MathWorks が MATLAB と Simulink の新機能で無線とレーダーの設計を加速

リリース2013a における Phased Array System Toolbox と SimRF の機能強化でシステムのモデル化とシミュレーションを高速化

東京, 日本 - (2013 年 3 月 26 日)

Phased Array System Toolbox で表示された10X10等間隔矩形アレイの3次元ビームパターン
Phased Array System Toolbox で表示された10X10等間隔矩形アレイの3次元ビームパターン

MathWorks は、新しいMATLAB および Simulink で無線通信とレーダーの設計を支援する機能を強化したことを発表しました。このリリース2013a (R2013a) における Phased Array System ToolboxSimRF の機能強化により、無線通信とレーダー システムの設計で、通常の MATLAB と Simulink の環境を使用してモデル化とシミュレーションを高速化できるようになります。

Phased Array System Toolbox では、偏波、アレイ摂動、広帯域アレイの新機能を使用して、エンドツーエンドのフェーズド アレイ システムのモデル化や、取得したレーダー データの処理を行うことができます。一方 SimRF には新しい回路エンベロープ ソルバーが追加され、シミュレーションとモデルの読み込み時間を高速化できるようになり、さらにシステム レベルで RF フロント エンドのシミュレーションを実行するためのコンポーネントのライブラリが拡張されました。これらの機能強化により、レーダーや通信システムの設計において、以前より複雑な状況をより高い精度とパフォーマンスでモデル化できるようになります。

Cobham Defense Electronics の Business Development Manager である Robert Liechty 氏は次のように述べています。「当社では、レーダーと通信システムにおけるフェーズド アレイのパフォーマンスの設計およびモデル化で MATLAB を大いに活用しています。Phased Array System Toolbox のおかげで、ビーム ステアリングによるアンテナの ビームパターンをすばやく測定して解析し、設計のパフォーマンスを評価することができます。Sensor Array Analyzer のアプリケーションや新しい統計モデリング機能など、今回の リリース2013a の大幅な機能強化には非常に期待しています。これらの機能を使用すれば、より多くのエンジニアがより効率的に Phased Array System Toolbox を使用して作業できるようになるでしょう。」

MathWorks の信号処理の Senior Strategist である Ken Karnofsky は次のように述べています。「無線とレーダーの通信システムが複雑になるにつれて、RF デバイスと信号処理アルゴリズムがどのように相互作用して、全体的なシステムの動作に影響を与えるかを理解することが必要となっています。MATLAB と Simulink の今回の新機能を利用すれば、独立したツールや従来のコード ベースの保守に必要な時間と手間が削減されます。」

Phased Array System Toolbox の主な新機能:

  • モノスタティックおよびマルチスタティックのレーダー システムのモデル化。レーダー システムの最大レンジ、ピーク電力および SNR の予測を支援する、ポイント ターゲット、自由空間伝搬、地表面クラッターおよび帯域妨害電波を含む
  • 線形、平面、等角のセンサー アレイのビーム パターンを解析するための、任意の形状をもつセンサー アレイとサブアレイのモデル化
  • アレイとターゲットの偏波とプラットフォームの動きの指定
  • GPU サポートによるクラッターのモデル化の高速化

SimRF の主な新機能:

  • 任意のアーキテクチャに対する複数の搬送周波数モデルの回路エンベロープ シミュレーションの高速化。単一搬送周波数のカスケードされたシステムを対象とする同等のベースバンド技術と組み合わせることで、システム レベルでの迅速なRF モデル化とシミュレーションが可能に
  • シミュレーションの起動時間を短縮
  • 無限数のシミュレーション周波数や基本波の自動選択など、高度な構成ブロックで回路エンベロープのシミュレーションのセットアップが簡単に
  • 能動部品と受動部品 (アンプ、ミキサー、LC ラダー、トランスフォーマー、ノイズ)のための新しいモデルと、Simscape 言語を使用したカスタムの SimRF モデルの作成

発売時期

SimRF と Phased Array System Toolbox の最新バージョンを含む R2013a はすぐに入手可能です。詳細については、mathworks.com/products/new_products/latest_features.html をご覧ください。

MathWorks について

MathWorks(マスワークス)は、数学的計算で業界をリードする世界的なソフトウェア 開発会社です。MATLAB は、Language of Technical Computing(技術計算言語 ) として、アルゴリズム開発、データ解析、視覚化、数値計算のためのプログラミング環境を提供します。Simulink は、マルチドメイン シミュレーションやダイナミック システム、および組込みシステムのモデルベース デザインのためのグラフィカル環境です。 世界中のエンジニアや科学者が、自動車、航空宇宙、エレクトロニクス、金融機関、生命工学、製薬などの産業分野において、発見、革新、開発を加速させるためのツールとしてこれらのプロダクト ファミリを活用しています。また、MathWorksの製品は、教育および研究に欠かせないツールとして、 世界各国の大学や教育機関において活用されています。MathWorksは 1984 年に創業、現在は、マサチューセッツ州ネイティックを本拠地とし、世界 15 か国で 2200 名以上の従業員が活躍しています。詳細については jp.mathworks.com をご覧ください。

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