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RegressionLinear Predict ブロックの使用による応答の予測

R2023a 以降

この例では、RegressionLinear Predictブロックを Simulink® の応答予測に使用する方法を示します。このブロックは、観測値 (予測子データ) を受け入れて、学習済みの回帰線形モデルを使用することにより、その観測値の予測された応答を返します。

回帰モデルの学習

次のモデルにより、10,000 個の観測値をシミュレートします。

y=x100+2x200+e.

  • X=x1,...,x1000 は、10% の要素が非ゼロ標準正規である 10,000 行 1000 列のスパース行列です。

  • "e" は、平均が 0、標準偏差が 0.3 のランダムな正規誤差です。

rng("default") % For reproducibility
n = 1e4;
d = 1e3;
nz = 0.1;
X = sprandn(n,d,nz);
Y = X(:,100) + 2*X(:,200) + 0.3*randn(n,1);

データの 90% が観測され、残りは見当たらないものと仮定します。現在の標本と将来の標本にデータを分割します。

c = cvpartition(n,Holdout=0.1);
idxPrsnt = training(c);
idxFtr = test(c);

prsntX = X(idxPrsnt,:);
prsntY = Y(idxPrsnt);
ftrX = X(idxFtr,:);
ftrY = Y(idxFtr);

線形回帰モデルに学習させます。

linearMdl = fitrlinear(prsntX,prsntY);

linearMdlRegressionLinearモデルです。

Simulink モデルの作成

この例では、RegressionLinear Predictブロックを含む Simulink モデル slexRegressionLinearPredictExample.slx が用意されています。この節の説明に従って、この Simulink モデルを開くことも、新しいモデルを作成することもできます。

Simulink モデル slexRegressionLinearPredictExample.slx を開きます。

SimMdlName = "slexRegressionLinearPredictExample"; 
open_system(SimMdlName)

Simulink モデルを開くと、Simulink モデルを読み込む前に、ソフトウェアがコールバック関数 PreLoadFcn のコードを実行します。slexRegressionLinearPredictExample のコールバック関数 PreLoadFcn には、学習済みモデルの変数 linearMdl がワークスペースにあるかどうかをチェックするコードが含まれています。ワークスペースに変数がない場合、PreLoadFcn は標本データを読み込み、線形モデルに学習させ、Simulink モデルの入力信号を作成します。コールバック関数を表示するには、[モデル化] タブの [設定] セクションで、[モデル設定] をクリックし、[モデル プロパティ] を選択します。次に、[コールバック] タブで、[モデルのコールバック] ペインのコールバック関数 PreLoadFcn を選択します。

新しい Simulink モデルを作成するには、[空のモデル] テンプレートを開き、RegressionLinear Predict ブロックを追加します。Inport ブロックと Outport ブロックを追加して、それらを RegressionLinear Predict ブロックに接続します。

RegressionLinear Predict ブロックをダブルクリックして、[ブロック パラメーター] ダイアログ ボックスを開きます。学習済みの線形モデルを含むワークスペース変数の名前を指定します。既定の変数名は linearMdl です。[更新] ボタンをクリックします。ダイアログ ボックスの [学習済みの機械学習モデル] に、線形モデル linearMdl の学習に使用されるオプションが表示されます。

Simulink モデルの構造体配列の形式で、入力信号を作成します。構造体配列には、次のフィールドが含まれていなければなりません。

  • time — 観測値がモデルに入力された時点。この例では、期間に 0 ~ nftrX - 1 の整数を含めます。ここで、nftrX は入力データ内の標本の数です。方向は予測子データ内の観測値に対応しなければなりません。したがって、この場合は time が列ベクトルでなければなりません。

  • signalsvalues フィールドと dimensions フィールドが含まれている、入力データを説明する 1 行 1 列の構造体配列。values は予測子データの行列、dimensions は予測子変数の個数です。

スパース行列 ftrX を非スパースのストレージ構造に変換した後の将来の行列の標本用に、関数fullを使用して適切な構造体配列を作成します。

[nftrX,p] = size(ftrX);
inputStruct.time = (1:nftrX)' - 1;
inputStruct.signals(1).values = full(ftrX);
inputStruct.signals(1).dimensions = p;

ワークスペースから信号データをインポートするには、次を実行します。

  • [コンフィギュレーション パラメーター] ダイアログ ボックスを開く。[モデル化] タブで、[モデル設定] をクリック。

  • [データのインポート/エクスポート] ペインで [入力] チェック ボックスをオンにし、隣のテキスト ボックスに「inputStruct」と入力。

  • [ソルバー] ペインの [シミュレーション時間] で、[終了時間]inputStruct.time(end) に設定。[ソルバーの選択] で、[タイプ]Fixed-step に、[ソルバー]discrete (no continuous states) に設定。[ソルバーの詳細] で、Fixed-step size を 1 に設定。これらの設定により、inputStruct の各標本についてのシミュレーションをモデルで実行できます。

詳細は、シミュレーションのための信号データの読み込み (Simulink)を参照してください。

モデルをシミュレートします。

sim(SimMdlName);

Inport ブロックでは、観測値を検出すると、その観測値を RegressionLinear Predict ブロックに送ります。シミュレーション データ インスペクター (Simulink)を使用して、Outport ブロックのログ データを表示できます。

参考

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