ミシガン州立大学の化学工学科がカリキュラム全体に MATLAB を取り入れ、学生の問題解決能力を育成

MathWorksは本日、ミシガン州立大学 （以下、MSU）工学部が化学工学科のカリキュラム全体に MATLAB を取り入れたことを発表しました。同大学の学生は毎年少なくとも 1 つの講座で MATLAB を使用しており、ソフトウェアに関する知識を着実に身につけています。そのため、学生は、講座ごとに違うツール環境の学習に時間を費やす必要がなくなったため、教授陣は一段と高度な工学的概念を教えられるようになります。

最近、ABET, Inc. によって要求されている学部生のテストを行った結果、MSU の学生は問題解決に数学やコンピューター ツールを応用する能力が基準以下であることがわかりました。工学部では各種のコンピューティング ツールが使用されていたため、学生が自信や専門知識を培うことが困難になっていました。また、学生は課題に対して決まりきった手法をとることが多く、本格的な工学の課題に自分の能力を活かすことができませんでした。

MSU の化学工学・材料科学の准教授、Daina Briedis 博士は次のように述べています。「学部における授業全体を通じて、計算ツールを系統的に繰り返し使用しなければ、学生は高度な問題を解くたびに、さらに多くの時間を費やしてコンピューター ツールを学習し直さなければならないため、授業で学ぶ概念そのものに集中することができません。カリキュラム全体を通じMATLAB を採用したことによって、学生の学習能力が着実に向上し、最終的には当校の基準を満たすか、超える結果となったことがテスト結果で証明されました。また、学生から以前よりも自分の能力に大きな自信をもてるようになったと報告がありましたが、学生がある課題をやり遂げられると確信した場合は、大抵の場合、実際に達成することができるのです」

化学工学科では、MATLAB を学部の工学カリキュラム全体に取り入れ、4 年間を通じて必修科目として MATLAB を使用しています。また、近い将来には、他の工学カリキュラムにもこれを拡張する予定です。カリキュラム全体に体系的な変更を行うには教員のサポートが必要なため、MSU では MATLAB のトレーニング、ビデオ チュートリアル、およびProblem set開発のためのダイレクト ティーチング サポートが教員に提供されました。

MathWorks の principal academic evangelist の Tom Gaudette は次のように述べています。「MSU の努力によって、化学工学科の教授と学生は MATLAB を共通の言語として使用できるようになりました。また、MATLAB をカリキュラム全体に取り入れることで、教授は学生にツールを教え直す時間を大幅に短縮することができるようになりました。この結果、授業で理論を教えることに集中できるようになりました」

化学工学科の他にも、Briedis 准教授は MSU の CEER (Center for Engineering Education Research: 工学教育研究センター)で主要な研究員の 1 人として研究を行っています。