ミツバがMathWorksのMATLAB/Simulinkで<br>電子制御モーターシステムの開発期間を大幅に短縮

機能開発プロジェクトの期間が4カ月から3週間に

東京, 日本 - (2011 年 2 月 17 日)

リバーシングワイパーシステムの<br>コントローラー
リバーシングワイパーシステムの
コントローラー

MathWorksは本日、革新的なリバーシング ワイパーシステムなどのワイパーモーターを製造する株式会社ミツバ(以下、ミツバ)が、MATLABおよびSimulinkを含むMathWorks製品を使用してリバーシングワイパー システムのコントローラーを開発し、量産コードを含む完全なシステムを完成させたことを発表しました。同社は、モデルベース開発を適用することで、通常4カ月かかっていたプロセスを、わずか3週間で完了させることを可能にしました。

リバーシング ワイパー システムは、制御が複雑であるため、従来おこなわれていた紙ベースの要求仕様書および手書きのコードに依存した開発では、システムの品質に影響を与える大幅なやり直し作業が発生していました。ミツバは、この問題を解決するために、MathWorks のモデルベース開発ツールを使用して、リバーシング ワイパー システムの制御モデリング、シミュレーション、検証、量産コードの生成を行いました。

同社のエンジニアは、仕様を元に Simulink を使用して、制御の構造や機能、テスト ハーネスをモデル化し、 Simulink と SimMechanics™ を使用して、フロントワイパーのリンク機構、ワイパー アーム、ボディマウントを含むプラントモデルを作成しました。このようにして、ハードウェアのみでテストを行うのではなく、シミュレーションを通じてデバッグやテストを行うことで、開発期間をさらに短縮することが可能となりました。さらに、Simulink と Stateflow のモデルを実行可能な仕様書として使用することで、デザインレビューのプロセスを従来の10 %の時間で完了させ、見直しの各段階で使用される紙文書の量も 90 %削減しました。

ミツバの電子技術部 研究員 新井 貴男氏は次のように述べています。「モデルベース開発というアプローチとMathWorksのツールは、当社にとって新しいものでしたが、開発のスピードと 製品の品質に明らかな向上が見られました。MathWorks のツールでモデルベース開発を進めることにより、開発後期の最終的なハードウェアを使ったテストで問題点を発見するのではなく、要求仕様や初期の設計において問題点を特定し、早い段階で解決することができました。また、 モデルベース開発を採用したことにより、デザインレビューのスピードが上がり、欠陥や要求仕様における問 題点の発見がより効率的になりました。エラーを早期に発見し、やりなおし作業を減らすことで、高品質のコントローラーを以前の 2 割の時間で完成することができました。」

MathWorks Japanのインダストリーマーケティング部 シニアインダストリーマーケティングマネージャーの重光 貴明は次のように述べています。「ミツバが、リバーシングワイパーシステムの開発に弊社のMATLAB/Simulink製品を用いたモデルベース開発を導入し、開発期間を大幅に短縮できたことは、我々にとっても大きな励みになります。開発期間の短縮や、デザインレビュー期間と紙文書の削減など、成果が定量化されており、これはモデルベース開発の効果が最大限に発揮されたことを示すものといえます。MathWorksとしては、今後もこの開発プロセスが他の製品開発にも展開され、効果が発揮されるよう、MATLABプロダクトファミリの充実と、サポート体制の強化を図ってまいります。」

リバーシング ワイパー システムは現在すでに量産されており、月間 2 万~ 3 万台を出荷しています。ミツバではこのワイパー システムのコンポーネントとプラントモデルを現在進行中のプロジェクトに再利用しています。同社では、ハイブリッド車や電気自動車のためのモーター制御製品を含むすべての新規プロジェクトに対して、モデルベース開発の適用を標準化しています。

詳細については、株式会社ミツバ、リバーシング ワイパー システムの開発を加速をご覧ください。

MathWorks について

MathWorks(マスワークス)は、数学的計算で業界をリードする世界的なソフトウェア 開発会社です。MATLAB は、Language of Technical Computing(技術計算言語 ) として、アルゴリズム開発、データ解析、視覚化、数値計算のためのプログラミング環境を提供します。Simulink は、マルチドメイン シミュレーションやダイナミック システム、および組込みシステムのモデルベース デザインのためのグラフィカル環境です。 世界中のエンジニアや科学者が、自動車、航空宇宙、エレクトロニクス、金融機関、生命工学、製薬などの産業分野において、発見、革新、開発を加速させるためのツールとしてこれらのプロダクト ファミリを活用しています。また、MathWorksの製品は、教育および研究に欠かせないツールとして、 世界各国の大学や教育機関において活用されています。MathWorksは 1984 年に創業、現在は、マサチューセッツ州ネイティックを本拠地とし、世界 15 か国で 2200 名以上の従業員が活躍しています。詳細については jp.mathworks.com をご覧ください。

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ミツバについて

ミツバは、二輪・四輪車用電装品の開発・製造・販売を行っています。ワイパシステム・スタータモータ・パワーウィンドモータ・パワーステアリングモータ・パワースライドドアシステムなどのモータ製品を主軸として、そのモータ技術を活かし、産業機器や介護用電動ベッドなどの分野にも進出しています。また、ハイブリッド市場が拡大し電気自動車が発売されるなど、次世代の自動車を担うものとしてモータが脚光を浴びる中、エコランレースや、国内外のソーラーカーレースで培った技術力とモータの信頼性をベースとして、次世代に向けた製品開発を積極的に進めています。 ミツバは1946年に創業しました。現在、輸送用機器事業を中核事業として、日本、米州、欧州、アジア、中国の54社で、ミツバグループを形成し、16000名を越える社員が「ミツバはミツバを愛しささえる人々とともに、社会と環境に調和した技術の創造を通して、世界の人々に喜びと安心を提供する」という企業理念の実現に努めています。詳細については下記をご覧ください。 mitsuba.co.jp