Faraday がモデルベース デザインを活用して SoC の開発期間を短縮

MathWorks は本日、ASIC（application-specific integrated circuit） および SIP（silicon intellectual property） の大手ファブレス プロバイダーである Faraday Technology Corporation が、モデルベースデザイン（モデルベース開発、MBD）を活用して、NAND フラッシュ コントローラーの誤り訂正符号 (ECC) エンジンの開発を含む、SoC （system-on-a-chip）の開発期間を短縮できたことを発表しました。MATLAB/Simulink 製品の活用によって、Faraday はシステムレベルのシミュレーションの実行を 200 倍高速化して、スループット パフォーマンスを 15% 向上させ、ゲート数を最大で 57% 削減することにより、さらに効率的な設計の開発を加速しました。

高度な SoC 設計を求める IC メーカーが増加する中、Faraday は新しいビジネス機会を生かして業績を伸ばす好機を捉えています。このような高度な SoC 設計に対する需要を満たすために、Faraday はマイクロプロセッサー サブシステムのメモリ コントローラーの開発に対し、期間短縮を実現した、費用効果の高いワークフローを確立しました。Faraday がモデルベース デザインを採用した理由は、SIP 開発を加速し、システムレベルで異なる設計案を検討できるようにし、エンジニア間のコミュニケーションを向上させるためです。この設計手法によって、ゲート数の削減やメモリ コントローラーとその他のモジュールの開発サイクルの短縮を実現した結果、コストを削減できたことで、顧客に競合他社との違いを印象付けることができました。

Faraday の ESL Methodology Manager である Ken Chen 氏は次のように述べています。「モデルベース デザインのおかげで、最適な設計設定をすばやく特定し、製品を市場に導入するまでの時間を短縮でき、SIPの開発を高い費用効果で効率的に向上させる方法を活用できました。Simulink 環境は、設計アーキテクチャの統合、シミュレーション、検討に理想的です。シミュレーションは RTL シミュレーションよりも最高で 200 倍速く、しかも Simulink モデルは FPGA プロトタイピング用に簡単に HDL コードに変換できます」

Faraday では MATLAB、Simulink、および Stateflow を使用してシステムレベルの設計をモデリングおよびシミュレーションし、Simulink Coder と Simulink HDL Coder を使用してモデルからコードを自動生成しました。このワークフローにより、アーキテクチャ設計からハードウェアとソフトウェアの実装へと移行するにあたって、設計プロセスを短縮できました。Faraday では DDR とフラッシュ コントローラーのプロジェクトにモデルベース デザインを使用し、SIP 設計をスケジュールどおりに完成させました。エンジニア チームは現在、既存のモデルを新しいプロジェクトで再利用して調整することで、開発期間をさらに短縮することに取り組んでいます。

MathWorks の Senior Strategist for Signal Processing Applications である Ken Karnofsky は次のように述べています。「IC メーカーは引き続き SoC や ASIC コンポーネントの供給を SIP プロバイダーに依存しており、SIP エンジニアは顧客の要求を満たす設計をすばやく実現する方法を求めています。Faraday における MATLAB および Simulink の活用は、モデルベース デザインを効果的に使用して、開発期間の短縮とコスト削減を実現し、SIP モジュールの SoC 設計への統合を簡素化できる優れた例となっています」

Faraday Technology Corporation による MathWorks の各ツールの使用方法の詳細については、ユーザー事例「Faraday Accelerates SIP Development and Shrinks NAND Flash Controller ECC Engine Gate Count by 57% with Model-Based Design」をご覧ください。