合理性を重んじる職場

MathWorks は、合理性を重んじる職場を構築し、知的な意思決定を行うことを信条としています。いかなる状況でも、「正しい答え」と物事を行うのに最適な方法があると考えており、それらに辿り着けるように努めています。

  • 合理的な判断基準で最良の決断を下す
    • アイデアを評価し、常に「なぜ」を説明する
    • 全体像を考慮して、長期的な視点で見る
    • "win-win" の解決策に辿り着くようにする
    • "サンライトテスト" で決定を行う
    • 適切な人を参加させる
    • アイデアの対立を奨励し、人と人との対立を抑制する
  • "境界のない" 組織によって利益を得る
    • 興味を持ってもらう - 他人の専門知識や視点を活用する
    • 他人に興味を持つ - プロジェクトに貢献する
    • "デザインレビュー" とブレインストーミングを使用する - 三人寄れば文殊の知恵
    • 情報、計画、意思決定を共有する
    • クロスファンクショナル チームを活用して成し遂げる
    • "コントロール" するのではなく、"オーナーシップ" を奨励する
  • 論理的に考えられる職場づくり
    • 方針やルールの背後にある「なぜ」を理解しようとする
    • 立場ではなく、知識や貢献度に基づいて相手を評価する
    • 全員に対して同じ「ルール」を適用する - 平等性と一貫性が重要
    • 卓越性に報いる"努力" をして、"特権" を回避する
    • "政治"のない環境づくりに取り組む
    • 仕事の生産性を妨げる問題を解消する

合理性を重んじる職場を支えるプロセスとプログラム

アドバイザリチーム

社内のビジネスグループごとにアドバイザリチームがあります。このチームは、この特定の事業グループに特別なつながりや専門性を持つ社内の各分野の人々で構成されています。アドバイザリチームは、ビジネスグループが優先順位を設定して、問題を解決し、全体像を見ることができるようサポートします。ビジネスグループは、四半期に一度、アドバイザリチームとミーティングを行い、目標の進捗状況を確認し、評価基準を検討し、新たな計画と方向性を策定します。

ベストプラクティス

MathWorksにはルールがほとんどありません。その代わりに、個人やグループによって開発され、社内で採用されるほどの成功を収めた手順、つまりベストプラクティスを集めて使用しています。たとえば、会議の運営方法、パフォーマンス評価 (または自己評価) の記述方法、求職者との面接の方法などです。ベストプラクティスは創造的な思考を促し、これによりお互いの経験や創造力によるメリットが得られます。ベストプラクティスが、正式な規則や長いマニュアルよりも、効果的でモチベーションアップにつながると考えています。

用語集

境界がない

境界がないとは、物を隔てる線や領域である境界がない状態を指します。MathWorks では、社員に境界を越えた考え方を持っていもらいたいと考えています。実際には、社員は会社の他のチーム、部署、部門も助け、支援することが求められます。また、他の部門のアイディアやサポートを積極的に受け入れます。

「それは私の仕事ではない」、「彼の話を聞く必要はない」と言うことは、この考え方に反します。

デザインレビュー

MathWorks において「デザインレビュー」とは、用意した計画、製品のコンセプト、開発したデザインなどを分析して改良するために、他の人が協力する機会です。MathWorks はチームワークを重視しており、レビューはチーム全体が同じ認識を持つための手段です。また、最上位の役職者による最良のアイディアでさえも、多くの人が目を通し、反対意見を出し、改善方法を提案することで、さらに良いものにできると考えています。

デザインレビューの詳細については、Computer 誌 2003 年 10 月号の Bob Colwell 氏の "At Random" コラムを参照してください。© 2005 IEEEComputer 誌から許可を得て転載。

努力/特権

「努力」とは、熱心に積極的に努力することを意味します。

「特権」とは、獲得していない何かを持っているという感覚を意味します。また「特権」とは、ランクや役割、または単に組織の一員であるか、特定の肩書きや役割を持っていることに対して、報酬や権利を付与するということも意味します。人として、また企業として、両方の種類の「特権」を回避する必要があります。

オーナーシップ/コントロール

本書における「オーナーシップ」とは、管理責任 (責任を負い、指導し、管理すること) を意味します。

「コントロール」とは、何かを支配したい、または何かの指揮をとりたいと思うことを意味します。また、利己的で恣意的な行動を指します。

MathWorks は、人々が優れた管理責任者になることを奨励する職場環境を目指しています。

政治

政治とは、支配権や権力を得るためにグループ内でうまく立ち回ることを意味します。会社の利益に反しても、自分の利益を高めることを指します。「Do the Right Thing」の反対の行動です。

サンライトテスト

意思決定の「サンライトテスト」とは、公開して検査や議論を求めることを意味します (「日光に当てる」)。「サンライトテストに合格した」決定とは、論理的で合理的、かつ公正な決定を指します。サンライトテストで決定を行うにはどうすればいいでしょうか?MathWorks の全員の前で自分の考えや決定事項を説明するところを想像し、論理的根拠を理解してもらえるかどうかを自問します。「サンライトテストに合格するか」というフレーズがよく使われます。

win-win

win-win ソリューションは、ある問題やアイディアにおいて相対する 2 人または 2 つのグループに利益をもたらします。つまり、意見の相違があってもこれを違った視点からも見ることができれば、双方が満足する利益を見出してwin-win ソリューションが成立することが多いのです。