。
[近傍サイズ (検出されたコーナー周辺の領域の非表示)] パラメーターで定義したサイズを使用して、コーナー周辺領域の値を抑制します。

ブロックは、イメージ内のすべてのコーナーが検出されるか、[コーナーの最大数] パラメーターに指定したコーナー数が検出されるまで、このプロセスを繰り返します。

[最小固有値] 法および [局所強度比較] 法によって計算されるコーナーメトリクス値は、常に非負値になります。[Harris のコーナー検出] 法によって計算されるコーナーメトリクス値は、負の値になることがあります。

最小固有値法

この方法は、差分二乗和行列 M の固有値を直接計算するため、Harris のコーナー検出法と比べてより長い計算時間を要します。

差分二乗和行列 M は次のように定義されます。

$M = [\begin{matrix} A & C \\ C & B \end{matrix}]$

上記の方程式は、次の値に基づいています。

$\begin{matrix} A = {(I_{x})}^{2} \otimes w \\ B = {(I_{y})}^{2} \otimes w \\ C = {(I_{x} I_{y})}^{2} \otimes w \end{matrix}$

ここで、 $I_{x}$ と $I_{y}$ は入力イメージ I の x 方向と y 方向の勾配です。 $\otimes$ 記号は、畳み込み演算を示します。

フィルター係数のベクトルを定義するには、[分離可能な平滑化フィルターの係数] パラメーターを使用します。ブロックは、この係数のベクトルとその転置を乗算して、フィルター係数 w の行列を作成します。

ブロックは、差分二乗和行列の小さい方の固有値を計算します。この最小固有値は、コーナーメトリクス行列に対応しています。

Harris のコーナー法

Harris のコーナー検出法では、コーナーメトリクス行列 R について解くことで、差の二乗和行列の固有値の明示的な計算を回避します。

$R = A B - C^{2} - k {(A + B)}^{2}$

A、B、および C の定義については、「最小固有値法」の節を参照してください。

変数 k は感度係数に対応しています。この値は [感度係数 (0<k<0.25)] パラメーターを使用して指定できます。k の値が小さいほど、アルゴリズムが鋭角のコーナーを検出できる可能性が高くなります。

局所強度法

この方法では、N 個の隣接する有効な明るい周囲ピクセル、または N 個の隣接する暗い周囲ピクセルが含まれている場合に、ピクセルがコーナーである可能性があると判定します。

p が検討対象のピクセル、j が p の周囲ピクセルの 1 つであると仮定します。次の図では、他の周囲ピクセルの位置が影付きの領域で示されています。次の図の影付きの領域は、他の周囲ピクセルの位置を示しています。

$I_{p}$ と $I_{j}$ は、それぞれピクセル p と j の強度です。 $I_{j} - I_{p} \geq T$ であれば、ピクセル j は有効な明るい周囲ピクセルです。同様に、 $I_{p} - I_{j} \geq T$ であれば、ピクセル j は有効な暗い周囲ピクセルです。これらの方程式で、T は [強度比較のしきい値] パラメーターに指定した値です。

ブロックはこのプロセスを繰り返して、ブロックに N 個の隣接する有効な周囲ピクセルが含まれているかどうかを判定します。次の表に示すように、N の値は [コーナーとみなす最大角 (度単位)] パラメーターに指定した値に関連しています。

有効な周囲ピクセルの数と角度

有効な周囲ピクセルの数	角度 (度)
15	22.5
14	45
13	67.5
12	90
11	112.5
10	135
9	157.5

ブロックは、ピクセルがコーナーである可能性があると判定すると、次の方程式を使用してそのピクセルのコーナーメトリクスを計算します。

$R = \max (\sum_{j : I_{j} \geq I_{p} + T} | I_{p} - I_{j} | - T, \sum_{j : I_{j} \leq I_{p} - T} | I_{p} - I_{j} | - T)$

参照

[1] Harris, C. and M Stephens. “A Combined Corner and Edge Detector.” Proceedings of the 4th Alvey Vision Conference, 147-151. August 1988.

[2] Shi, J. and C. Tomasi. “Good Features to Track.” Proceedings of the IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition, 593-600. June 1994.

[3] Rosten, E. and T. Drummond. “Fusing Points and Lines for High Performance Tracking.” Proceedings of the IEEE International Conference on Computer Vision Vol. 2, 1508-1511. October 2005.

拡張機能

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

固定小数点の変換
Fixed-Point Designer™ を使用して固定小数点システムの設計とシミュレーションを行います。

以下の図は、Corner Detection ブロックで固定小数点信号に使用されるデータ型を示します。これらの図は、Harris のコーナー検出法と最小固有値法にのみ当てはまります。

次の表に、上記の図で使用されている変数をまとめています。

変数名	定義
IN_DT	入力データ型
MEM_DT	メモリデータ型
OUT_DT	メトリクス出力データ型
COEF_DT	係数のデータ型

バージョン履歴

R2007b で導入

参考

ブロック

Find Local Maxima | Estimate Geometric Transformation | Warp

関数

matchFeatures | extractFeatures | detectSURFFeatures | detectHarrisFeatures | detectFASTFeatures | detectORBFeatures | estimateGeometricTransform2D

Corner Detection

説明

例

Detect Corners in Image

端子

入力

I — 入力イメージ 強度値の行列

出力

Loc — コーナーの位置 M 行 2 列の行列

依存関係

Count — 検出されたコーナーの数 スカラー

依存関係

Metric — コーナー メトリクス値 行列

依存関係

パラメーター

メソッド — コーナー検出法 Harris のコーナー検出 (Harris・Stephens) (既定値) | 最小固有値 (Shi・Tomasi) | 局所強度比較 (Rosten・Drummond)

感度係数 (0<k<0.25) — 感度係数 0.04 (既定値) | スカラー

依存関係

分離可能な平滑化フィルターの係数 — フィルター係数 fspecial('gaussian', [1 5], 1.5) (既定値) | ベクトル

依存関係

強度比較のしきい値 — 強度しきい値 0.1 (既定値) | スカラー

依存関係

コーナーとみなす最大角 (度単位) — コーナーの最大角 157.5 (既定値) | スカラー

依存関係

出力 — ブロックの出力 コーナー位置 (既定値) | コーナー位置とメトリクス行列 | メトリクス行列

コーナーの最大数 — コーナーの最大数 200 (既定値) | 整数

依存関係

コーナーを示す最小のメトリクス値 — 最小コーナー メトリクス 0.0005 (既定値) | スカラー

依存関係

近傍のサイズ — 近傍のサイズ [11 11] (既定値) | 2 要素ベクトル

依存関係

可変サイズ信号の出力 — 可変サイズ信号 on (既定値) | off

依存関係

ブロックの特性

アルゴリズム

最終的なコーナー値の決定

最小固有値法

Harris のコーナー法

局所強度法

参照

拡張機能

C/C++ コード生成 Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

固定小数点の変換 Fixed-Point Designer™ を使用して固定小数点システムの設計とシミュレーションを行います。

バージョン履歴

参考

ブロック

関数

I — 入力イメージ
強度値の行列

Loc — コーナーの位置
M 行 2 列の行列

Count — 検出されたコーナーの数
スカラー

Metric — コーナーメトリクス値
行列

メソッド — コーナー検出法
`Harris のコーナー検出 (Harris・Stephens)` (既定値) | `最小固有値 (Shi・Tomasi)` | `局所強度比較 (Rosten・Drummond)`

感度係数 (0<k<0.25) — 感度係数
0.04 (既定値) | スカラー

分離可能な平滑化フィルターの係数 — フィルター係数
fspecial('gaussian', [1 5], 1.5) (既定値) | ベクトル

強度比較のしきい値 — 強度しきい値
0.1 (既定値) | スカラー

コーナーとみなす最大角 (度単位) — コーナーの最大角
157.5 (既定値) | スカラー

出力 — ブロックの出力
`コーナー位置` (既定値) | `コーナー位置とメトリクス行列` | `メトリクス行列`

コーナーの最大数 — コーナーの最大数
200 (既定値) | 整数

コーナーを示す最小のメトリクス値 — 最小コーナーメトリクス
0.0005 (既定値) | スカラー

近傍のサイズ — 近傍のサイズ
[11 11] (既定値) | 2 要素ベクトル

可変サイズ信号の出力 — 可変サイズ信号
`on` (既定値) | `off`

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

固定小数点の変換
Fixed-Point Designer™ を使用して固定小数点システムの設計とシミュレーションを行います。