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レート変換の関連付け

一般的に、レート変換はサンプル時間が異なる場合、つまり、サンプル時間のベクトル成分のいずれかが異なる場合に 2 つのブロック間に存在します。例外は次のとおりです。

  • 定数値を出力するブロックがその他のレートとのレート変換をもつことはありません。

  • 固定ステップ ソルバーを使用している場合、連続サンプル時間 (黒) と最速離散レート (赤) はレート変換を決してもちません。

  • 可変サンプル時間およびマイナー ステップに固定されているサンプル時間はレート変換をもちません。

レート変換を手動で解決するには、レート変換ブロックを挿入し、2 つの診断ツールを使用します。シングル タスク実行モードでは、[シングルタスク データ転送] の診断により、Simulink® レート変換メッセージのレベルを設定できます。[マルチタスク データ転送] の診断は、マルチタスク実行モードに対して同じ機能を提供します。これらの実行モードは使用中のソルバーのタイプに直接関係しています。可変ステップ ソルバーは常にシングルタスクで、固定ステップ ソルバーはシングルタスクまたはマルチタスクとして明示的に設定されます。

自動レート変換

Simulink は、ブロック線図の更新時にマルチタスク モデルで一致しないレート変換を検出し、自動的に Rate Transition ブロックを挿入して、これを処理します。これを有効にするには、モデル コンフィギュレーション パラメーターの [ソルバー] ペインで [データ転送に対するレート変換を自動的に取り扱う] を選択します。このオプションは既定でオフに設定されています。このオプションを選択すると、以下の処理が行われます。

  • Simulink は、周期的なサンプル時間と非同期タスクとの間の遷移を処理します。

  • Simulink は、非表示の Rate Transition ブロックをブロック線図に挿入します。

  • 自動で挿入された Rate Transition ブロックは、周期的タスクおよび非同期タスクについて保護されたモードで動作します。この動作は変更できません。周期的タスクの場合、自動で挿入された Rate Transition ブロックは、[ソルバー] ペインの [確定的なデータ転送] パラメーターで指定した確定レベルで動作します。既定の設定は [可能な限り] で、整数の倍数で関連付けられた周期的なサンプル時間のデータ転送の確定性が実現されます。詳細については、Deterministic data transferを参照してください。他のモードを使用した場合は、Rate Transition ブロックを挿入して、そのモードを手動で設定しなければなりません。

挿入された Rate Transition ブロックの可視化

[データ転送に対するレート変換を自動的に取り扱う] オプションを選択すると、Simulink は一致しない遷移速度をもつパス間に Rate Transition ブロックを挿入します。これらのブロックは既定では非表示です。挿入されたブロックを可視化するには、ブロック線図を更新します。バッジ ラベルがモデルに表示され、コンパイル段階で Simulink によって Rate Transition ブロックが挿入された位置を示します。たとえば、このモデルでは、モデルのコンパイル時に 3 つの Rate Transition ブロックが、2 つの Sine Wave ブロックとマルチプレクサーおよび積分器との間に挿入されました。ZOH バッチ ラベルと DbBuf バッチ ラベルはこれらのブロックを示します。

バッジ ラベルは表示または非表示にできます。[デバッグ] タブで [情報のオーバーレイ][自動レート変換] を選択します。

非表示の Rate Transition ブロックを設定するには、バッジ ラベルを右クリックし、[Rate Transition ブロックの挿入] をクリックしてブロックを表示します。

非表示の Rate Transition ブロックを表示すると、以下のことが可能です。

  • 挿入された Rate Transition ブロックのタイプと、モデル内での場所を確認できます。

  • これらのブロックの [初期条件] を設定できます。

  • データ転送パラメーターとサンプル時間ブロックのパラメーターを変更できます。

ブロック線図を更新して、モデルへの変更を検証します。

挿入された Rate Transition ブロックの表示は、エクスポート関数モデルとの互換性がありません。

Rate Transition ブロックのタイプの詳細は、Rate Transition を参照してください。

メモ

Rate Transition ブロックを自動で挿入し、挿入するブロックのサンプル時間の上流を指定したバーチャル ブロックがあるとします。バーチャル ブロックのサンプル時間はレート変換も引き起こすため、挿入されたブロックのバッジをクリックしてブロックを設定したり、表示したりすることはできません。この場合、Rate Transition ブロックをバーチャル ブロックの前に手動で挿入します。バーチャル ブロックの詳細は、非バーチャル ブロックとバーチャル ブロックを参照してください。

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