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補償器のダイナミクスの編集

制御システム デザイナーを使用すると、手動で補償器のダイナミクスを編集して設計目標を達成できます。特に、補償器のゲインを調整でき、以下の補償器のダイナミクスを追加できます。

  • 積分器を含む、実数と複素数の極

  • 微分器を含む、実数と複素数の零点

  • リード ネットワークとラグ ネットワーク

  • ノッチ フィルター

ダイナミクスを追加して補償器のパラメーターを変更するには、補償器エディターを使用するか、グラフィカルに [ボード エディター][根軌跡エディター] または [ニコルス エディター] のプロットを使用します。

補償器エディター

[補償器エディター] ダイアログ ボックスを開くには、制御システム デザイナーのエディター プロット領域で、右クリックし、[補償器の編集] を選択します。または、[データ ブラウザー][コントローラー] セクションで、編集する補償器を右クリックし、[選択を開く] をクリックします。

補償器エディターには、現在選択されている補償器の伝達関数が表示されます。ドロップダウン リストを使用すると、別の補償器を選択して編集できます。既定では、補償器の伝達関数が時定数形式で表示されます。別の形式を選択するには、制御システム デザイナーの対応する設定を変更します。

制御システム デザイナー[Control System] タブで、[基本設定] をクリックします。[制御システム デザイナー 基本設定] ダイアログ ボックスで、[オプション] タブの [補償器の形式] を選択します。

補償器に極と零点を追加するには、補償器エディターで [ダイナミクス] テーブルを右クリックし、[極または零点を追加] で、追加する極/零点のタイプを選択します。

アプリにより、選択したタイプの極または零点と既定のパラメーターが追加されます。

極または零点を編集するには、[ダイナミクス] テーブルで編集する極/零点のタイプをクリックします。次に、[選択したダイナミクスの編集] セクションのテキスト ボックスで、極と零点の位置を指定します。

極と零点を削除するには、[ダイナミクス] テーブルで、削除する極/零点のタイプをクリックします。次に、右クリックして [極または零点を削除] を選択します。

グラフィカルな補償器の編集

極と零点は、[ボード エディター]、[根軌跡エディター] または [ニコルス エディター] のプロットから直接追加して調整することもできます。この手法を使用して極と零点を適切な領域に大まかに配置した後、補償器エディターを使用して位置を微調整します。

エディター プロットから極と零点を直接追加するには、プロット領域を右クリックし、[極または零点を追加] で追加する極/零点のタイプを選択します。エディター プロットでは、編集可能な補償器の極と零点がそれぞれ赤色の XO で表示されます。

エディター プロットでは極と零点をドラッグして位置を調整できます。極や零点をドラッグすると、その新しい値が右側のステータス バーに表示されます。

極または零点を削除するには、プロット領域を右クリックして [極または零点を削除] を選択します。次に、エディター プロットで、削除する極または零点をクリックします。

極と零点

補償器には以下の極と零点を追加できます。

  • 実極/零点 — 実軸上に極/零点の位置を指定します。

  • 複素数の極/零点 — 次の方法で複素共役対を指定します。

    • 実数部と虚数部を直接設定する。

    • 固有振動数 ωn と減衰比 ξ を設定する。

  • 積分器 — 原点に極を追加し、ステップ入力と DC 入力の定常偏差をなくします。

  • 微分器 — 原点に零点を追加します。

リード ネットワークとラグ ネットワーク

補償器には、リード ネットワーク、ラグ ネットワークおよび組み合わせのリードラグ ネットワークを追加できます。

ネットワーク タイプ説明使用目的
リード負の実数軸上の 1 つの極と 1 つの零点、零点の固有振動数の方が低い
  • 安定余裕の拡大

  • システムの帯域幅の拡大

  • 立ち上がり時間の短縮

ラグ負の実数軸上の 1 つの極と 1 つの零点、極の固有振動数の方が低い
  • 高周波数ゲインの削減

  • 位相余裕の拡大

  • 定常状態の精度向上

リードラグリード ネットワークとラグ ネットワークの組み合わせリード ネットワークとラグ ネットワークの効果の組み合わせ

リードラグ ネットワークを追加するには、リード ネットワークとラグ ネットワークを個別に追加します。

補償器のリード ネットワークまたはラグ ネットワークを設定するには、次のいずれかのオプションを使用します。

  • 極と零点の位置を指定する。極と零点の配置をさらに離すと、位相角の変化量が増します。

  • 位相角の最大の変化量とこの変化が発生する周波数を指定する。極と零点の位置はアプリにより自動的に計算されます。

進み補償器または遅れ補償器の極と零点の位置をエディター プロットでグラフィカルに変更する場合、極と零点は独立してドラッグできます。

ノッチ フィルター

特定の周波数でシステムに外乱があることがわかっている場合は、ノッチ フィルターを追加してその周波数におけるシステム ゲインを抑制できます。ノッチ フィルター伝達関数は次のとおりです。

s2+2ξ1ωns+ωn2s2+2ξ2ωns+ωn2

ここで

  • ωn はノッチの固有振動数です。

  • ξ21 ではノッチの深さを設定します。

補償器にノッチ フィルターを設定するには、[補償器エディター] ダイアログ ボックスで以下を指定します。

  • 固有振動数 — 抑制された振動数

  • [ノッチの深さ][ノッチ幅]

  • 伝達関数の複素数の極と零点の [減衰]

ノッチ フィルターをグラフィカルに編集するときは、[ボード エディター] でノッチの底をドラッグして ωn とノッチの深さを調整できます。ωn またはノッチの深さを変更することなくノッチの幅を調整するには、ノッチのエッジをドラッグします。

参考

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