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Nyquist Filter
ナイキスト フィルターの設計
ライブラリ
Filtering / Filter Designs
dspfdesign
説明
このブロックは、関数 filterBuilder
のフィルター設計機能を Simulink® 環境に提供します。
このブロックは SIMD コード生成をサポートします。詳細については、コード生成を参照してください。
ダイアログ ボックス
このブロックのパラメーターの詳細については、ナイキスト フィルター設計 — [メイン] ペインを参照してください。DSP System Toolbox™ Filter Designs ライブラリのブロックについては、[データ型] ペインおよび [コード生成] ペインは利用できません。
このブロックの、フィルターの次数または構造体を変更しないパラメーターは調整可能です。
- フィルター応答の表示
このボタンは、フィルターの可視化ツール (FVTool) を Signal Processing Toolbox™ 製品から開きます。このツールを使用して以下を表示できます。
周波数領域の振幅応答、位相応答および群遅延。
時間領域のインパルス応答とステップ応答。
極-零点情報。
ツールから提供されるフィルター次数、安定性、位相線形性についての情報を元に、フィルターのパフォーマンスを評価することもできます。FVTool の詳細については、Signal Processing Toolbox ドキュメンテーションを参照してください。
フィルター仕様
このグループでは、インパルス応答やフィルターの次数などのフィルター形式を指定できます。
- 帯域
通過帯域と阻止帯域間の遷移領域の中心位置を指定します。遷移領域 Fc の中心は、[帯域] 値を使用して計算します。
Fc = Fs/(2·[帯域])
既定値
2
は、ハーフバンド フィルターに対応します。- インパルス応答
[FIR]
または[IIR]
のいずれかをドロップダウン リストから選択します。既定の設定は[FIR]
です。インパルス応答を選択すると、フィルターの実装に使用できる設計法と構造が選択に応じて変更されます。これらのオプションを両方とも使用できるのは、[帯域] が2
の場合のみです。[帯域] の値が2
よりも大きい場合は、FIR 設計のみのサポートとなります。メモ
FIR フィルターの設計法と構造は、IIR フィルターの設計法と構造とは異なります。
- フィルター次数モード
ドロップダウン リストから
[最小値]
(既定の設定) または[指定]
を選択します。[指定]
を選択すると、[次数] オプション (以下の節を参照) が有効になり、フィルターの次数を入力できます。- フィルター タイプ
[シングルレート]
、[間引き]
、[内挿]
または[サンプル レート変換]
を選択します。この選択によって、フィルターのタイプと、フィルターの実装に使用できる設計法と構造が決定されます。既定では、このブロックはシングルレートのフィルターを指定します。[間引き]
または[内挿]
を選択すると、それぞれ [間引き係数] オプションまたは [内挿係数] オプションが有効になります。[サンプル レート変換]
を選択すると、両方の数が有効になります。
- 次数
フィルターの次数を入力します。このオプションは、[フィルター次数モード] で
[指定]
を選択した場合にのみ有効になります。- 間引き係数
間引き係数を入力します。このオプションは、[フィルター タイプ] が
[間引き]
または[サンプル レート変換]
に設定されている場合にのみ有効になります。既定値は 2 です。- 内挿係数
内挿係数を入力します。このオプションは、[フィルター タイプ] が
[内挿]
または[サンプル レート変換]
に設定されている場合にのみ有効になります。既定値は 2 です。
周波数仕様
このグループのパラメーターを使用すると、フィルターの応答曲線を指定できます。
- 周波数制約
ブロックが周波数応答の特性を定義するときに使用するフィルター機能を選択します。
- 周波数単位
このパラメーターを使用して、周波数設定が正規化されるか、絶対周波数であるかどうかを指定します。
[正規化 (0–1)]
を選択し、正規化された形式の周波数を入力します。この動作は既定です。絶対値の周波数を入力するには、ドロップダウン リストから、[Hz]
、[kHz]
、[MHz]
または[GHz]
のいずれかの周波数単位を選択します。単位オプションのいずれかを選択すると、[入力サンプル レート] パラメーターが有効になります。- 入力サンプル レート
[周波数単位] に対して選択した単位で指定する Fs は、フィルター入力のサンプリング周波数を定義します。入力サンプリング周波数を指定すると、仕様内のすべての周波数も選択した単位になります。このパラメーターは、周波数オプションのいずれかを [周波数単位] リストから選択したときに使用可能になります。
- 遷移幅
通過帯域の末尾と阻止帯域のエッジ間の遷移の幅を指定します。[周波数単位] で選択した、正規化周波数単位または絶対単位で値を指定します。
振幅仕様
このグループのパラメーターでは、通過帯域および阻止帯域のフィルター応答を指定します。
- 振幅単位
振幅仕様に定義するパラメーターの単位を指定します。ドロップダウン リストから次のオプションのいずれかを選択します。
[線形]
— 振幅を線形単位で指定します。[dB]
— 振幅をデシベル (既定の設定) 単位で指定します。[2 乗]
— 振幅を 2 乗単位で指定します。
- 阻止帯域の減衰量
阻止帯域のフィルターの減衰量を [振幅単位] で選択した単位 (線形またはデシベル) で入力します。
アルゴリズム
このグループのパラメーターを使用すると、フィルターの設計法と構造を指定できます。
- 設計法
入力した周波数と振幅の指定に使用できる設計法を示します。インパルス応答の変更など、フィルターの仕様を変更すると、フィルターの設計に使用できる方法も変更されます。既定の IIR 設計法は
[バタワース]
で、既定の FIR 設計法は[カイザー ウィンドウ]
です。- オーバーフローの回数を減らすために SOS フィルター係数をスケーリング
このパラメーターを選択すると、フィルター係数をスケーリングして、フィルターの入力または計算がオーバーフローしてフィルターの表現可能な範囲を超過する確率を削減するように設計に指示が送られます。このオプションをオフにすると、スケーリングは行われません。このパラメーターは、IIR フィルターのみに適用されます。
- 設計オプション
各設計のオプションは、それぞれの設計法に固有のものです。この節では、すべての設計と設計法に対して利用可能な全オプションを示すわけではありません。さまざまな設計法やフィルター仕様を選択していく中で遭遇するオプションはほかにも数多くあります。以下のオプションは、最も一般的なオプションを表しています。
- 密度係数
密度係数は、設計法の最適化によって評価されるフィルター応答関数の周波数グリッドの密度を制御します。グリッド内の等間隔の点の数は、[密度係数] に入力する値と (フィルターの次数 + 1) を掛け合わせた値です。
この値を増加すると、理想的な等リップル フィルターをさらに密接に近似するフィルターが作成されますが、フィルターの設計に必要な時間が増加します。20 の既定値は、理想フィルターの正確な近似とフィルターの設計時間との間の妥当な相殺値になります。
- 最小次数
このパラメーターを選択すると、設計法によって、仕様を満たす最小のフィルター次数が決定され、設計されます。このパラメーターを使用しないフィルターもあります。ドロップダウン リストから
[任意]
、[偶数]
または[奇数]
を選択し、設計を任意の最小次数、偶数の最小次数、または奇数の最小次数に設定します。- 阻止帯域の整形
阻止帯域の整形では、周波数の増加と共に阻止帯域がどのように変化するかを指定します。次のオプションのいずれかを選択します。
フラット
— 阻止帯域が平坦であることを指定します。周波数が増加しても減衰量は変化しません。線形
— 周波数の増加と共に阻止帯域の減衰量が線形に変化することを指定します。阻止帯域の勾配を変更するには、[阻止帯域の減衰] を設定します。
- 阻止帯域の減衰
阻止帯域の整形を設定するとき、[阻止帯域の減衰] は、阻止帯域に適用される減衰量を指定します。次の条件は、[阻止帯域の整形] の値に基づいて [阻止帯域の減衰] に適用されます。
[阻止帯域の整形] を
Flat
に設定した場合、[阻止帯域の減衰] は阻止帯域には影響を及ぼしません。[阻止帯域の整形] を
Linear
に設定した場合は、阻止帯域の勾配を dB/rad/s の単位で入力します。ブロックによってその勾配が阻止帯域に適用されます。[阻止帯域の整形] を
1/f
に設定した場合は、関係 (1/f)n における指数 n の値を入力して阻止帯域の減衰を定義します。ブロックによって (1/f)n の関係が阻止帯域に適用され、阻止帯域の減衰量が指数的に減少します。
フィルターの実装
- 構造
選択したフィルター仕様と設計法に対して、このパラメーターはフィルターの実装に使用できるフィルターの構造を示します。
- 基本要素を使用してフィルターのカスタマイズを有効にする
このチェック ボックスをオンにして、フィルターを基本の Simulink ブロックのサブシステムとして実装します。フィルターを高水準のサブシステムとして実装するには、チェック ボックスをオフにします。既定の設定では、このチェック ボックスはオフです。
高水準での実装により、さまざまなフィルター構造全体での互換性が向上します。特に、基本要素を使って構築したときに代数ループを含むようなフィルターではそれが顕著です。一方、基本要素を使用すると次の最適化パラメーターが有効になります。
0 のゲインを最適化する — 0 のゲインをもつ Gain ブロックを含む連鎖を終了します。
単位ゲインを最適化する — 1 の係数でスケーリングする Gain ブロックを削除します。
遅延連鎖を最適化する — n の単位遅延からなる遅延連鎖を n の単一遅延で置き換えます。
負のゲインを最適化する — Gain ブロックでの負のゲインではなく、Sum ブロックでの減算を使用します。
- 入力処理
ブロックで入力を処理する方法を指定します。使用可能なオプションは、[フィルター構造] パラメーターと [基本要素を使用してフィルターのカスタマイズを有効にする] パラメーターの設定に応じて異なる場合があります、これらのパラメーターは、以下のいずれかのオプションに設定することができます。
チャネルとしての列 (フレーム ベース)
— このオプションを選択すると、ブロックは入力の各列を別々のチャネルとして扱います。チャネルとしての要素 (サンプル ベース)
— このオプションを選択する場合、ブロックは入力の各要素を別々のチャネルとして扱います。
- レート オプション
[フィルター タイプ] パラメーターでマルチレート フィルターを指定する場合、以下のオプションからブロックのレート処理規則を選択します。
シングルレート処理を適用
— このオプションを選択すると、ブロックは入力のサンプル レートを維持します。マルチレート処理を許可
— このオプションを選択すると、ブロックはサンプル数の増減に合わせて出力レートを調整します。このオプションを選択するには、[入力処理] パラメーターを[チャネルとしての要素 (サンプル ベース)]
に設定しなければなりません。
- 係数に対して変数名を使用する
このチェック ボックスをオンにすると、MATLAB® 変数を使用する係数の指定が有効になります。使用可能な係数の名前はフィルター構造によって異なります。シンボリック名を使用すると、生成したコードでフィルター係数を調整できます。既定の設定では、このチェック ボックスはオフです。
サポートされているデータ型
端子 | サポートされているデータ型 |
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入力 |
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出力 |
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拡張機能
バージョン履歴
R2006b で導入