設計範囲を使用した範囲の派生
次の例は、範囲解析により Outport ブロックの派生範囲を絞り込む方法を示します。この範囲は、2 つの Inport ブロックに指定された設計範囲を使用した Add ブロックに派生された範囲と、Add ブロックに指定された設計範囲に基づいています。
モデルを開いて設計範囲を表示
モデルを開きます。MATLAB コマンド ラインで、次のように入力します。
open_system('ex_derived_min_max_1')
ブロック線図を更新すると、ブロックごとに指定された設計の最小値と最大値が表示されます。
In1
の設計範囲は[-50..100]
です。In2
の設計範囲は[-50..35]
です。Add ブロックの設計範囲は
[-125..55]
です。
範囲の派生
Simulink® [アプリ] タブから [固定小数点ツール] を選択します。
固定小数点ツールの [新規] ワークフローで、
[固定小数点の反復的変換]
を選択します。[設計対象のシステム (SUD)] で、変換するシステムとして
ex_derived_min_max_1
を選択します。[範囲の収集モード] で [派生範囲] を選択します。
[範囲の収集] ボタンをクリックします。
Add ブロック入力で派生範囲を計算するには、Inport ブロックに指定された設計最小値と最大値の
[-50..100]
と[-50..35]
を使用します。Add ブロック入力の派生範囲は[-85..150]
です。解析が完了すると、固定小数点ツールは、選択されたシステム内のブロックの派生および設計対象の範囲の最小値と最大値をスプレッドシートに表示します。
Add ブロック出力信号の派生範囲は、
[-85..55]
に絞り込まれます。この派生範囲は、ブロック入力からの派生範囲の[-85..150]
と、ブロック出力に指定された設計の最小値/最大値[-125..55]
が交差部分です。メモ
Add ブロックのアキュムレータは派生範囲解析に関与しません。範囲の派生はブロックの出力信号についてのみ行われます。
Outport ブロックの
Out1
に対する派生範囲は、Add ブロック出力と同じ[-85..55]
です。
ヒント
モデルに設計範囲を表示するには、[デバッグ] タブで [情報のオーバーレイ]、[信号のデータ範囲] を選択します。