Band-Limited White Noise
連続システム用のホワイト ノイズの生成
ライブラリ:
Simulink /
Sources
説明
Band-Limited White Noise ブロックは、連続またはハイブリッド システムでの使用に適した正規分布の乱数を生成します。
ホワイト ノイズのシミュレーション
理論的には、連続ホワイト ノイズは 0 の相関時間、平坦なパワースペクトル密度 (PSD)、および無限大の合計エネルギーをもちます。実際には物理システムがホワイト ノイズによる外乱を受けることはありませんが、ノイズによる外乱がシステム固有の帯域幅に比べて非常に小さな相関時間をもつ場合、ホワイト ノイズは有用な理論的近似値になります。
Simulink® ソフトウェアでは、システムの最短の時定数よりかなり短い相関時間をもつ乱数列を使用することによって、ホワイト ノイズの効果をシミュレートできます。Band-Limited White Noise ブロックはそのような数列を作成します。ノイズの相関時間はブロックのサンプルレートです。正確にシミュレートするには、システムの最高速のダイナミクスよりかなり短い相関時間を使用してください。次のように指定することによって、適切な結果を得ることができます。
ここで、fmax は、システムの帯域幅で、単位は rad/sec です。
Random Number ブロックとの比較
このブロックと Random Number ブロックとの主な違いは、Band-Limited White Noise ブロックが特定のサンプルレートで出力を生成することです。このレートは、ノイズの相関時間に関連しています。
Averaging Power Spectral Density ブロックでの使用法
Band-Limited White Noise ブロックは、両側スペクトルを指定します。ただし、単位は Hz です。Averaging Power Spectral Density ブロックは、片側スペクトルを指定します。単位は、振幅の二乗/単位動径周波数 Mag^2/(rad/sec) です。Band-Limited White Noise ブロックの出力を Averaging Power Spectral Density ブロックに入力すると、平均 PSD 値は Band-Limited White Noise ブロックの [ノイズ パワー] の π 倍小さくなります。この差が生じるのは、一方のブロックの単位を他方のブロックの単位に変換したためです。つまり、1/(1/2)(2π
) = 1/π
です。ただし、次のようになります。
1/2 は両側スペクトルから片側スペクトルへの変換係数
2
π
は Hz から rad/sec への変換係数
端子
出力
パラメーター
ブロックの特性
データ型 |
|
直達 |
|
多次元信号 |
|
可変サイズの信号 |
|
ゼロクロッシング検出 |
|
アルゴリズム
ノイズの正しい強度を生成するには、ノイズの共分散は連続 PSD から離散ノイズ共分散への暗黙的な変換を反映するようにスケーリングされます。適切なスケール係数は 1/tc です。ここで、tc はノイズの相関時間です。このスケーリングにより、近似ホワイト ノイズに対する連続システムの応答は、システムが真のホワイト ノイズに対してもつものと同じ共分散をもちます。このスケーリングのため、Band-Limited White Noise ブロックからの信号の共分散は、[ノイズ パワー] (強度) パラメーターと同じではありません。このパラメーターは、実際にはホワイト ノイズの PSD の高さです。このブロックでは、[ノイズ パワー] を tc で除算して、ホワイト ノイズの共分散に近似する値を算出します。
拡張機能
バージョン履歴
R2006a より前に導入