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モデル次数の低次元化
低次のモデルを使用すると、解析および制御設計を簡略化できます。簡略化されているモデルの方が、高次のモデルより理解も操作もしやすくなります。複雑な Simulink® モデルまたは Partial Differential Equation Toolbox™ モデルを線形化した場合、モデル要素を相互接続した場合、またはアプリケーションにとって特に重要なダイナミクスにあまり寄与しない状態を生成するその他のプロセスを使用した場合に、高次のモデルが得られることがあります。Control System Toolbox™ ソフトウェアを使用して、通常の LTI モデルまたは大規模なスパース LTI モデルに対して低次のモデルを得ることができます。
低次のモデルを得るために、以下を行うことができます。
freqsep
またはmodalsep
を使用して、特定の周波数範囲または関心領域の外側にあるモード (極) を破棄する。平衡化打ち切りなどの各種手法および基準を使用して、LTI モデルまたはスパース LTI モデルの低次の近似を計算する。これらのワークフローのエントリ ポイントとして
reducespec
を使用します。
また、minreal
、sminreal
、xelim
などの関数を使用して、極-零点のペアを相殺したり、寄与度の低い状態を削除したりして、モデルを簡略化することもできます。
さらに、Model Reducer アプリおよびライブ エディターの [モデル次数の低次元化] タスクを使用してモデルの次数を対話的に低次元化することもできます。
モデルの次元を減らす方法の詳細については、モデルの低次元化の基礎を参照してください。
アプリ
Model Reducer | 線形時不変 (LTI) モデルの複雑度を低減 |
ライブ エディター タスク
モデル次数の低次元化 | ライブ エディターで線形時不変 (LTI) モデルの複雑度を低減 (R2019b 以降) |
関数
オブジェクト
トピック
モデルを低次元化するワークフロー
- モデルの低次元化の基礎
モデル次数の低次元化により理解も操作もしやすい簡単なモデルを提供することで、解析と制御設計を簡略化する。 - Task-Based Model Order Reduction Workflow
Learn how to create custom reduction criteria to obtain reduced-order models.
モデルの簡略化
- 極-零点の簡略化
極-零点のペアを相殺するか、全体のモデル応答に影響しない状態を削除することによりモデルを低次元化する。 - モードの選択によるモデルの低次元化
特定の周波数範囲の外側にある極を排除してモデルを低次元化する。
LTI モデルの次数の低次元化
- コマンド ラインでの平衡化打ち切りによるモデルの近似
コマンド ラインでモデルの低次元化近似を計算する。 - 打ち切りによる低次元モデル近似と DC 一致によるものとの比較
2 つの方法で低次の近似を計算し、結果を比較する。 - 不安定、またはほぼ不安定な極を使用したモデルの近似
システムが不安定またはほぼ不安定な極をもつ場合に、システムの低次元化近似を計算する。 - 周波数が制限される平衡化打ち切り
特定の周波数範囲内において比較的エネルギーの小さい状態を削除することにより、高次のモデルを低次元化する。
スパース LTI モデルの次数の低次元化
- Sparse Modal Truncation of Linearized Structural Beam Model
Compute a low-order approximation of a sparse state-space model obtained from linearizing a structural beam model. (R2023b 以降) - Sparse Balanced Truncation of Thermal Model
Balanced truncation of a sparse state-space model obtained from linearizing a thermal model. (R2023b 以降)
対話的ワークフロー
- Model Reducer アプリを使用したモデル次数の低次元化
重要なダイナミクスを維持した状態でモデル次数を対話的に低次元化する。 - ライブ エディターでのモデルの低次元化
モデル次数の低次元化タスクを使用して、モデルの低次元化を対話的に実行し、ライブ スクリプトにコードを生成する。 - 平衡化打ち切りによるモデルの低次元化
エネルギーの寄与が比較的少ない状態を削除することにより、高次のモデルの低次近似を計算する。 - 低次元化されたモデルの Model Reducer アプリによる可視化
元のモデルと低次元化されたモデルの時間領域と周波数領域の応答を調査および比較する。