全日本空輸、MATLAB を使用して航空機部品の故障を予測

「MATLAB Compiler の使用により、解析プロセス全体を単一の実行可能ファイルにまとめることができました。日常的に飛行データを監視しているため、結果として複数の Journal Bearing の故障を発生の約 1 か月前に予測できました。」

主な成果

  • 運航データおよびドメイン知識を MATLAB で組み合わせることにより、抽出した洞察を予知保全に活用
  • MATLAB を使用して学習を行った機械学習モデルにより、部品故障を 1 か月前に予測
  • キャビン エア コンプレッサーの Journal Bearing が故障に至る前に、リアルタイムのセンサーデータから複数の劣化箇所を特定

全日本空輸株式会社 (ANA) は、1952 年に航空運送事業者として創業しました。今日では、東京に本社を置くフルサービスの航空会社として、日本国内のフライトだけでなくアジア、ヨーロッパ、米国行きのフライトも運航しています。

ANA のメンテナンスセンターは、航空機をスケジュールどおりに運航できるよう機体の整備を行っています。航空会社は通常、予知保全と予後保全という 2 種類のメンテナンス手法を使用しています。予後保全は、部品故障を受けて実施されるメンテナンスのため、ダウンタイム、遅延、または欠航の発生原因になることがあります。

ANA は過去 10 年の間に予知保全戦略を立ち上げ、航空機のダウンタイム削減や運用効率向上を促進してきました。この戦略では、ANA の運航データおよびドメイン知識を、部品故障が発生する前の予測に活用しています。

ANA では、可視化および仮説検定のために MATLAB® を使用しています。また、原因となる部品や故障の初期兆候の特定など、センサーデータから洞察を得るためにも MATLAB を使用しています。洞察は機械学習モデルの学習に使用され、これらのモデルは、セーフティ クリティカルなシステムからのリアルタイムのセンサーデータを評価するために、MATLAB Compiler™ を使用してデータパイプラインに展開されます。新しい予知保全戦略により、ANA はキャビン エア コンプレッサーの Journal Bearing が故障に至る前に複数の劣化箇所を見つけることができるようになりました。