Main Content

このページの内容は最新ではありません。最新版の英語を参照するには、ここをクリックします。

mcc

デプロイする MATLAB 関数のコンパイル

説明

mcc を使用して、MATLAB® プログラムをスタンドアロン アプリケーション、Excel® アドイン、Spark™ アプリケーション、または Hadoop® ジョブとしてパッケージ化およびデプロイできます。

MATLAB Compiler SDK™ のライセンスがある場合は、mcc を使用して C/C++ 共有ライブラリ、.NET アセンブリ、Java® パッケージ、Python® パッケージ、MATLAB Production Server™ デプロイ可能アーカイブ、または MATLAB Production Server 用 Excel アドインを作成できます。

一般的な使用方法

mcc [options] mfilename1 mfilename2 ... mfilenameN はオプションの指定に従って関数をコンパイルします。使用するオプションは、意図するコンパイル結果によって異なります。最初のファイルは、コンパイルされたアーティファクトのエントリ ポイントとして機能します。

システム コマンド プロンプトからこの構文を呼び出すこともできます。

メモ

特殊文字 (ピリオドやスペースなど) が含まれている引数は単一引用符で囲む必要があります。Windows® コマンド プロンプトから実行する場合は、二重引用符を使用します。

mcc(options,mfilename) はオプションの指定に従って関数をコンパイルします。文字ベクトルまたは string としてファイル名およびオプションを指定します。この構文では、MATLAB 変数を入力引数として使用できます。

スタンドアロン アプリケーション

mcc -m [options] mfilename は、関数をコンパイルしてスタンドアロン アプリケーションにします。実行可能ファイルのタイプは、オペレーティング システムにより決定されます。

また、関数 compiler.build.standaloneApplication ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

mcc -e [options] mfilename は、関数をコンパイルして、実行時に Windows コマンド プロンプトを開かないスタンドアロン アプリケーションにします。-e オプションは Windows オペレーティング システムでのみ機能します。

また、関数 compiler.build.standaloneWindowsApplication ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

Excel アドイン

mcc -W 'excel:addin_name,class_name,version=version_number' [options] mfilename1 mfilename2 ... mfilenameN は、指定されたファイルを使用して Microsoft® Excel アドインを作成します。Excel アドインを作成する前に、サポートされているコンパイラをインストールしてください。

Windows では Excel アドインのみを作成できます。

  • addin_name — アドインの名前を指定します。名前を指定しない場合、mccmfilename1 を既定値として使用します。

  • class_name — 作成するクラスの名前を指定します。クラス名を指定しない場合、mccaddin_name をクラス名として使用します。指定する場合、class_namemfilename1 とは異なるものでなければなりません。

  • version_number — アドイン ファイルのバージョン番号を、ファイル システムの major.minor.bug.build として指定します。バージョン番号の指定は必須ではありません。バージョン番号を指定しない場合、mcc はバージョン番号を既定で 1.0.0.0 に設定します。

    • major — メジャー バージョン番号を指定します。番号を指定しない場合、mccmajor1 に設定します。

    • minor — マイナー バージョン番号を指定します。番号を指定しない場合、mccminor0 に設定します。

    • bug— バグ修正メンテナンス リリース番号を指定します。番号を指定しない場合、mccbug0 に設定します。

    • build— ビルド番号を指定します。番号を指定しない場合、mccbuild0 に設定します。

また、関数 compiler.build.excelAddIn ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

Hadoop の MapReduce アプリケーション

Linux® のみ

mcc -W 'hadoop:archive_name,CONFIG:config_file' mfilename は、mfilename から Hadoop がジョブとして実行できるデプロイ可能なアーカイブを生成します。

Simulink シミュレーション

Simulink® Compiler™ が必要です。

mcc -m [options] mfilename は、Simulink シミュレーションを含む MATLAB アプリケーションをスタンドアロン アプリケーションにコンパイルします。詳細については、Create and Deploy a Script with Simulink Compiler (Simulink Compiler)を参照してください。

Python パッケージ

MATLAB Compiler SDK が必要です。

mcc -W python:package_name [options] mfilename1 mfilename2 ... mfilenameN は、指定されたファイルを使用して Python パッケージを作成します。

  • package_name — オプションの名前空間で始まる Python パッケージの名前を指定します。これは、companyname.groupname.component のようにピリオドで区切られたリストです。

また、関数 compiler.build.pythonPackage (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

.NET アセンブリ

mcc -W 'dotnet:assembly_name,api=api_type,class_name,framework_version,security,remote_type' [options] mfilename1 mfilename2 ... mfilenameN は、指定されたファイルを使用して単一のクラスをもつ .NET アセンブリを作成します。.NET アセンブリを作成する前に、MATLAB Compiler SDK の .NET ターゲットの要件 (MATLAB Compiler SDK)を参照してください。

  • assembly_name — オプションの名前空間で始まるアセンブリの名前を指定します。これは、companyname.groupname.component のようにピリオドで区切られたリストです。

  • api_type — アセンブリの API の型を指定します。値は matlab-data および mwarray です。既定値は mwarray です。

  • class_name — 作成する .NET クラスの名前を指定します。

  • framework_version — アセンブリのコンパイルに使用する Microsoft .NET Framework のバージョンを指定します。次のいずれかを指定してください。

    • 0.0 — ターゲット マシンでサポートされる最新バージョンを使用。

    • version_major.version_minor — 特定バージョンの Framework を使用。

    機能は、多くの場合バージョンに固有です。実装する機能のドキュメンテーションを参照し、Microsoft .NET Framework のバージョンの要件を取得してください。

  • security — 作成するアセンブリがプライベート アセンブリか共有アセンブリかを指定します。

    • プライベート アセンブリを作成するには、Private を指定。

    • 共有アセンブリを作成するには、アセンブリの署名に使用される暗号化キー ファイルへの絶対パスを指定。

  • remote_type — アセンブリのリモート処理タイプを指定します。値は remote および local です。

mcc -W 'dotnet:assembly_name,api=api_type,class_name,framework_version,security,remote_type' [options] 'class{class_name:mfilename1,mfilename2,...,mfilenameN}' は、指定されたファイルを使用して複数のクラスをもつ .NET アセンブリを作成します。引数 class{___} を追加して、追加のクラス指定子を含めることができます。

また、関数 compiler.build.dotNETAssembly (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

Java パッケージ

MATLAB Compiler SDK が必要です。

mcc -W 'java:package_name,class_name' [options] mfilename1 mfilename2 ... mfilenameN は、指定されたファイルから Java パッケージを作成します。Java パッケージを作成する前に、Java パッケージの生成環境の構成 (MATLAB Compiler SDK)を参照してください。

  • package_name — オプションの名前空間で始まる Java パッケージの名前を指定します。これは、companyname.groupname.component のようにピリオドで区切られたリストです。

  • class_name — 作成するクラスの名前を指定します。クラス名を指定しない場合、mccpackage_name 内の最後の項目を使用します。

mcc -W 'java:package_name,class_name' [options] 'class{class_name:mfilename1,mfilename2,...,mfilenameN}' は、指定されたファイルから、複数のクラスをもつ Java パッケージを作成します。引数 class{___} を追加して、追加のクラス指定子を含めることができます。

また、関数 compiler.build.javaPackage (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

C 共有ライブラリ

MATLAB Compiler SDK が必要です。

mcc -l [options] mfilename1 mfilename2 ... mfilenameN は、リストされた関数を C 共有ライブラリにコンパイルし、他のアプリケーションと統合するための C ラッパー コードを生成します。

また、関数 compiler.build.cSharedLibrary (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

C++ 共有ライブラリ

MATLAB Compiler SDK が必要です。

mcc -W 'cpplib:library_name[,{all|legacy|generic}]' [options] mfilename1 mfilename2 ... mfilenameN は、リストされた関数を C++ 共有ライブラリにコンパイルし、他のアプリケーションと統合するための C++ ラッパー コードを生成します。

  • library_name — 共有ライブラリの名前を指定します。

  • allmwArray API と MATLAB データ API を使用する汎用インターフェイスの両方を使用して、共有ライブラリを生成します。これは既定の動作です。

  • legacymwArray API を使用して共有ライブラリを生成します。

  • generic — MATLAB データ API を使用して共有ライブラリを生成します。

また、関数 compiler.build.cppSharedLibrary (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

COM コンポーネント

MATLAB Compiler SDK が必要です。

mcc -W 'com:component_name,class_name' [options] mfilename1 mfilename2 ... mfilenameN は、リストされた関数をコンパイルして汎用 Microsoft COM コンポーネントにします。

  • component_name — COM コンポーネントの名前を指定します。

  • class_name — クラスの名前を指定します。

また、関数 compiler.build.comComponent (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

mcc -W 'com:component_name,class_name' [options] 'class{class_name:mfilename1,mfilename2,...,mfilenameN}' は、指定されたファイルから、複数のクラスをもつ Microsoft COM コンポーネントを作成します。引数 class{___} を追加して、追加のクラス指定子を含めることができます。

MATLAB Production Server 用のデプロイ可能なアーカイブ

MATLAB Compiler SDK が必要です。

mcc -U -W 'CTF:archive_name[,DISCOVERY:FunctionSignatures.json][,ROUTES:ArchiveRoutes.json]' [options] mfilename1 mfilename2 ... mfilenameN は、MATLAB Production Server インスタンスで使用するためのデプロイ可能なアーカイブ (.ctf ファイル) を作成します。

  • archive_name — デプロイ可能なアーカイブの名前を指定します。

  • FunctionSignatures.json — MATLAB 関数に関する情報が含まれた JSON ファイルを指定します。絶対パスまたは相対パスとして指定します。このオプションは、ディスカバリー API を使用した RESTful クライアントにのみ関係します。詳細については、JSON での MATLAB 関数シグネチャ (MATLAB Production Server)を参照してください。

  • ArchiveRoutes.json — アーカイブ内の MATLAB Web ハンドラー関数にクライアント リクエストをマッピングする URL ルートが含まれた JSON ファイルを指定します。このオプションは、すべてのルートを routes-file (MATLAB Production Server) サーバー構成プロパティで指定されたサーバーレベルのルートファイルで定義する代わりに、デプロイ可能なアーカイブの名前でルートを整理する場合に使用します。Web リクエスト ハンドラーの詳細については、HTTP リクエスト内のカスタムのルートとペイロードの処理 (MATLAB Production Server)を参照してください。

この構文は、Microsoft Excel アドイン用のサーバー側のデプロイ可能なアーカイブ (.ctf ファイル) も作成します。

また、関数 compiler.build.productionServerArchive (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。ただし、アーカイブ固有のルートの作成はサポートされていません。

MATLAB Production ServerExcel アドイン

MATLAB Compiler SDK が必要です。

mcc -W 'mpsxl:addin_name,class_name,version' input_marshaling_flags output_marshaling_flags [options] mfilename1 mfilename2 ... mfilenameN は、指定されたファイルからクライアント側の Microsoft Excel アドインを作成します。これは、Excel から MATLAB Production Server へのリクエストの送信に使用できます。クライアント側のアドインを作成する前に、指定されたファイルからサーバー側のデプロイ可能なアーカイブ (.ctf ファイル) を作成する "必要があります"。クライアント側のアドインだけでは機能しません。

  • addin_name — アドインの名前を指定します。

  • class_name — 作成するクラスの名前を指定します。クラス名を指定しない場合、mccaddin_name を既定値として使用します。

  • versionmajor.minor として指定されているアドインのバージョンを指定します。

    • major — メジャー バージョン番号を指定します。バージョン番号を指定しない場合、mcc は最新バージョンを使用します。

    • minor — マイナー バージョン番号を指定します。バージョン番号を指定しない場合、mcc は最新バージョンを使用します。

  • input_marshaling_flagsMicrosoft Excel と MATLAB の間でデータがマーシャリングされる方法のオプションを指定します。

    • -replaceBlankWithNaNMicrosoft Excel の空白が MATLAB では NaN にマーシャリングされることを指定します。このフラグを指定しない場合、空白は 0 にマーシャリングされます。

    • -convertDateToStringMicrosoft Excel の日付が MATLAB の文字ベクトルにマーシャリングされることを指定します。このフラグを指定しない場合、日付は MATLAB の double にマーシャリングされます。

  • output_marshaling_flags — MATLAB と Microsoft Excel の間でデータがマーシャリングされる方法のオプションを指定します。

    • -replaceNaNWithZero — MATLAB の NaN が Microsoft Excel で 0 にマーシャリングされることを指定します。このフラグを指定しない場合、NaN は Visual Basic®#QNAN にマーシャリングされます。

    • -convertNumericToDate — MATLAB の数値が Microsoft Excel の日付にマーシャリングされることを指定します。このフラグを指定しない場合、Microsoft Excel は日付を出力として受け取りません。

また、関数 compiler.build.excelClientForProductionServer (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

すべて折りたたむ

スタンドアロン アプリケーションを作成し、データ ファイル data.mat を組み込みます。

MATLAB で、スタンドアロン アプリケーションとしてデプロイする MATLAB コードを見つけます。この例では、matlabroot\extern\examples\compiler にあるファイル magicsquare.m を使用してコンパイルします。

appFile = fullfile(matlabroot,'extern','examples','compiler','magicsquare.m');

MATLAB コマンド構文を使用して、appFile への参照を指定してスタンドアロン アプリケーションをビルドします。MATLAB コマンド プロンプトで、次のコマンドを使用します。

mcc('-m',appFile,'-a','data.mat','-v')

関数により、magicsquare という名前のスタンドアロン アプリケーションが生成されます。実行可能ファイルのタイプは、アプリケーションが作成されたオペレーティング システムによって異なります。

また、関数 compiler.build.standaloneApplication ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

実行時にコマンド プロンプト ウィンドウを開かないスタンドアロン アプリケーションを Windows で作成します。

mcc コマンドは、MATLAB コマンド プロンプトまたは Windows コマンド ウィンドウで使用できます。

mcc -e myapp.mlapp -o VisualApp

関数により、VisualApp という名前の Windows スタンドアロン アプリケーションが生成されます。

また、関数 compiler.build.standaloneWindowsApplication ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

システム レベル バージョン番号 5.2.1.7 を指定して、Windows で Excel アドインを作成します。

Excel アドイン ファイル (.xla) を生成するには、Excel の設定で [VBA プロジェクト オブジェクト モデルへのアクセスを信頼する] を有効にする必要があります。これを行わない場合、生成された .bas ファイルを Excel にインポートすることでアドインを手動で作成できます。

mcc -W 'excel:magicExcel,myClass,version=5.2.1.7' -b mymagic.m

関数により、magicExcel という名前の Excel アドインが生成されます。

また、関数 compiler.build.excelAddIn ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

Hadoop がジョブとして実行できる Linux システムで MapReduce アプリケーションを作成します。

作業フォルダーで、構成情報を指定する config.txt という名前の構成ファイルを作成します。

mw.ds.in.type = tabulartext
mw.ds.in.format = infoAboutDataset.mat
mw.ds.out.type = keyvalue
mw.mapper = maxArrivalDelayMapper
mw.reducer = maxArrivalDelayReducer
詳細については、mcc コマンドを使用してデプロイ可能なアーカイブを作成するための構成ファイルを参照してください。

フォルダー matlabroot/toolbox/matlab/demos にあるサンプル ファイル maxArrivalDelayMapper.mmaxArrivalDelayReducer.m、および airlinesmall.csv を作業フォルダーにコピーします。

mcc コマンドを使用してファイルをコンパイルします。

mcc -W 'hadoop:maxArrivalDelay,CONFIG:config.txt' maxArrivalDelayMapper.m maxArrivalDelayReducer.m

関数により、run_maxarrivaldelay.sh という名前のシェル スクリプト、maxArrivalDelayMapper.ctf という名前のデプロイ可能なアーカイブ、および使用の詳細が記載された Readme ファイルが生成されます。

詳細については、Hadoop ジョブに MATLAB map 関数および reduce 関数を含めるを参照してください。

Simulink シミュレーションを実行するスタンドアロン アプリケーションを作成します。

Simulink を使用して Simulink モデルを作成します。この例では、モデル sldemo_suspn_3dof を使用します。

モデルのシミュレーションに Simulink Compiler の API を使用する MATLAB アプリケーションを作成します。詳細については、Deploy Simulations with Tunable Parameters (Simulink Compiler)を参照してください。

function deployParameterTuning(outputFile, mbVariable)
 
    if ischar(mbVariable) || isstring(mbVariable)
        mbVariable = str2double(mbVariable);
    end
     
    if isnan(mbVariable) || ~isa(mbVariable, 'double') || ~isscalar(mbVariable)
        disp('mb must be a double scalar or a string or char that can be converted to a double scalar');
    end
     
    in = Simulink.SimulationInput('sldemo_suspn_3dof');   
    in = in.setVariable('Mb', mbVariable);
    in = simulink.compiler.configureForDeployment(in);
    out = sim(in);
     
    save(outputFile, 'out');
  
end

mcc を使用して、MATLAB アプリケーションからスタンドアロン アプリケーションを作成します。

mcc -m deployParameterTuning.m

関数により、deployParameterTuning という名前の実行可能ファイルが生成されます。

詳細については、Create and Deploy a Script with Simulink Compiler (Simulink Compiler)を参照してください。

MATLAB Compiler SDK が必要です。

サブフォルダー pymagic にあるファイル mymagic.m を使用して Python パッケージを作成します。

mcc -W python:magicPython pymagic/mymagic.m

関数により、magicPython という名前の Python パッケージが生成されます。

また、関数 compiler.build.pythonPackage (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

MATLAB Compiler SDK が必要です。

ファイル mymagic.m を使用して MATLAB データ API .NET アセンブリを作成します。-W 引数で名前空間、クラス名、Framework のバージョン、セキュリティ、およびリモート処理タイプを指定します。

mcc -W 'dotnet:company.group.magic,api=matlab-data,dotnetClass,0.0,Private,local' mymagic.m

関数により、magic.ctf という名前の .NET アセンブリ アーカイブが生成されます。

また、関数 compiler.build.dotNETAssembly (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

MATLAB Compiler SDK が必要です。

ファイル mymagic.m を使用して mwArray .NET アセンブリを作成します。-W 引数を使用してクラス名と Framework のバージョンを指定します。

 mcc -W 'dotnet:magic,magicClass,5.0' mymagic.m

関数により、magic.dll という名前の .NET アセンブリが生成されます。

また、関数 compiler.build.dotNETAssembly (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

MATLAB Compiler SDK が必要です。

ファイル mymagic.m を使用して Java パッケージを作成します。-W 引数を使用してクラス名と名前空間を指定します。

mcc -W 'java:company.group.javamagic,magicClass' mymagic.m

関数により、magic.jar という名前の Java パッケージが生成されます。

また、関数 compiler.build.javaPackage (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

MATLAB Compiler SDK が必要です。

ファイル mymagic.m を使用して C 共有ライブラリを作成します。

mcc -W lib:magiclibrary mymagic.m

関数により、magic.dll という名前の C 共有ライブラリが生成されます。

また、関数 compiler.build.cSharedLibrary (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

MATLAB Compiler SDK が必要です。

ファイル mda_magic.m を使用して、MATLAB データ API を使用する C++ 共有ライブラリを作成します。

mcc -W 'cpplib:matlabmagiccpp,generic' mda_magic.m

関数により、matlabmagiccpp.ctf という名前の C++ 共有ライブラリ アーカイブが生成されます。

また、関数 compiler.build.cppSharedLibrary (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

MATLAB Compiler SDK が必要です。

ファイル mwa_magic.m を使用して、mwArray API を使用する C++ 共有ライブラリを作成します。

mcc -W 'cpplib:mwarraymagiccpp,legacy' mwa_magic.m

関数により、mwarraymagiccpp.dll という名前の C++ 共有ライブラリが生成されます。

また、関数 compiler.build.cppSharedLibrary (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

MATLAB Compiler SDK が必要です。

ファイル mymagic.mdata2.m、および data2.m を使用して COM コンポーネントを作成します。class 引数を使用して、関数 magic を MagicClass という名前のクラスにマッピングし、データ関数を DataClass という名前のクラスにマッピングします。

mcc -W com:magicCOM 'class{MagicClass:mymagic.m}' 'class{DataClass:data1.m,data2.m}'

関数により、magicCOM_1_0.dll という名前の COM コンポーネントが生成されます。

また、関数 compiler.build.comComponent (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

MATLAB Compiler SDK が必要です。

ファイル mymagic.m を使用して MATLAB Production Server アーカイブを作成します。-W 引数を使用して、関数シグネチャと Web ハンドラーのルートのマッピングを定義する JSON ファイルを指定します。関数シグネチャの詳細については、JSON での MATLAB 関数シグネチャ (MATLAB Production Server)を参照してください。Web ハンドラーの詳細については、HTTP リクエスト内のカスタムのルートとペイロードの処理 (MATLAB Production Server)を参照してください。

mcc -U -W 'CTF:mps_magic,DISCOVERY:magicFunctionSignatures.json,ROUTES:magicRoutes.json' mymagic.m

関数により、mps_magic.ctf という名前のデプロイ可能なアーカイブが生成されます。

また、関数 compiler.build.productionServerArchive (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。ただし、Web リクエスト ハンドラーへのアーカイブ固有のルートのマッピングを指定する ROUTES オプションはサポートされていません。

MATLAB Compiler SDK が必要です。

ファイル mymagic.m を使用して MATLAB Production Server アーカイブを作成します。

mcc -U -W CTF:mps_magic mymagic.m

次に、MATLAB Production Server 用の Excel アドインを作成します。

Visual Basic ファイルを生成するには、Excel で [VBA プロジェクト オブジェクト モデルへのアクセスを信頼する] を有効にします。これを行わない場合、.bas ファイルを Excel にインポートすることでアドインを手動で作成できます。

mcc -W 'mpsxl:magicAddin,myExcelClass,version=1.0' mymagic.m

関数により、magicAddin という名前の Excel アドインが生成されます。

また、関数 compiler.build.excelClientForProductionServer (MATLAB Compiler SDK) ではほとんどの一般的なワークフローがサポートされています。

入力引数

すべて折りたたむ

ヒント

mcc 入力引数のテーブルをアルファベット順に表示するには、mcc コマンドの引数 (アルファベット順)を参照してください。

コンパイル対象のファイル。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。

1 つ以上のコンパイル対象のファイル。スペース区切りのファイル名のリストとして指定します。最初のファイルは、コンパイルされたアーティファクトのエントリ ポイントとして使用されます。

クラス class_name に含める 1 つ以上のファイル。コンマ区切りのファイル名のリストとして指定します。追加の引数 class{___} を追加して、複数のクラス指定子を含めることができます。この引数は COM コンポーネント、Java パッケージ、および .NET アセンブリのターゲットにのみ適用されます。

ターゲットとプラットフォーム

ビルド ターゲットおよび関連オプション。下記の構文のいずれかとして指定します。

コンパイラにより、対応する MATLAB 関数を別のプログラミング言語で実行できるようにするラッパー関数および必要なグローバル変数の定義が生成されます。このオプションは deploytool アプリで使用できません。

ターゲット構文等価のオプション
スタンドアロン アプリケーション-W 'main:app_name,version=version'-m
スタンドアロン アプリケーション (Windows コンソールなし)-W 'WinMain:app_name,version=version'-e
Excel アドイン-W 'excel:addin_name,class_name,version=version'

なし

Hadoop MapReduce アプリケーション-W 'hadoop:archive_name,CONFIG:configFile'

なし

Spark アプリケーション-W 'spark:app_name,version'

なし

次のターゲットでは MATLAB Compiler SDK が必要です。

ターゲット構文等価のオプション
C 共有ライブラリ-W 'lib:library_name'-l
C++ 共有ライブラリ-W 'cpplib:library_name[,{all|legacy|generic}]'

なし

COM コンポーネント-W 'com:component_name,class_name'

なし

.NET アセンブリ-W 'dotnet:assembly_name,api={matlab-data|mwarray},
class_name,framework_version,security,{remote|local}'

なし

Java パッケージ-W 'java:package_name,class_name'

なし

Python パッケージ-W 'python:package_name,class_name'

なし

MATLAB Production Server のデプロイ可能なアーカイブ

-W 'CTF:archive_name'

なし

MATLAB Production Server Excel アドイン

-W 'mpsxl:addin_name,class_name,version'

なし

メモ

コンマやピリオドなどの特殊文字が含まれている -W 値は単一引用符で囲む必要があります。Windows コマンド プロンプトから実行する場合は、二重引用符を使用します。

出力ターゲットの段階とタイプ。次のいずれかのオプションとして指定します。指定しない場合、mcc-W オプションで指定されたターゲットの既定のタイプを使用します。

ターゲット説明
compile:exeC/C++ ラッパー ファイルを生成し、C/C++ ファイルをスタンドアロン アプリケーションへのリンクに適したオブジェクト形式にコンパイルします。
compile:libC/C++ ラッパー ファイルを生成し、C/C++ ファイルを共有ライブラリまたは DLL へのリンクに適したオブジェクト形式にコンパイルします。
link:execompile:exe と同じですが、さらにオブジェクト ファイルをスタンドアロン アプリケーションにリンクします。
link:libcompile:lib と同じですが、さらにオブジェクト ファイルを共有ライブラリまたは DLL にリンクします。

例: -T link:lib

arch で指定されたプラットフォームを、コンパイラで自動的に検出された互換性のあるプラットフォームのリストに追加します。有効なプラットフォームは win64maci64glnxa64 および all です。Apple シリコンベースの macOS (maca64) はサポートされていません。

-A オプションは、Python、Java、および C++ MATLAB データ API の各ターゲットにのみ適用されます。

互換性のないプラットフォームでコンポーネントを実行すると、サポートされていないプラットフォームのエラー メッセージが表示され、互換性のあるプラットフォームがリストされます。

オプション バンドル ファイルを指定します。ここで、bundle は一連の mcc コマンド ライン オプション、引数、ファイル名、その他の -B オプションが含まれているファイルの名前です。MathWorks® が含めたバンドル ファイルは matlabroot\toolbox\compiler\bundles にあります。

バンドルは、コンパイラ オプションの名前やバージョン番号のパラメーターの置き換えを含むことができます。複数のパラメーターを渡す場合は、-B の後の式を単一引用符で囲む必要があります。たとえば、mcc -B 'cexcel:component,class,1.0' ... のようにします。

一般的に、バンドル内の各 %n% は、バンドルに指定された対応するオプションに置き換えられます。リテラル文字 % を含める場合は、%% を使用します。バンドルに渡すオプションが多すぎるのも少なすぎるのも誤りです。詳細については、Using Bundles to Build MATLAB Code (MATLAB Compiler SDK)を参照してください。

使用可能なバンドル ファイル

バンドル ファイル

ターゲット内容
ccom

COM コンポーネント

-W com:%1%,%2%,%3% -T link:lib
cexcel

Excel アドイン

-W excel:%1%,%2%,%3% -T link:lib -b -S
cjava

Java パッケージ

-W java:%1%,%2%
cmpsxlMATLAB Production Server 用 Excel アドイン-W mpsxl:%1%,%2%,%3% -T link:lib
cpplib

C++ ライブラリ

-W cpplib:%1% -T link:lib
csharedlib

C ライブラリ

-W lib:%1% -T link:lib
dotnet

.NET アセンブリ

-W dotnet:%1%,%2%,%3%,%4%,%5% -T link:lib

スタンドアロン アプリケーション

スタンドアロン アプリケーションを生成します。-m-W main -T link:exe と等価です。Windows では、アプリケーションの実行時にコマンド プロンプトが開きます。

このオプションは deploytool アプリで使用できません。

実行時に Windows コマンド プロンプトを開かないスタンドアロンの Windows アプリケーションを生成します。-e-W WinMain -T link:exe と等価です。

このオプションは Windows オペレーティング システムでのみ機能します。このオプションは deploytool アプリで使用できません。

スタンドアロン アプリケーションの最終的な実行可能ファイルの名前を指定します。指定した名前には、プラットフォームによって決まる適切な拡張子が追加されます (たとえば Windows スタンドアロン アプリケーションでは .exe)。

例: -o myexecutable

スタンドアロン アプリケーションの実行可能ファイルにアイコン リソースを追加します。パスは現在の作業ディレクトリを基準とした相対パス、または絶対パスにできます。

例: -r path\to\icon.ico

コマンド ライン入力を MATLAB double として解釈します。このオプションを指定しなかった場合、コマンド ライン入力は MATLAB 文字ベクトルとして扱われます。

Excel アドインと COM コンポーネント

Visual Basic ファイル (.bas) および Excel アドイン ファイル (.xla) を生成します。.bas ファイルには、MATLAB Compiler で生成された COM オブジェクトに対応する Microsoft Excel の数式関数インターフェイスが含まれています。この Visual Basic コードをワークブックにインポートすると、MATLAB 関数をセル数式関数として使用できます。

メモ

Excel アドイン ファイル (.xla) を生成するには、Excel の設定で [VBA プロジェクト オブジェクト モデルへのアクセスを信頼する] を有効にする必要があります。

開発マシンのみにおいて、現在のユーザーに対する COM コンポーネントを登録します。この引数は汎用 COM コンポーネントと Microsoft Excel アドインのターゲットにのみ適用されます。

C 共有ライブラリ

C 共有ライブラリを生成します。-l-W lib -T link:lib と等価です。このオプションは deploytool アプリで使用できません。

生成された C ラッパー コードのコンパイルとリンクを抑制します。-c オプションは、-l オプションから独立して使用することはできません。

MATLAB Production Server

MATLAB Production Server アーカイブ (.ctf ファイル) を生成します。この引数は mfilename の前に配置する必要があり、オプション -W 'CTF:archive_name' も指定する必要があります。

追加ファイル

ファイルまたはフォルダーをデプロイ可能なアーカイブに追加します。ファイル パスは相対パス、または絶対パスにできます。追加の詳細については、パッケージ化されたアプリケーションでのファイルへのアクセスを参照してください。

複数のファイルを追加するには、複数の -a オプションを使用し、フォルダーを指定するか、ワイルドカードを使用します。

-a オプションでフォルダー名を指定した場合、そのフォルダーのすべてのファイルがデプロイ可能なアーカイブに再帰的に追加されます。たとえば、

mcc -m hello.m -a ./testdir 

は、testdir 内のすべてのファイルとそのサブフォルダー内のすべてのファイルがデプロイ可能なアーカイブに追加されるよう指定します。testdir 内のフォルダー サブツリーはデプロイ可能なアーカイブ内で保持されます。

ファイル名にワイルドカード パターン (*) が含まれる場合、フォルダー内でパターンに一致するファイルのみがデプロイ可能なアーカイブに追加され、指定したパスのサブフォルダーは再帰的に処理されません。たとえば、次のコマンドでは、./testdir のすべてのファイルがデプロイ可能なアーカイブに追加され、./testdir のサブフォルダーは再帰的に処理されません。

mcc -m hello.m -a ./testdir/*

次のコマンドでは、./testdir にあり、拡張子が .m であるすべてのファイルが追加され、./testdir のサブフォルダーは再帰的に処理されません。

mcc -m hello.m -a ./testdir/*.m

Java クラスの組み込み

カスタム Java クラスを含めるために -a フラグを使用する場合、Java クラスがパッケージのメンバーではない限り、スタンドアロン アプリケーションは classpath を変更しなくても動作します。これは JAR ファイルにもあてはまります。ただし、追加するクラスがパッケージのメンバーである場合、パッケージの親フォルダーの classpath を更新するために、MATLAB コードで javaaddpath を正しく呼び出す必要があります。

カスタム ヘルプ テキスト ファイルを追加します。パスは現在の作業ディレクトリを基準とした相対パス、または絶対パスにできます。このオプションはスタンドアロン アプリケーション、C/C++ 共有ライブラリ、COM、Excel の各ターゲットが該当します。

コマンド ラインで -? または /? 引数を指定し、アプリケーションを呼び出して、ヘルプ ファイルの内容を表示します。

例: -h path\to\helpfile

依存関係の分析時に共通の MATLAB ファイル I/O 関数によって読み取られるデータ ファイルを除外します。-X オプションの使用方法の例は、%#exclude を参照してください。詳細については、MATLAB Compiler を使用した依存関係の分析を参照してください。

デプロイ可能なアーカイブにサポート パッケージを追加する方法を以下のいずれかのオプションとして指定します。

構文説明
-Z autodetect依存関係の分析プロセスにより、必要なサポート パッケージが自動的に検出され、含められます。これは mcc の既定の動作です。
-Z noneサポート パッケージは含められません。このオプションを使用すると、ランタイム エラーの原因となる可能性があります。
-Z 'packagename'指定されたサポート パッケージのみが含められます。複数のサポート パッケージを指定するには、複数の -Z 入力を使用します。

例: -Z 'Deep Learning Toolbox Converter for TensorFlow Models'

mcc ビルド オプション

指定したフォルダー outputfolder にビルド出力を置きます。パスは現在のディレクトリを基準とした相対パス、または絶対パスにできます。

デプロイ可能なアーカイブをバイナリに組み込みません。このオプションは Java ライブラリでは無視されます。

指定したファイル licensefile で既定のライセンス ファイルをオーバーライドします。このオプションは、システム コマンド ラインでのみ使用できます。

コンソールで mcc ヘルプ テキストを表示します。このオプションは、deploytool アプリでは使用できません。

ソース コードの保護

R2022b 以降

.m ファイルを難読化します。このオプションは、パッケージ化前に、mcc コマンドに含まれる各 .m ファイルに対して、.p 拡張子の付いた P コード ファイルを生成します。

P コードファイルは、MATLAB コードを難読化した、実行のみの形式です。詳細については、pcode を参照してください。

R2022b 以降

AES 暗号化キーと、実行時に復号化キーを取得するための MEX ファイルのローダー インターフェイスを指定します。

キー ファイルは、サポートされている次のいずれかの形式でなければなりません。

  • バイナリ 256 ビットの AES キー、32 バイトのファイル サイズ

  • 16 進数でエンコードされた AES キー、64 バイトのファイル サイズ

ローダー MEX ファイルは、次の引数をもつインターフェイスでなければなりません。

  • prhs[0] — 入力、固定値 'get' として指定される char 配列

  • prhs[1] — 入力、CTF コンポーネント UUID として指定される char 配列

  • plhs[0] — 出力、キーの形式に応じて 32 バイトの UINT8 数値配列または 64 バイトの 16 進数でエンコードされた char 配列

複数の CTF で同じキーを共有することは避けてください。

-k の後に引数を指定しないと、mcc はデモンストレーション目的で使用できる 256 ビットの AES キーとローダー MEX ファイルを生成します。

C++ 共有ライブラリについては、コンパイル時にキーと MEX ローダーの両方を指定する代わりに、暗号化キーのみを指定できます (R2023b 以降)。その後、MATLAB データ API を使用する場合は関数 initMATLABLibrary (MATLAB Compiler SDK)、MWArray API を使用する場合は関数 <library>InitializeWithKey (MATLAB Compiler SDK) の引数として、実行時に C++ アプリケーションで 16 進数でエンコードされた 64 バイトの復号化キーを提供します。このワークフローの構文は -k '<keyfile>' です。

例: -k 'file=path\to\encryption.key;loader=path\to\loader_interface.mexw64'

R2021b 以降

エンド ユーザーからのデプロイ可能なアーカイブ (.ctf ファイル) 内でフォルダー構造とファイル名を難読化します。オプションで追加のファイル タイプを暗号化します。

-s オプションは、.m ファイル、.mlapp ファイル、.p ファイル、v7.3 .mat ファイル、MLX ファイル、SFX ファイル、および MEX ファイルに含まれるユーザー コードとデータを CTF 内のユーザー パッケージに配置するよう mcc に指示します。実行時に、MATLAB コードとデータはファイル システムに抽出されるのではなく、ユーザー パッケージから直接復号化されて読み込まれます。MEX ファイルは、一時的にユーザー パッケージから抽出されてから、読み込まれます。

追加のファイル タイプをユーザー パッケージに手動で含めるには、それぞれのファイル タイプを個別の拡張子タグでファイル matlabroot/toolbox/compiler/advanced_package_supported_files.xml に追加します。

以下はサポートされていません。

  • 関数 ver

  • DLL などの外部ライブラリの呼び出し

  • アウトプロセスの MATLAB Runtime (MATLAB データ配列の C++ 共有ライブラリ)

  • アウトプロセスでの MEX ファイルの実行 (mexhostfevalmatlab.mex.MexHost)

MATLAB Runtime

初期化時にアプリケーションに渡される MATLAB Runtime のオプションを提供します。このオプションは、スタンドアロン アプリケーションまたは Excel アドインをビルドする場合にのみ使用します。

-R オプションは複数指定できます。複数の -R オプションを指定すると、左から右に向かって順番に処理されます。たとえば、初期化の開始および終了のメッセージを指定します。

mcc -R '-startmsg,MATLAB Runtime initialized' -R '-completemsg,Initialization complete'

オプション

説明

ターゲット

'-logfile,filename'

ログ ファイル名を指定します。このファイルは実行時にアプリケーション フォルダー内に作成されます。これには MATLAB Runtime の初期化に関する情報と、コマンド ウィンドウにパイプされているすべてのテキストが含まれます。オプションは一重引用符で囲まなければなりません。Windows コマンド プロンプトからコマンドを実行する場合は、二重引用符を使用します。

MATLAB Compiler

-nodisplay

MATLAB nodisplay の実行時警告を抑制します。Linux で、MATLAB Runtime を表示機能なしで開きます。

MATLAB Compiler

-nojvm

Java 仮想マシン (JVM) を使用しません。

MATLAB Compiler

'-startmsg,message'

初期化開始時にカスタマイズ可能なユーザー メッセージを表示します。詳細については、MATLAB Runtime の初期化メッセージの表示を参照してください。

MATLAB Compiler スタンドアロン アプリケーション

'-completemsg,message'

初期化完了時にカスタマイズ可能なユーザー メッセージを表示します。詳細については、MATLAB Runtime の初期化メッセージの表示を参照してください。

MATLAB Compiler スタンドアロン アプリケーション

-singleCompThread

MATLAB を単一の計算スレッドに制限します。

MATLAB Compiler

-softwareopenglレンダリングに Mesa Software の OpenGL® を使用します。

MATLAB Compiler

注意

macOS 上での実行時に、mclInitializeApplication に含めるオプションの 1 つとして -nodisplay を使用する場合、mclInitializeApplication の呼び出しは mclRunMain の呼び出しよりも前になければなりません。

すべてのクラス インスタンスで共有される単一の MATLAB Runtime インスタンスを作成します。

MATLAB Runtime の標準動作では、クラスの各インスタンスが固有の MATLAB Runtime コンテキストを取得します。このコンテキストには、パスなどの変数に対応するグローバル MATLAB ワークスペースと、クラス内の各関数に対応するベース ワークスペースが含まれます。1 つのクラスをもつインスタンスが複数作成された場合、各インスタンスは独自のコンテキストを取得します。これにより、該当クラスの 1 つのインスタンスにおいてグローバル ワークスペースまたはベース ワークスペースに行われた変更が、同じクラスの別のインスタンスに影響しないようになります。

シングルトン MATLAB Runtime では、1 つのクラスのすべてのインスタンスがコンテキストを共有します。1 つのクラスに複数のインスタンスが作成される場合、それらのインスタンスは最初のインスタンスによって生成されたコンテキストを使用するため、起動時間と一部のリソースが節減されます。ただし、1 つのインスタンスによりグローバル ワークスペースまたはベース ワークスペースに行われた任意の変更は、すべてのクラス インスタンスに影響します。たとえば、シングルトン MATLAB Runtimeinstance1 がグローバル変数 A を作成した場合、instance2 は変数 A を使用できます。

次の特定のターゲットでは、シングルトン MATLAB Runtime のみがサポートされます。

シングルトン MATLAB Runtime がサポートするターゲット使用手順
Excel アドインシングルトン MATLAB Runtime が既定の動作です。行わなければならないその他の手順はありません。
.NET アセンブリシングルトン MATLAB Runtime が既定の動作です。行わなければならないその他の手順はありません。
COM コンポーネント
  • ライブラリ コンパイラ アプリを使用して、[設定] をクリックし、[MCC に渡される追加パラメーター] フィールドに -S を追加します。

  • mcc を使用して -S フラグを渡します。

Java パッケージ
MATLAB Compiler 検索パス

依存関係の分析時に MATLAB Compiler が使用する検索パスに新しいフォルダーを追加します。各 -I オプションは、パスのリストの末尾にフォルダーを追加します。たとえば、以下の構文は、MATLAB ファイルが最初に directory1 で検索され、次に directory2 で検索されるように検索パスを設定します。

-I <directory1> -I <directory2>

このオプションは、MATLAB パスが利用できないコンパイル環境で重要です。

-N オプションと併用する場合、-I オプションはフォルダーをコンパイル パスの先頭ではなく、MATLAB パス内で表示された場所と同じコンパイル パス内の場所に追加します。

以下のコア フォルダーを除く、すべてのフォルダーの検索パスを消去します (このリストは将来変更の可能性があります)。

  • matlabroot\toolbox\matlab

  • matlabroot\toolbox\local

  • matlabroot\toolbox\compiler

  • matlabroot\toolbox\shared\bigdata

-N を指定すると、このリストのサブフォルダーもすべて保持され、コンパイル時に MATLAB パスに表示されます。このオプションにより、オリジナルのパスでフォルダーを置き換えることができます。一方で、パスに含まれているフォルダーの相対的な順序は保持されます。オリジナルのパスに含まれるフォルダー内のすべてのサブフォルダーも含まれます。さらに、-N オプションは、matlabroot\toolbox の下位にないパスで含めたすべてのフォルダーも保持します。

–N オプションを使用するときに、コンパイル パスの先頭に配置されるフォルダーを強制的に含めるには、–I を使用します。条件付きでフォルダーおよびサブフォルダーを含めるようにするには、–p オプションを使用します。フォルダーおよびサブフォルダーが MATLAB パスにある場合、コンパイル パス内に同じ順序で表示されます。

matlabroot\toolbox にある特定のフォルダーとサブフォルダーを MATLAB のコンパイル パスに条件付きで追加します。ファイルは MATLAB パス上の表示と同じ順序で追加されます。このオプションは、オプション -N と共に使用する必要があります。

構文 -N -p directory を使用します。ここで、directory は含めるフォルダーの相対パスまたは絶対パスです。

  • オリジナルの MATLAB パス上に存在するフォルダーを -p で指定した場合、オリジナル パス上のフォルダーとすべてのサブフォルダーは、オリジナルのパスと同じ順序でコンパイル パスに追加されます。

  • オリジナルの MATLAB パス上にないフォルダーを -p で指定した場合、そのフォルダーは無視されます。(このフォルダーを強制的に含めるには -I を使用します)。

mbuild のオプション

mbuild を呼び出すときのオプション ファイルとして filename を指定します。このオプションは、コンパイラの別の呼び出しに対して別の ANSI コンパイラを使用できるようにする、mbuild へのダイレクト パス スルーです。

このオプションは具体的には、C/C++ 共有ライブラリ、COM、Excel の各ターゲットに適用されます。

mbuild コンパイル時のオプションを定義します。options 引数は mbuild に直接渡されます。たとえば -M "-Dmacro=value" のように、このオプションはコンパイル時のオプションを定義するための方法を提供します。

メモ

-M オプションを複数指定することはできません。複数指定した場合、最も右にある -M オプションのみが使用されます。

/bigobj などのオプションを渡すには、プラットフォームに応じて文字列を記述します。

プラットフォーム構文

MATLAB

-M 'COMPFLAGS=$COMPFLAGS /bigobj'
Windows コマンド プロンプト
-M COMPFLAGS="$COMPFLAGS /bigobj"

Linux および macOS のコマンド プロンプト

-M CFLAGS='$CFLAGS /bigobj'

複素数表現

R2018a 以降、MATLAB では、各数値の実数部と虚数部を一緒に格納するインターリーブされた格納表現を使用しています。ただし、mcc コマンドを使用して mxArray に基づく C 共有ライブラリまたは mwArray に基づく C++ 共有ライブラリを生成する場合、それらのライブラリは既定では実数/虚数分離型格納表現になり、この表現がパフォーマンス低下の原因になることがあります。

これらの共有ライブラリでインターリーブされた表現を使用するには、-M R2018a オプションを使用します。

C++ 共有ライブラリを生成する際の最適な方法としては、インターリーブされた格納表現をもともと使用する C++ 用の MATLAB データ配列を選択します。

mcc で生成された共有ライブラリを mbuild (MATLAB Compiler SDK) コマンドを使用して統合するときは、フラグが一致しなければなりません。mcc コマンドに -M -R2018a を渡している場合は、mbuild-R2018a を渡す必要があります。

デバッグ

MATLAB Compiler SDK で生成した C/C++ コード用のデバッグ シンボル情報を含めます。このオプションによって、mbuild からシステムの C/C++ コンパイラへ適切なデバッグ フラグも渡されます。このデバッグ オプションを使用すると、MATLAB Runtime の初期化、関数呼び出し、または終了ルーチンのいずれでエラーが発生したかを特定できる箇所まで戻ることができます。このオプションでは、C/C++ デバッガーで MATLAB ファイルをデバッグすることはできません。

エラーによってコンパイルが途中で終了した場合に、部分出力ファイルを保持します。

mcc の既定の動作では、コマンドが正常に実行されない場合はすべての部分出力が破棄されます。

詳細な出力を表示します。出力には次の内容を含むコンパイル手順が表示されます。

  • MATLAB Compiler のバージョン番号

  • 処理されるソース ファイル名

  • 生成する出力ファイル名

  • mbuild の起動

また、-v オプションは mbuild-v オプションを渡し、mbuild に関する情報を示します。

警告メッセージの表示を制御します。

構文

説明

-w list

コンパイル時警告のリストを表示します。この警告には、識別子の短縮形とそのステータスが含まれます。

-w enable[:<warning>]

<warning> に関連付けられた特定のコンパイル時警告を有効にします。すべてのコンパイル時警告に enable アクションを適用するには、オプションの <warning> を省略します。

-w disable[:<warning>]

<warning> に関連付けられた特定のコンパイル時警告を無効にします。すべてのコンパイル時警告に disable アクションを適用するには、オプションの <warning> を省略します。

-w error[:<warning>]

<warning> に関連した特定のコンパイル時警告と実行時警告をエラーとして扱います。すべてのコンパイル時警告と実行時警告に error アクションを適用するには、オプションの <warning> を省略します。

-w on[:<warning>]

<warning> に関連付けられた実行時警告をオンにします。すべての実行時警告に on アクションを適用するには、オプションの <warning> を省略します。このオプションは既定で有効になっています。

-w off[:<warning>]

<warning> で定義された特定のエラー メッセージに対して実行時警告をオフにします。すべての実行時警告に off アクションを適用するには、オプションの <warning> を省略します。

<warning> 引数は、Compiler:compiler:COM_WARN_OPTION_NOJVM などの完全な識別子または -w list でリストした識別子の短縮形のいずれかにすることができます。

警告の発生後に MATLAB コードで次のステートメントを発行することで、警告に対応する完全な識別子を表示できます。

[msg, warnID] = lastwarn

複数の -w オプションを指定すると、左から右に向かって順番に処理されます。

たとえば、repeated_file 以外のすべての警告を無効にします。

-w disable -w enable:repeated_file

グローバルに警告をオンまたはオフに設定することもできます。たとえば、すべてのデプロイされたアプリケーションに対する警告をオフにするには、isdeployed を使用して startup.m で以下を指定します。

if isdeployed
    warning off
end

制限

  • mcc では Web アプリを作成できません。Web アプリを作成するには、Web アプリ コンパイラ アプリまたは関数 compiler.build.webAppArchive を使用します。

  • mcc を使用して、Linux 環境として機能する MATLAB Online Server™ のコンポーネントをビルドできます (R2022b 以降)。Java、C++、COM コンポーネントなど、外部コンパイラを必要とするターゲットをビルドするには、必要なツールチェーンを実行するように MATLAB Online Server ワーカーを設定する必要があります。

ヒント

  • Windows では、mcc 構文を生成するターゲットに version=version_number を追加することにより、ターゲット ファイルのシステム レベル ファイルのバージョン番号を生成できます。例については、Excel アドインの作成 (Windows のみ)を参照してください。

    version_number — ターゲット ファイルのバージョンを、ファイル システムの major.minor.bug.build として指定します。バージョン番号の指定は必須ではありません。バージョン番号を指定しない場合、mcc はバージョン番号を既定で 1.0.0.0 に設定します。

    • major — メジャー バージョン番号を指定します。バージョン番号を指定しない場合、mccmajor1 に設定します。

    • minor — マイナー バージョン番号を指定します。バージョン番号を指定しない場合、mccminor0 に設定します。

    • bug— バグ修正メンテナンス リリース番号を指定します。バージョン番号を指定しない場合、mccbug0 に設定します。

    • build — ビルド番号を指定します。バージョン番号を指定しない場合、mccbuild0 に設定します。

    この機能は、スタンドアロン アプリケーションと、MATLAB Compiler の Excel アドインでサポートされています。

    この機能は、MATLAB Compiler SDK の C 共有ライブラリ、C++ 共有ライブラリ、COM コンポーネント、.NET アセンブリ、および MATLAB Production Server 用 Excel アドインでサポートされています。

バージョン履歴

R2006a より前に導入