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ウィシャート分布

概要

ウィシャート分布は、2 またはより多くの変数に対する一変量カイ二乗分布の汎化です。これは、対称半正定値行列に対する分布です。通常は、共分散行列で、対角要素はそれぞれカイ二乗分布の確率変数です。カイ二乗分布と同じように、完全に同じように分布している、平均ゼロの一変量正規確率変数の和で作成できます。ウィシャート分布は、独立の、完全に同じように分布している、平均ゼロの多変量正規乱数のベクトルの内積の和で作成できます。ウィシャート分布は、標本のサイズでスケーリングされた後、多変量正規乱数データに対する標本の共分散行列の分布のモデルとして多くの場合使用されます。

ランダムな行列生成のみをウィシャート分布に使用できます (特異および正則の Σ の両方を含む)。

パラメーター

ウィシャート分布は、対称半正定値行列 Σ と正のスカラーの自由度パラメーター ν でパラメーター表現されます。ν は、一変量カイ二乗分布の自由度パラメーターの次数に似ていて、Σν は分布の平均です。

確率密度関数

d-次元ウィシャート分布の確率密度関数は、次の式で表されます。

y = f(ΧΣν) = |Χ|((ν-d-1)/2)e(-12trace(Σ1Χ))2(νd)/2π(d(d-1))/4||ν/2Γ(ν/2)...Γ(ν-(d-1))/2

ここで、"X" と Σ は "d""d" 列の対称な正定値行列、v は "d" – 1 より大きいスカラーです。特異な Σ にはウィシャート分布を定義できますが、密度を上記のようには記述できません。

二変量の正規乱数ベクトル x が、平均がゼロで次の共分散行列

Σ=(1.5.52)

をもつ場合、ウィシャート分布を使って、x を明示的に作成せずに、標本の共分散行列を作成できます。自由度が小さい場合、標本の変動がどれほど大きいかに注目してください。

Sigma = [1 .5; .5 2];
df = 10; S1 = wishrnd(Sigma,df)/df

S1 =
       1.7959      0.64107
      0.64107       1.5496

df = 1000; S2 = wishrnd(Sigma,df)/df

S2 =
       0.9842      0.50158
      0.50158       2.1682

参考

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